第4回のテーマは「平和への問いを転換すること」。カントは、戦争は人間にとって異常なものでも逸脱的なものでもないと述べています。そのため、平和への問いを「なぜ戦争が起こるのか」ではなく「どうしたら戦争を起こりにくくさせることができるか」という問いへ転換することが重要だと説きます。「永遠平和のために」を読み解く鍵となる平和への問いの転換について津田塾大学教授・萱野稔人さんが解説します。
第3回は「人間性とは邪悪なものである―カントの人間観」と題して津田塾大学教授・萱野稔人さんがカントの人間観についてお話します。著書「永遠平和のために」では人間とは何かという認識においても理想論に立脚していません。高い道徳性を備えているとは考えず、人間性とは邪悪なものである、と述べています。6世紀後半、ヨーロッパのフランク王国での出来事「シカリウスのフェーデ」を読み解き、カントの人間観を探ります。
この番組は、単に歴史を紹介するのではなく洋の東西を問わず、これまで埋もれていて最近明らかになった史実など新鮮で話題性のあるテーマを取り上げ歴史ファンの知的好奇心にこたえていきます。
毎週火曜 午後8時30分
毎週火曜 午前10時