プッチーニがヴェルディの後を継ぎ、オペラの王座に就くことになる20世紀初頭、オペラは「芸術と娯楽の王」として君臨してきた立場から変わりつつありました。そうした時代の中、1904年に作ったのが「蝶々夫人」です。舞台は日本の長崎、どのようにしてこの作品が作られたのか、第2幕のアリア「ある晴れた日に」の持つ意味とは何か。プッチーニの偉業に触れながら音楽評論家の堀内修さんが紹介します。
プッチーニの代表作の一つ「トスカ」は今でも人気のある作品ですが、1900年の「トスカ」初演の際は、オペラの正統から大きく外れるなどと評論家から酷評されたといいます。オペラが大衆文化・芸術の中心から離れていく時代状況のなか、ドラマを動かす歌を作る名人プッチーニが「トスカ」に込めた先駆的な役割とは何なのか。70年前に収録されたマリア・カラスの歌声とともに音楽評論家の堀内修さんが詳しく解説します。
この番組では、音楽、演劇、美術、映画、古典芸能に至るまで幅広い芸術分野を取り上げます。講師にはその分野の第一人者を迎え1テーマを3か月にわたりじっくり掘り下げて聴くことができます。
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