木曜 文学の世界

この番組は、古今東西の名作や受賞やベストセラーで話題になっている作品をいち早く取り上げ鑑賞すると共に、著者の生き様や作品が出来るまでの知られざるエピソードを講師の解説により丁寧に辿っていきます。

2021年1月~3月放送予定

「いま、心に響く歌の力」

講師:今野 寿美(こんの すみ)歌人

万葉の時代から、歌は人とともにありました。三十一文字に世のさまざまや心情を詠み込む歌。五七五七七の定型から生まれるリズムに乗せた歌は、人の心に直接響きます。いつの世にあっても、人は歌に詠んで訴え、読んで感応し、味わうことで励まされてきたのではないでしょうか。歌は世相や人びとの日常をどう詠んできたか。困難な時代にあって、いま改めて歌の力を見つめ直してみたいと思います。美しい日本語を大切にしながら社会を、人びとを歌に描いてきた今野寿美さんが、世界中が閉塞の日々を強いられたまま先の見えないいまの時代の短歌を中心に、どんな社会であっても心に響く歌の姿について考察します。


出演者プロフィール

今野寿美(こんの・すみ)
1952 年生まれ。歌人。1979 年第25 回角川短歌賞受賞。92年、夫の三枝昻之と歌誌『りとむ』を創刊、現在編集人を務める。『世紀末の桃』(現代短歌女流賞)ほか『さくらのゆゑ』まで十歌集、著書として『わがふところにさくら来てちる―山川登美子と「明星」―』(五柳書院)、『24 のキーワードで読む与謝野晶子』(本阿弥書店)、『歌がたみ』(平凡社)、『短歌のための文語文法入門』(角川学芸出版)、『歌ことば100』(本阿弥書店)など。2015年より宮中歌会始選者。


第1回    コロナ禍と短歌(1)状況を直視する
第2回    コロナ禍と短歌(2)改めて思う〈日常〉とは
第3回    コロナ禍と短歌(3)災厄という観点を超えて
第4回    社会のなかの個人(1)歌の言葉を救いとして
第5回    社会のなかの個人(2)短歌の表現を力として
第6回    社会のなかの個人(3)病に得た精神の高み
第7回    災害を超えて(1)生と死の境界を思索する
第8回    災害を超えて(2)記録する短歌・その意味
第9回    災害を超えて(3)葛藤さえも隠さずに
第10回    自分のためだけでなく(1)わが子を守り抜く1
第11回    自分のためだけでなく(2)わが子を守り抜く2
第12回    自分のためだけでなく(3)病んでも他者を尊重して


2020年10月~12月放送予定

「文庫で味わうアメリカ短編小説」

講師:都甲幸治(とこう・こうじ)早稲田大学文学学術院教授、アメリカ文学研究者

この秋、アメリカ大統領選挙が行われるなど、いつにもましてアメリカに注目が集まっています。今回のシリーズでは講師厳選の代表的なアメリカ短編を時代順に読んでいきます。人種・戦争・性といった問題を見つめてきた作家たちの名作は、いま私たちに何を語りかけるでしょうか。
 


出演者プロフィール

都甲幸治(とこう・こうじ)早稲田大学文学学術院教授、アメリカ文学研究者
1969年、福岡県生まれ。翻訳家、早稲田大学文学学術院教授。著書に『21世紀の世界文学30冊を読む』(新潮社)、『「街小説」読みくらべ』(立東舎)、『世界文学の21世紀』(Pヴァイン)、『引き裂かれた世界の文学案内―境界から響く声たち』(大修館書店)、訳書にジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(共訳、新潮社)、ジャクリーン・ウッドソン『みんなとちがうきみだけど』(汐文社)、ドン・デリーロ『ポイント・オメガ』(水声社)などがある。


第1回  イントロダクション
第2回  エドガー・アラン・ポー1809-1849「黒猫」
第3回  ハーマン・メルヴィル1819-1891「書記バートルビー」
第4回  マーク・トウェイン1835-1910「失敗に終わった行軍の個人史」
第5回  シャーウッド・アンダーソン1876-1941「手」
第6回  F・スコット・フィッツジェラルド1896-1940「バビロン再訪」
第7回  ウィリアム・フォークナー1897-1962「孫むすめ」
第8回  アーネスト・ヘミングウェイ1899-1961「白い象のような山並み」
第9回  トルーマン・カポーティ1924-1984「クリスマスの思い出」
第10回  レイモンド・カーヴァー1938-1988「足もとに流れる深い川」
第11回  ティム・オブライエン1946-「レイニー川にて」
第12回  イーユン・リー1972-「優しさ」(中国出身、アメリカに帰化)
第13回  チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ1977-「なにかが首のまわりに」(ナイジェリア出身、アメリカで活動)


2020年4月~6月放送予定

「『遠野物語』を読みとく」

講師:新谷尚紀(しんたに・たかのり)国立歴史民俗資料館名誉教授、民俗学者

今年2020年は柳田國男の『遠野物語』が発刊して110年となります。
柳田國男が岩手県遠野地方に伝わる説話を筆記・編纂して明治43年に発表した「遠野物語」は、日本民俗学の出発点となった書物といわれ、後世に大きな影響を与えました。河童や天狗、座敷童などが登場する不思議な伝承の世界には、古来の日本人の生活様式やものの見方、考え方の原点が潜んでいると柳田は考え『遠野物語』を著しました。
今回のシリーズでは柳田國男が「遠野物語」で描きたかった世界の原点を読み説くと共に、「日本人とは何か」を見つめます。

出演者プロフィール

新谷尚紀(しんたに・たかのり)歴史民俗博物館名誉教授、民俗学者
1948年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部史学科卒業、同大学院博士課程修了。1998年「死・葬送・墓制をめぐる民俗学的研究」で慶應義塾大学社会学博士。国立歴史民俗博物館教授、総合研究大学院大学文科学研究科教授、國學院大学文学部教授、大学院客員教授。民俗学者。
主な著書には、『生と死の民俗史』木耳社、『日本人の葬儀』紀伊国屋書店、『神々の原像 祭祀の小宇宙』吉川弘文館、『なぜ日本人は賽銭を投げるのか 民俗信仰を読み解く』文春新書、『柳田民俗学の継承と発展 その視点と方法』吉川弘文館、『伊勢神宮と出雲大社-「日本」と「天皇」の誕生』講談社選書メチエ、『民俗学とは何か―柳田・折口・渋沢に学び直す』吉川弘文館など多数。

第1回  柳田國男と「遠野物語」(1)
第2回  柳田國男と「遠野物語」(2)
第3回  跋扈する妖怪たち(1)
第4回  跋扈する妖怪たち(2)
第5回  異世界の住人たち(1)
第6回  異世界の住人たち(2)
第7回  動物たちの物語(1)
第8回  動物たちの物語(2)
第9回  神々の来歴(1)
第10回  神々の来歴(2)
第11回  日本人とは何か(1)
第12回  日本人とは何か(2)
第13回  日本人とは何か(3)


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