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~5月号~「仕掛けを作って 新たな市場を創り出せ!」

世界的食品メーカーの日本法人、ネスレ日本。オフィスでのコーヒー需要を掘り起こした「アンバサダー」の発想方法や、新たな市場を創り出す社員全員の取り組みに迫ります。

チョコレート菓子やコーヒーなど定番商品で売り上げを伸ばして来たネスレ日本。しかし2000年以降、伸び悩みます。そこで、注目したのがオフィス需要。家庭向けコーヒーマシンを独自のビジネスモデルで売り込み、新たな市場を獲得。同社では、新たな顧客が抱える課題を探し、自社商品で解決案を示す発想を“稼ぐ仕組み”として全社員で企画を考える「イノベーションアワード」を行い、新たな事業を立ち上げる機会にしています。

壺ナビゲーター:西川かの子(タレント)

【放送】2019年5月26日(日) 総合テレビ 午前 7時45分〜 8時25分

メインコーナー

ネスレ日本 代表取締役社長 兼 CEO 高岡浩三さん

人口減少や少子化で新たな需要を掘り起こす必要に迫られたネスレ日本。しかし、外資系企業の日本支社のため海外に活路を見出すことはできません。そこで、高岡浩三社長は、シェアが少なかったオフィスでの需要に目を向けました。個人を「アンバサダー」として募り、コーヒーマシンは無料で貸与。マシン管理、集金、商品発注をユーザーに任せるビジネスモデル。商品の定期購入も導入し顧客の定着を図りました。この成功から、編み出した「稼ぐ仕組み」は、社内の事業提案制度として全社員が参加。事業化した企画もあります。ニーズ発見の発想法、社員を本気にさせる方法に迫りました。

わが社の働く知恵

「考える時間」を作るため、会議は原則30分以内。資料は3枚までとしています。
資料は箇条書きにするのがポイント。
口頭で説明することが必要になるため、社員にとっても必要な情報が整理できるそうです。

イノベーションの芽

アンバサダーを利用する人などから、食事の写真をアプリで送ってもらい、ユーザーごとに合った商品を提供する「パーソナライズ」で健康分野でのビジネスを展開しています。


ベンチャー企業コーナー

合同会社 ヴァレイ
社長 谷英希さん

奈良の衣料品の縫製工場が立ち上げたビジネスを取材しました。高い技術を持ちながら、工場の海外移転で、仕事がない縫製士を「潜在縫製士」として探し出し、ネットワーク化。社長の谷さんは、少量でも技術力が求められる国内外のデザイナーの縫製などを受注し、職人の腕や体力に応じて仕事を割り振ります。職人の負担を減らすため、縫製以外の作業(縫製、検品など)は自社工場で担当し、職人が十分に腕を奮えるようにしています。


わが社のルーキー

日本精線株式会社
研究開発部 明 剛史さん

今回のルーキーは、研究開発部で働く明剛史さん、26歳。勤めているのは、バネやネジ、精密機器などに使われるステンレス製のワイヤーを加工、製造している会社です。明さんの仕事の楽しみは、顕微鏡で見る「結晶粒(けっしょうりゅう)」。日々、顕微鏡を使って、ワイヤーの成分分析に取り組んでいます。開発を任されているのは、0.1㎜の細さで1㎏ほどの重さに耐えられる、精密機器用のワイヤー。お客さんの求めている「細さと強度」に応えられたときに、「よし、やった!」とやりがいを感じるそうです。上司や先輩とチーム一丸になり、製品化に向け研究に力を入れています。


コメンテーターの真山仁さんに、「真山の目」に込めた思いと、収録を終えた感想を語ってもらいました。

真山の目

“つなぐ人”をどうむすぶ

真山の目を考える時には、取材した企業に共通したキーワードを探すのですが、もう1つ大事にしているのは、登場した企業だけに通用する話ではなくて、ご覧になっている方の仕事や経営など、これからのビジネスのヒントに少しでもなれば、ということです。

今回の真山の目は、「“つなぐ人”をどうむすぶ」。ご紹介した2つの企業の注目点は、“会社の中で自己完結していない”ということです。

社外にステークフォルダー(利害関係者)がたくさんいるということは以前から言われていますが、高岡さんの会社では、アンバサダーという形で個人のパートナーを社外に求めました。そして、様々な想いを含めて自社のビジネスを託すことをしたことは英断だったと思います。

また日本のアパレル産業は、高い技術を持つ人と求めている人が出会えないことによって、世界的に注目されているにも関わらず衰退している状況があります。日本はもの作り大国とよく言われますが、今は、もの作りの根本である、関係する企業や職人を繋いで製品にしていくという過程が軽視されているような気がします。

谷さんは両者を繋ぐことで新たな製品を作り、製品ができることで両者は更に深く繋がっていきます。こうした取り組みを通じて、今まで以上に新しい衣料やファッションが日本から発信できる可能性があるのではないかと思いました。

真山の目
先端技術を道具として常識を破れ!!

もっと真山の目

高岡さんはビジネスの天才と呼ばれ、ご著書も出されています。今回はあえて、どういう過程の中からそのような素晴らしい結果が生まれてきたかについて、具体的に掘り下げてみようとしました。お話をうかがってみると、さすが柔軟で変化することを怖がらない方なので、どの質問にも想像以上に答えが返ってきました。

谷さんは、29歳とは思えない品の良さや紳士的な物腰をお持ちの方で、一体どういう人生を歩み何を見て自分の糧とされてきたのかを知りたいと思いました。あいにく今回はスタジオにお呼びできなかったのですが、いつか直接お会いしてお話を聞いてみたいです。ぜひ、これから日本の素晴らしい洋服やファッションを世界に発信していく第一人者になってほしいと思いました。

もっと真山の目
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