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定番を伸ばして売り込め!

大阪のおばちゃんと言えば「アメちゃん」。誕生から70年、それでも売れ続けるパイナップル味のアメを作るアメ専業メーカーの社長が登場!デザイン・大きさ・味を変えながらも、「定番」として愛され続ける秘密や、競争の激しいコンビニの「棚」をめぐる戦略のほか、「コラボ商品」でお客にアピールする取り組みも。ベンチャー企業は門外漢の社長が目指す「理容師の年収700万円」の理容室。その収益の秘けつを伝えます。

ゲスト:西川かの子(芸人)

【放送】2020年8月23日(日) 総合テレビ 午前 7時45分〜 8時25分

メインコーナー

パイン株式会社 社長 上田豊さん

大阪はアメメーカーが多く集まる街。その中で、70年近く定番商品として売れ続けているパイン味のアメを製造しているのが今回登場した会社です。戦後、子供たちのあこがれだったパイナップルの缶詰の味のアメを作ったのが始まりです。その後、時代の変化に合わせ、アメの大きさ、パッケージ、そして味を変え続けてきました。例えば、大きさは創業時10グラムだったのが、今では女性でも食べやすいようにと4.8グラムに。この変化こそ定番を守り続けてきた理由だと上田社長は言います。アメは必需品でなく、嗜好品であるため、あえて客に気付かれない程度の変化を繰り返し、時代に合わせてきたのです。創業以来、70年近くで20~30回も小さな変化を加え、まさに「会社のセンターアイドル」になったそうです。

また、定番というブランド力があるため、今では多くの企業からコラボ商品の依頼がくると言います。クッキーやラムネなど菓子の他、手ぬぐい、洗剤とのコラボもしています。

今、狙っているのがコンビニ市場。競争の激しいこの市場で勝ち抜くためにある工夫をしていました。定番商品のアメと似ている新商品を開発し、セットで売り込むというのです。定番の安心感と新商品の期待感で売り込む狙いです。

今年中には新工場を稼働させる予定で、あくまで定番のアメにこだわった販売戦略を続けていくそうです。


ベンチャー企業コーナー

ギークマン株式会社 代表取締役CEO 田中慎也さん

ギークマン株式会社
代表取締役CEO 田中慎也さん

平均年収が300万円といわれる理容業界で、年収700万円を目指す企業がありました。年収アップの秘訣は、徹底的な合理化。回転率をあげるために、予約を廃止。さらに支払いは完全キャッシュレス。さらに、お客の髪型を撮影し、スタッフ全員で共有出来るという体制をつくり、開業時より回転率が40%向上したといいます。さらに、店は、経営が成り立つ売り上げの4割だけをとり、残りは全て理容師に配分するというシステムを作りました。田中社長は、これまで全く別の業界で働いていたのですが、だからこそ思い切った斬新な仕組みを作り上げることが出来たといいます。


わが社のルーキー

株式会社奥村組 工事係 爪丸公太さん

株式会社奥村組
工事係 爪丸公太さん

全国で大規模施設の施工を手がける総合建築会社に就職して2年目になる爪丸さんは、今、梅田駅の改良工事の施工管理者として働いています。外で体を動かすのが大好きで、大きなものづくりがしたいとこの会社を選んだそうです。将来の夢は、大きな建設機械の作業計画を安全、円滑に進めていけるようなスキルを身につけることです。


コメンテーターの三神万里子さんに、収録後の感想を語ってもらいました。

実直に微調整を続ける

先行きが不透明な状況が続いています。どのような局面でも売れる商品の秘密を、今回はふたつの企業事例から探りました。

一社目は、少子化・人口減少・健康志向という苦境にあるお菓子業界の中で、戦後から定番商品を売り続ける飴メーカーです。

「定番」は不思議な強さを持ちます。新型コロナウィルス禍でも売り上げは安定しているといいます。

定番品は意図してはじめから作れるものではありません。お話から見えて来たのは、とにかく顧客が認知し手に取りやすくするための微調整を、気づかれない程度にひっそりと繰り返すことでした。商品はシンプルに徹して基本的な価値(=美味しさと楽しさ)を守りながら、再び手にとってもらえる仕掛けを徹底的に考え抜いていたのです。

砂糖への渇望感があった戦後は、駄菓子屋で買う子供向けに大玉の一粒売り。スーパーマーケットが流通の要になると、女性向けのパッケージデザインにして袋詰めに。食事の西洋化が進むと味をわずかに酸っぱめにし、健康志向になると一粒あたりの大きさを小さく変更。さらに女性の活動範囲拡大に伴いハンドバッグから出し入れしやすい袋に……。概ね3年ごとに、様々な角度から磨き直しを続けていました。

二社目の事例は“床屋”です。ヘアカットの世界には美容院と理容院があります。美容院は、カラーやパーマでより髪に装飾性を増し、メイクや着付けと組み合わせる分野。一方、刈り込む、髭を剃るといった整髪技術が理容院です。男性も美容院に行くようになり、理容師免許取得者は美容師の約10分の1に減少、高齢化も進み市場が縮小していました。ところが、業界外から参入した若者が短期に変革を起こしました。予約無しで行けてクールな店構え、理容師もお洒落な服装で施術は半個室。しかも、動線や情報管理の無駄取りにより理容師側も年収は激増。職人気質で経営は苦手な方が多い業界だからこそ、門外漢が集中的に価値の磨き直しをしたところ短期での起死回生に成功しました。

飴と理容業界。ふたつの事例は一見遠いようですが共通項があります。逆風下で着手すべきは、まずは今ある顧客にとってのストレス要因を徹底して取り除くことです。その後、危機を越えた後も実直に微調整を続けることで、結果的にロングセラーやスタンダードに育つのではないでしょうか。

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