とく6セレクション

「健康と幸せを届ける料理研究家 山口さき さん」(8月27日放送)

今コレ食べドキ!でおなじみの山口さきさん。
簡単ヘルシーレシピを生み出す山口さんの料理に懸ける思いを、太田晶子キャスターが聞きました。


「1年生記者が見た“踊りのない夏”」(8月19日放送)

新型コロナウイルス感染拡大で戦後初の全日程中止となった徳島市の阿波おどり。
NHK徳島では、これまで「踊りのない夏」を総力取材でお伝えしてきました。
きょうは、ちょっと異色のリポートをお伝えします。題して「1年生記者が見た“踊りのない夏”」。
この春、赴任も延期、新人研修もリモートと、異例づくしの環境で社会人のスタートを切ったのが、
徳島局の新人、藤原哲哉記者。
埼玉出身で、これまで阿波おどりに縁の無かった1年生記者が、
現場を歩きました。「踊りのない夏」、彼は何を見て、何を感じたのでしょうか。


「今コレ食べドキ出演中!お弁当インスタグラマ― わたをさん」(7月31日放送)

徳島市内で看板製作の会社を営むかたわら、
ボリューム満点のお弁当の写真で人気のインスタグラマーのわたをさん。
わたをさんのこだわりが詰まった台所やお弁当作りにかける思いを取材しました。


「とくしま森羅万象~家族をつなぐ里の光~」(7月13日放送)

ホタルの里として知られる吉野川市美郷。毎年、県内外から多くの人が訪れるほたる祭りは、新型コロナウイルスの影響で今年は中止に。
それでも、美郷にはホタルを大切に守り続ける人たちの姿がありました。ホタルと”共に生きる”美郷の人たちの夏を取材しました。


「空襲の記憶と生きて」(7月22日放送)

およそ1000人が犠牲になった「徳島大空襲」から75年になりました。
8歳でこの空襲にあい、母、妹、弟の3人を亡くした女性がいます。
「川に浮かぶ妹の背中」に「母親のいない寂しさ」、
いくつもの辛い記憶をしまい込んで生きた75年の証言です。


「“ちょうちょ先生”の恩返し」(7月29日放送)

その日は別れを惜しむかのように雨が降っていました。
子どもたちが大切に育ててきたチョウを自然に返す日。
強い雨をものともせずに、手を離れたチョウは次々に大空へ羽ばたきました。
子どもたちはその軌跡をいつまでも見つめていました。そんな姿を、目を細めて眺める1人の男性がいました。
30年前にこの山間部の小学校に勤務していた「ちょうちょ先生」です。
お世話になった地域に恩返しをしたいと、今回、子どもたちのチョウの飼育を手伝いました。
「ちょうちょ先生」の思いと、地域の自然の豊かさに触れた子どもたちの姿を取材しました。


オオムラ隊長と谷間の小学校

谷間の小学校

徳島県西部の三好市。四方を山に囲まれ、大歩危峡と呼ばれる深い渓谷が刻む風光明媚な場所です。
渓谷のすぐ脇に建っているのが下名小学校です。
全校児童はわずか7人ですが、みんな仲良く、自然の中で元気いっぱいに駆け回っています。子どもたちはこの春から、あるチョウの飼育に取り組んでいました。冬の間に近くの林で見つけてきた小さな茶色の幼虫は、春になってエノキが芽吹くと、緑色に姿を変え、葉っぱを食べてどんどん育ちます。子どもたちはそれぞれ自分専用のエノキの鉢植えを作り、幼虫に名前を付けて観察を続けていました。ある男の子は「オオムラ隊長」と名付け、女の子は「ひとちゃん」と呼んでいました。

ちょうちょ先生

“ちょうちょ先生” 三好康彦さん

チョウの飼育を指導した男性がいます。元教員の三好康彦さん(60)。三好さんは、去年退職しましたが、今回飼育のお手伝いをすることになりました。胸に去来したのは、子どもたちとチョウを追った30年以上前の若い日々でした。
三好さんは大学を卒業して教師になった3年目、この地域にある小学校に赴任しました。今のようにパソコンやスマートフォンも無い時代。子どもたちの遊び相手は身近にある自然でした。チョウが大好きな三好さんは、子どもたちに自然の奥深さを伝えたいと、学校の周りのチョウを採集・調査する活動に没頭しました。
標本
若くて元気な「ちょうちょ先生」に感化されて、子どもたちは夢中でチョウを追いかけるようになりました。そんな姿を地域の人たちは今も鮮明に覚えています。ある教え子の母親は、その時に息子が集めたチョウの標本を今も大切に保管していました。昆虫標本は、適切に管理しないと色あせたり、虫に喰われてしまったりしますが、母親は防虫剤を年に1回きちんと取り替えてきました。2箱にぎっしりと並んだ地元のチョウの標本。その中には、環境の変化で今ではもう見られなくなってしまった種類もあります。子どもたちが集めたチョウは地域の自然の変遷を知る貴重な資料とも言えるのです。
思い出の写真
久しぶりに教え子の自宅を訪ねて当時の標本を見た三好さん、思わずこう呟きました。
「本当によく残っていましたね」
母親は笑顔で、「先生と息子が集めた宝物だからね」と答えました。
息子は巣立ち、いまは県外で暮らしています。もうチョウに関心を示すことはありません。
しかし、豊かな自然の中で無心にチョウを追った原体験と、楽しい世界に誘ってくれた「ちょうちょ先生」のことは生涯忘れることはありません。

地域への恩返し

地域への恩返し

三好さんがこの地を離れて30年以上の歳月が流れました。三好さんは去年退職し、長年の教員生活にピリオドを打ちました。教員という職業柄、都市部から山間部まで県内各地の学校に勤務しましたが、とりわけ若い日に勤務し、子どもたちとチョウを追った山の中の学校のことは忘れがたいと言います。
30年の歳月は、この地域の姿を変えるには充分な時間でした。少子化と過疎化が進み、かつて勤務した小学校も廃校になってしまいました。子どもたちと記念撮影をした石碑は今も変わらずに建っていますが、校庭に響いていた子どもたちの元気な声はもう聞こえません。
今回、三好さんは久しぶりにかつて勤務した学校を訪れました。校舎に入った三好さんは、30年以上前に子どもたちと集めたチョウの標本が展示・保管されていたことに驚くとともに、目頭が熱くなるのを感じました。「若き日にお世話になった地域に何か恩返しがしたい」という気持ちを強くしたのでした。退職後、以前同じ学校に勤務した教員から、「自然観察の手伝いをして欲しい」という依頼を受けていました。三好さんは喜んで引き受けることにしました。
オオムラサキ

“国蝶”オオムラサキを育てる

三好さんが選んだのは国の蝶にも選ばれているオオムラサキ。はねを広げると10センチにもなる大型のタテハチョウの仲間で、オスはその名の通り、青紫色に輝く美しい模様をしています。
子供たち
冬の間に三好さんは学校周辺の森で幼虫を探しました。本当は子どもたちと一緒に探す予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で果たせませんでした。4月から始まった飼育も、休校中は三好さんや先生が世話をするなど、予定通りにはいきませんでした。でも、子どもたちが頑張っている姿を見て、地域の人たちも動き出しました。校庭には、地域の人たちの協力で立派な飼育小屋も建ちました。中にはエノキを植えて、えさ場の台も作りました。羽化したオオムラサキの一部をこの中で飛ばして、飼育して卵を産ませ、来年も飼育するという夢も広がりました。
6月。梅雨の中休みでよく晴れた日。子どもたちが育ててきたオオムラサキはさなぎになり、羽化させる準備が行われていました。エノキの鉢植えの適切な場所に、三好さんの指導を受けながら、子どもたちが1つずつさなぎを配置します。いよいよ羽化の日が近づいてきました。

飛べ、オオムラサキ

飛べ、オオムラサキ

緑色のいもむしがさなぎになり、美しい蝶が生まれるのはまさに自然の神秘そのものです。羽化が近づき、色づいてきたさなぎからオオムラサキが羽化する瞬間を子どもたちは見守りました。小さく折りたたまれていたはねがゆっくりと伸びて、やがて大きな蝶になります。羽化したばかりのオオムラサキのオスは目の覚めるような青紫色の光沢を放ちます。取材している私はこれまで昆虫にあまり関心は無かったのですが、なぜ三好さんがチョウに惹かれるのかが、少し分かったような気がしました。
教室では子どもたちが羽化したオオムラサキを観察する授業が行われました。もうすぐ自然に返す日が来ます。子どもたちは正直な気持ちを口にしていました。
ある女の子は「自然に返すのは(惜しいので)嫌だけど、また学校に来てくれたらいいな」と話していました。
ある男の子は「出会いもあれば別れもある」なんて、達観したことを口にしてみんなを和ませました。
放チョウ会
いよいよ放チョウ会の日になりました。梅雨のさなかで天気はどんよりとした曇り。今にも泣き出しそうな空模様でした。子どもたちは、チョウを放す前に、1人1人飼育の思い出や今の気持ちを発表しました。
「ぼくの『オオムラ隊長くん』は幼虫の時に勢い良くエノキの葉っぱを食べていました」「私の『ひとちゃん』は滑りやすい壁にさなぎになりましたが、羽化するときに落ちなかったので頑張ったと思います」
子どもたちがオオムラサキを空に放つころには、別れを惜しんだのか雨が強くなってきました。「卵を産んできれいなお母さんになって下さい」「いつでも帰ってきて下さい、『オオムラサキ子ちゃん』」「長生きしてね」子どもたちのエールを受けて、オオムラサキが力強く羽ばたき、次々に子どもたちの手を飛び立っていきます。雨をものともしない力強い飛翔でした。
オオムラサキの輝き
その様子を見守った三好さん。今の気持ちを聞いたとき、こう答えてくれました。「今まで育ててきた期間が長かっただけに子どもたちの思いもこもっていて非常に良かったと思いました。オオムラサキがすむ自然が残っていて、その自然を残していこうとする気持ち。オオムラサキを自分の子どもたちに伝えていく気持ち。そういう気持ちで自然に接してくれるような子どもに育ってくれたら」

小さな山の学校で行われたこの夏の取り組み。“ちょうちょ先生”が教えてくれたオオムラサキの輝きは子どもたちの胸の中でいつまでも色あせることはないでしょう。
(六田悠一記者)

「特集“踊りのない夏” 5.“ぞめき” まちに響け!」(7月27日放送)

新型コロナウイルスの感染拡大をうけて中止となった、徳島市の阿波おどり。
静かになった徳島の夏を少しでも盛り上げようと、あるイベントが開催されました。


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