NHK大阪ホールで開催している「NHK上方落語の会」。昭和36年から始まって330回を超えるこの会は、上方落語の本格の芸を楽しんでいただける会として好評をいただいています。
この会で収録した、今、聞いていただきたい味わい深い話芸をじっくりと堪能していただけるのがこの番組です。旬の若手の噺家から、ベテラン噺家、そして上方落語界を代表する重鎮の落語家まで、多彩な出演者がとっておきのネタを披露。そして、落語に興味を持つゲストが実際に落語会を見て、落語の楽しさ、おもしろさをお伝えします。
笑いと涙の人情噺から爆笑創作落語まで、バラエティー豊かな内容でお届けし、落語をよく知らない人にも、寄席にいるかのように、落語の魅力を感じていただける番組です。

放送予定

※放送日時・内容は変更・休止になる場合があります。

10月27日(金)

今回は平成29年10月にNHK大阪ホールで実施した「NHK上方落語の会」から、桂米輝さんと立川生志さんの落語をお送りします。ゲストはピアニストで作曲家の西村由紀江さんです。

桂 米輝(かつら・よねき)

桂 米輝(かつら・よねき)
 

米輝さんは1984年、奈良県大和郡山市の生まれ。
2011年7月に米團治師匠のもとに入門。
落語だけでなく、ピアノ、ギターなど音楽の面にも才能を発揮しています。
2017年に開かれた「上方落語若手噺家グランブリ」で優勝しました。
今回は、その時の受賞作である自作の『イルカ売り』をお聞きいただきます。
(小佐田定雄)

 


「イルカ売り」(イルカウリ)

落語会の楽屋。
プログラムに、きょう自分が演じるネタが「イルカ売り」と書かれている。
そんなネタ、これまでに見たことも聞いたこともない。
師匠に尋ねると、直接稽古を付けたと言う。
開演時間になり、どうしようもなく舞台に上がるのだが…。






立川生志

立川 生志(たてかわ・しょうし)


生志さんは1963年、福岡県筑紫野市の生まれ。
1988年7月に立川談志師匠のもとに入門。
「笑志」と名付けられました。
2008年4月に真打に昇進すると同時に「生志」と改名しました。
11年間の二つ目時代には「史上最強の二つ目」として高い評価を得ていました。
今回お聞きいただきますのは、冬の江戸の夜を描いた『二番煎じ』です。
(小佐田定雄)

 

 

「二番煎じ」(にばんせんじ)

年の暮れは、町内の者で「火の用心」の見回りをする。
番屋は禁酒になっているのだが、寒い夜になると、
どうしても体を温めるために「煎じ薬」と称して酒を内緒で持ち込む者が出てくる。さらには猪鍋を用意した者があり、隠れた宴会がはじまって…。

 


 

西村由紀江(ピアニスト・作曲家)
【ゲスト】
西村由紀江(ピアニスト・作曲家)


 

10月20日(金)

今回は、平成29年9月にNHK大阪ホールで実施した「NHK上方落語の会」から、桂 米二さんの落語をお送りします。
ゲストは女優でタレントの三倉茉奈さんです。

桂 米二(かつら・よねじ)

 桂 米二(かつら・よねじ)

米二さんは1957年、京都市の生まれ。
1976年11月に、桂米朝師匠のもとに入門。
エリック・クラプトンと劇団四季の熱烈なファンです。
落語だけでなく筆も立ち、「上方落語十八番でございます」という著作もあります。
几帳面な性格で、数多くの一門会や勉強会の世話人を勤めています。
今回お聞きいただきますのは、米二さんの地元・京都が舞台になっている『はてなの茶碗』です。(小佐田定雄)

「はてなの茶碗」(はてなのちゃわん)

京都・清水寺の茶店に、茶道具屋の金兵衛、通称・茶金さん。
お茶を飲み終えた茶碗をひねくり回し「はてな?」と言葉を残し立ち去る。
この様子を見ていたのが、担ぎの油屋。
よほどの値打ちものに違いないと、全財産の二両でこの茶碗を手に入れる。
油屋は、茶碗を桐の箱へ入れ、更紗の風呂敷に包んで茶金さんの茶道具屋へとやってきた…。


【ゲスト】
三倉茉奈(女優・タレント)

今回は桂米朝師匠の直系のお弟子さん、桂 米二さんの落語「はてなの茶碗」を聴きました。
「はてなの茶碗」というタイトルを耳にすることはあったのですが、
この落語全編を聴くのは初めてでした。
単なる清水焼の数茶碗が2両で取り引きされ、それが3両になり、
最後には千両になるという、壮大な物語だったんですねぇ。
大阪の商人魂も感じましたし、京都の古道具屋の主人の気位の高さも感じましたし、その対比がおもしろかったですね。
米二さんにお話をうかがいました。
米二さんは、世界的なギタリスト、エリック・クラプトンの大ファンだそうです。
コンサートの日本公演があると大阪だけでなく、
東京でも名古屋でも出掛けて行くそうで、観に行った回数は、
通算56回を数えるそうです。
初めてクラプトンのコンサートへ行ったのは、米朝師匠に弟子入りして、
米朝師匠のご自宅で住み込みの弟子修業時代だったそうです。
その日、米朝師匠は仕事にお出かけで、
師匠の奥様が「そんなに行きたいんなら行っといで」と言ってくれたのだそうです。やさしい奥様ですねぇ。
「クラプトンと落語」に相通じるものを尋ねてみました。
「感動するものには相通じるものがあると思います。
それは歌舞伎にしても文楽にしても同じところがあると思います」と、
お答えになりました。
米二さんは、これからも感動を与えてくれる落語を演じてくださるでしょう。
私も負けじと、感動を生むようなお芝居をしなければならない、と思ったことでした。

 

 
 


10月6日(金)

今回は、平成29年9月にNHK大阪ホールで実施した「NHK上方落語の会」から、
桂宗助さんと桂米輔さんの落語をお送りします。ゲストは女優でタレントの三倉茉奈さんです。

桂 宗助(かつら・そうすけ)

 桂 宗助(かつら・そうすけ)

宗助さんは1964年、兵庫県尼崎市の生まれ。
1988年10月に、桂米朝師匠のもとに入門。
入門するまでは板前をしていたので、宗助さんが内弟子を勤めていた期間、
米朝師のお宅の食卓は豪華だったとうかがいます。
今回お聞きいただきますのは、米朝師匠しかお演りにならなかった珍品中の珍品
『釜猫』です。
(小佐田定雄)
 
「釜猫」(かまねこ)
道楽者の若旦那。放蕩が過ぎて家の二階へ閉じ込められる。
何とか逃げ出そうと、釜の
中に隠れて床屋の磯七に釜を借りに来させる計画を立てるが、
これが親旦那の知るところとなった。
親旦那、空釜を炊いて若旦那を釜から出すと…。



桂 米輔(かつら・よねすけ)

桂 米輔(かつら・よねすけ)
米輔さんは1950年、大阪市の生まれ。
1970年4月に、桂米朝師匠のもとに入門。
上方では寄席囃子の笛のパイオニアです。
三味線や長唄もプロ級の腕前で、昔は社交ダンスもやっていました。
まさに「歩くカルチャースクール」です。
色白で、お米をふくらまして作る「ポン菓子」に似ているところから
「ポンちゃん」と呼ばれています。
今回お聞きいただきますのは、愛すべき泥棒が登場する『花色木綿』です。
(小佐田定雄)

             
 「花色木綿」(はないろもめん)
ある家に泥棒が入るが、ろくな物はなく盗る物がない。
この家の主、独り者が帰ってきて、泥棒はあわてて隠れるが、
男は家主に口からでまかせに盗られたという品物を挙げていく。
衣類の裏地は、なんでもかんでも「花色の木綿」の一点張りで…。

 


三倉茉奈(みくらまな)

【ゲスト】三倉茉奈(女優・タレント)

今回は桂米朝一門の、桂 米輔さんと桂 宗助さんの落語を聴きました。
おふたりとは、以前に松竹座での桂 米朝師匠の追善興行のお芝居で
ご一緒しています。
まずは、宗助さんの「釜猫」。
小佐田先生によると、米朝師匠しか演じる人がいなかった、
という大変珍しい演目だそうです。
聴く前にそんなことを言われて興味津々聴いてみると、
好きな噺でしたねぇ。
遊びが過ぎた、道楽者の若旦那が家の二階に閉じ込められて、
家を逃げ出す作戦をトイレでやりとりしていると、
隣で親旦那が聞いているという筋書き。
若旦那が大きな釜の中に隠れて家を出てお茶屋に行こうとすると、
親旦那が空釜を炊いて若旦那を外へ出し、
代わりに猫を釜の中へ入れるという展開。不思議な噺でした。
ホントに落語には、いろんな噺があるんだなぁと思わされました。
 
後半は宗助さんの兄弟子の、米輔さんの出番。
米輔さんは、この「上方落語の会」では、
お囃子のレギュラーメンバーで、
毎回美しい音色の笛を吹いている方なのです。
きょうの演目は「花色木綿」。
長屋の独り者の家に泥棒が入っての騒動ですが、
この独り者の家には、泥棒にとっては何も盗る物が無いという。
それなのに大家さんに尋ねられると、
実際には何も盗られていないのに、
盗られたという品物を次から次へと挙げていき、
衣類の裏地はなんでもかんでも「花色の木綿」の一点張り。
「繰り返し」という、お笑いの王道パターンだと思いますが、
次に言うことが分かっていても笑ってしまう噺でした。
この繰り返しがクドくなく楽しいというのは、
米輔さんの飄々としたキャラクターも相まっているんでしょうねぇ。
ストーリーの「展開の意外性を楽しむ」噺と「展開が分かった上で楽しむ」噺。
両極端な二席の落語を聴きました。



 


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