享保年間、江戸一帯のみならず、東海道、中仙道から上方まで股にかけ、鮮やかな手口で大金を奪う盗賊の一味があった。大金持ちの金蔵しか狙わず、けして殺さず、傷つけず、雲が涌くように現れ出て、霧のように消えてしまうところから雲霧一党と人は呼んだ。その首領は雲霧仁左衛門。
対する火付盗賊改方の長官は安部式部。二人の知恵くらべとも言うべき戦いは果てしなく続いていた。

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