2月15日(水)

3大スペシャル「脳卒中」

患者は、和服の仕立ての仕事をしている53歳の女性。20年前に夫を事故で亡くし、女手一つで娘を育て大学に通わせている。「お母さん行ってきます!」と、娘が大学に出かけたのは朝8時半。しかし夕方帰ってきた娘が目にしたのは、右半身が動かず、助けを呼ぶこともできずに苦しむ母親の姿だった。救急車で病院へ。患者を救うには倒れた正確な時刻が重要だが、それがわからない。その時ドクターGは、ある決断をする!
【ドクターG】 総合病院国保旭中央病院 医師・塩尻俊明
【ゲスト】 ハイヒールリンゴ、山田五郎

 ~「心原性脳塞栓症」(しんげんせいのうそくせんしょう)~
脳梗塞(のうこうそく)のひとつ。心臓でできた比較的大きな血栓(血のかたまり)が、脳の太い血管に詰まることで、その先の脳の組織への血流が滞り、半身のまひ、失語、共同偏視(きょうどうへんし:両目が左右のどちらかに向いたままになる)などの症状が起きます。血栓が詰まる場所によりますが、影響を受ける脳の組織の範囲が広いことが多いため、突然に発作が起こり、さまざまな症状が強く現れるという特徴があります。
治療は、カテーテル器具を使って血栓を掻き出し、血管のつまりを無くす方法や、薬(t-PA)で血栓を溶かす方法などがあります。t-PAで血栓を溶かす処置は、最終未発症時間(本人の申告や、元気な状態が家族などに目撃された時間)から4時間半以内に行う必要があります。症例の患者さんは、娘さんの証言や、MRI検査の画像診断によって、脳の組織の状態を総合的に判断し、血栓を溶かす薬(t-PA)を使いました。脳細胞の壊死が進む前に薬によって血栓が解けたため、右手以外にはほとんど後遺症が出ませんでした。

1月25日(水)

3大スペシャル「肺がん」

20年続く喫茶店のマスターの山本さん。毎年受けている健康診断を近くの病院で受けたところ、自覚症状は全くないのに5センチ大の悪性腫瘍が見つかった。左肺の最上部、非常に危険なところにあるという。1年前には何も指摘されなかったのに…。まだ小学校に入ったばかりの娘もいるのに死ぬわけにはいかない!ステージはいくつ?治療は抗がん剤?放射線?外科手術で切り取る?研修医たちは山本さんを助けることができるのか。
【ドクターG】 広島大学病院 医師・岡田守人
【ゲスト】 ジュディ・オング、片岡鶴太郎

 ~「肺がん」(はいがん)~
がん(悪性腫瘍)は、日本人の死因の中で最も多い病気です。2人に1人が一生のうちに1度はがんにかかり、3人に1人ががんで亡くなっています。中でも最も患者数が多いのが肺がんで、2014年には7万人以上が亡くなっています。
肺がんは、肺の細胞の中にある遺伝子に傷がつく(変異する)ことで生じます。進行するにつれて周囲の組織を破壊しながら増殖し、血液やリンパの流れに乗って転移していきます。治療方法は主に外科手術、放射線療法、化学療法(抗がん剤など)で、これらを組み合わせて治療することもあります。
今回の症例の患者さんは、肺の上部(肺尖部)に5センチ大の悪性腫瘍ができていました。健康診断は年に一度受けていましたが、去年までのレントゲン検査では、がんが骨の下に隠れ、見つからなかったのです。肺がんは、すでに周囲の血管(鎖骨下動脈)に浸潤していました。本人が五十肩だと考えていた腕の痛みやしびれも肺がんが原因でしたが、腫瘍が隣接する神経を圧迫していたためのもので、幸い浸潤はしていませんでした。3か月間、放射線と抗がん剤を使ってがんを小さくしてから外科手術を行い、がんを含む肺(左上葉)と鎖骨下動脈の浸潤部を取り除きました。手術から八年経ちましたが、患者さんは再発もなくお元気に過ごされています。

11月16日(水)

3大スペシャル「心臓病」

ドクターGは「神の手を持つ男」といわれる心臓外科医の南淵昭宏医師(昭和大学横浜市北部病院)。患者は、最近動くと胸が痛み、息苦しいという62歳の豆腐店の主人。近所の病院で診てもらったところ、心臓の病気と診断された。手術した方が良いかもしれないと、紹介状を携えてドクターGのもとへ。患者を救う方法は?手術を成功させるための、目から鱗の秘訣とは?
【ドクターG】 昭和大学横浜市北部病院 医師・南淵明宏
【ゲスト】 武田鉄矢、秋野暢子

 ~「狭心症」(きょうしんしょう)~
心臓を動かす筋肉(心筋)に血液を送る血管・冠動脈の内側が、動脈硬化などが原因で狭くなり、血流量が減る病気。心筋が貧血状態になるため、運動時などに胸の痛みや圧迫感、息切れなどの症状がでます。
薬物治療、カテーテル治療、冠動脈バイパス術などにより、心筋に十分な血液を送るための治療を行います。狭心症の中でも「不安定狭心症」は、1日に2~3回の発作が起きたり、安静時にも発作が出たりする重篤な状態です。心筋梗塞になることもあるので早い治療が必要です。
症例の患者は、冠動脈の中でも重要な3本の血管である右冠動脈(みぎかんどうみゃく)、左前下行枝(ひだりぜんかこうし)、左回旋枝(ひだりかいせんし)全てに狭窄が見られる重い狭心症で、不安定狭心症とも考えられる状態でしたが、安静時には息切れや胸痛といった症状はまだ出ていませんでした。前の病院で出された心臓の薬でコントロールできていたこともあり、ドクターGは、十分な準備をした上で、1週間後に手術(冠動脈バイパス術)を行いました。患者は動脈硬化が進んでいて、脳梗塞の合併症を引き起こすリスクがあったため、人工心肺装置を使わずに心臓を動かしたまま行うオフポンプという術式で手術しました。

「冠動脈バイパス術(冠状動脈バイパス手術)」(かんどうみゃくばいぱすじゅつ)
冠動脈は心臓に栄養を送る大事な血管です。この血管が狭窄したり、詰まったりすると息苦しさや痛みを感じ、ひどくなると血流が滞って心筋梗塞を引き起こし、死に至ることがあります。狭窄した部分にバイパスを作って、別の血管に置き換える手術のことを冠動脈バイパス術といいます。バイパスに使う血管は、肋骨の裏側にある内胸動脈や足にある大伏在静脈などを使います。体の他の部位の血管を使って、冠動脈の狭窄した部分の先に接続すると、血流は狭窄や閉塞のある部位を通らず迂回して流れるようになります。

10月12日(水)

第16回 患者の訴え「腰が痛くて痛くて」

患者は、定年退職した夫と仲良く暮らす71歳の女性。3~4年前に腰が痛み始め、整形外科を受診した。レントゲンで骨粗鬆症による圧迫骨折が見つかり、医師から「いつの間にか骨折」と言われた。自然に良くなるはずなのだが、痛みは徐々に増しているように感じる。いくつか病院に行ってみたが、その度に、年なので仕方がないと言われるという。ドクターGが診察すると…思いもかけない原因が見つかった!
【ドクターG】 千葉大学医学部附属病院 医師・生坂政臣
【ゲスト】 山瀬まみ、いとうせいこう
 
~ 「パーキンソン病」(ぱーきんそんびょう) ~
パーキンソン病は、主に筋肉の働きをコントロールする神経伝達物質・ドーパミンが作られなくなることによって起きる病気です。ドーパミンを作っている脳の「黒質(こくしつ)」と呼ばれる組織に、「レビー小体」という物質が沈着することが原因とされています。
手足の震え、筋肉のこわばり、動作の緩慢、姿勢反射障害(体のバランスがとりにくくなる)の、4大症状が見られます。うつ症状や便秘・立ちくらみなどの自律神経症状を伴うことがあります。
パーキンソン病を発症する数年前に、レム睡眠行動障害や嗅覚異常が現れることがあるとされています。40歳以上に多く発症し、悪化して寝たきりになることがあります。
薬物や、運動機能低下を防止するリハビリテーションなどで治療します。
今回の症例の患者は、パーキンソン病によって姿勢が悪くなったことで腰痛が起きました。病気が悪化するにつれてドーパミンが不足し、痛みに対する耐性がなくなることで、腰痛が増悪していきました。肩や足の痛みも、パーキンソン病による筋肉のこわばりが原因でした。8年ほど前から現れたレム睡眠行動障害や嗅覚異常は、パーキンソン病の前駆症状と考えられます。
 

10月5日(水)

第15回 患者の訴え「頭が痛くてだるい」

患者はダンス部に所属する女子高生(16歳)。2週間ほど前から熱っぽくてだるく、練習を休んでいたのだが、大会が近付いてきたので、この日は無理をして練習に参加した。それほど激しく踊っていないのだが、ひどい頭痛と息切れがして倒れてしまった。小さいころから頭痛持ちで、うるさい音や光が耐えられないようなことがあるが、この日の頭痛はいつものとは少し違う。何か恐ろしい病気が潜んでいるのか…?
【ドクターG】 沖縄県立中部病院 医師・金城光代
【ゲスト】 おのののか、塚地武雅

~「全身性エリテマトーデス」(ぜんしんせいえりてまとーです)~
全身性エリテマトーデス(SLE)は、本来は、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を攻撃して排除するための免疫システムが異常をきたし、誤って自分自身の体を攻撃してしまう、自己免疫疾患のひとつです。この病気は、免疫システムが、全身のさまざまなところを攻撃することが特徴で、腎臓、腸、関節、皮膚などに炎症が起きます。若い女性に発症しやすいことがわかっています。
症状は、発熱や全身けん怠感、鼻の周りに蝶が羽を広げたような形の赤い発疹(蝶形紅斑)、関節炎など多彩です。
治療には、免疫反応を抑えるためにステロイドなどが使われます。2015年に新たに認可されたヒドロキシクロロキンという薬を併用することもあります。
症例の患者は、全身性エリテマトーデスが原因で、免疫システムによって赤血球が攻撃され、溶血性貧血を引き起こしていました。その影響で、頭蓋内の血管が拡張し、頭痛と息切れの症状が現れ、心不全の状態にありました。
精密検査で診断を確定した後、ステロイドで炎症反応を抑え、ヒドロキシクロロキンで症状をコントロールする治療を続けています。

9月28日(水)

第14回 患者の訴え「熱で意識がもうろうと…」

都内に住む夫婦。趣味は、週末米作りだ。普段は都内の自宅で生活し、週末には車で1時間ほどのところにある農家の田んぼに通って、米作りを手伝っている。61歳の夫は、3日ほど前から熱っぽかったが、その日は少し無理をして農作業をしていた。昼食を済ませてしばらく作業をしていると、突然意識がもうろうとなって倒れてしまった。救急車で病院へ。CTをとると肝臓に不思議な影が…。これはいったい何だ?
【ドクターG】 水戸協同病院 医師・矢野晴美
【ゲスト】 山口もえ、やくみつる

~「大腸ポリープ(大腸ガン)による多発性肝膿瘍」(だいちょうぽりーぷ[だいちょうがん]によるたはつせいかんのうよう)~
多発性肝膿瘍とは、肝臓に、複数の膿のかたまり(膿瘍)ができる病気です。発熱や悪寒、倦怠感など風邪に似た症状のほか、低血圧や意識障害を来すこともあります。
細菌や寄生虫などの病原体が肝臓に侵入することによって炎症が起き、白血球や病原体の残骸が膿となり膿瘍ができることがあります。肝膿瘍を引き起こす細菌は大腸菌やクレブシエラ、結核菌など。また、エキノコックスや肝蛭(かんてつ)、日本住血吸虫、赤痢アメーバなどの寄生虫も原因となります。
大腸ポリープや大腸がんなどがあって患部が出血していると、そこから腸内にいるクレブシエラや大腸菌などの細菌が、血管(門脈)に入って肝臓に到達し、肝膿瘍を作る場合があります。
治療は、抗生物質の投与など。膿瘍が大きい場合は、患部に細いチューブ(ドレーン)を入れて膿を抜き取るドレナージという処置を行います。
症例の患者は、CT検査で肝臓に膿瘍があることが判明。肝膿瘍ができた原因を探ったところ、初期の大腸がんが見つかり、そこから腸内にいるクレブシエラが門脈を通って肝臓へ侵入し、膿瘍を作っていたことがわかりました。抗生物質によって肝膿瘍を治療した後に、大腸ガンを切除しました。

9月21日(水)

第13回 患者の訴え「吐き気がとまらない」

患者はコールセンターで働く42歳の男性。半年前に妻をがんで亡くし、以来、13歳の娘と二人で暮らしている。生活の変化や仕事のストレスが重なったためか、4日前から吐き気がおさまらず、ドクターGの病院を受診した。悪いものを食べてもいないし、他に目立った症状もないという…。手掛かりが少ない難しい症例のはずだが、ドクターGは鮮やかに病名を探り当てていく。その目のつけどころとは?
【ドクターG】 洛和会丸太町病院 医師・上田剛士
【ゲスト】 ハイヒール リンゴ、平岳大

~「糖尿病性ケトアシドーシス」(とうにょうびょうせいけとあしどーしす)~
主に糖尿病の患者に起きる急性の病気で、エネルギーの元となる糖を、血液中から細胞内に取り込む働きをする「インスリン」というホルモンが不足することによって発症します。悪心や嘔吐、腹痛、尿量増加、脱水などの症状が現れます。
深くて速い「クスマウル大呼吸」や、果物のような甘い香りの吐息「ケトン臭」などの症状が特徴的です。
糖尿病患者がインスリン注射を減量、あるいは中止することや、感染症などによる身体的ストレスなどがきっかけとなって発症します。また、清涼飲料水を、過剰に摂取することで発症することがあります。
治療は、大量の生理食塩水と、インスリンの投与です。
症例の患者は、胃腸炎の発症で身体的ストレスがかかっていました。食欲が減退していため、患者自身の判断で、栄養不足にならないようにと大量の清涼飲料水を飲んだことが原因で、糖尿病性ケトアシドーシスを発症しました。

9月7日(水)

第12回 「一人の患者も見捨てるな!」

60歳の女性が自宅で倒れ、意識不明の状態で運ばれてきた。血糖値が異常に高い!命に関わる緊急事態だ。そこに血圧が急に上がったという75歳の女性や、頭痛を訴える45歳の男性が、次々と来院。混み合う状況を見た男性は、治療を受けずに帰ろうとするが…。誰に、どんな処置を、どんな順番で行うのか。全ての患者を救うための判断と、患者への気遣いの極意を伝授。
【ドクターG】 福井大学医学部附属病院 医師・林寛之
【ゲスト】 篠原ともえ、武井壮

※患者は二人

~「高浸透圧高血糖症候群」(こうしんとうあつこうけっとうしょうこうぐん)~
感染症などによる身体的なストレスがきっかけで、血糖値が非常に高くなり、極度の脱水状態を引き起こす病気です。2型糖尿病(生活習慣などによる後天的な糖尿病)の高齢者に多いとされますが、糖尿病との診断を受けていない患者も多く見られます。
血管を流れる血液の糖分の値が高くなると、浸透圧の差が生まれ、細胞内の水分が血管に吸い取られます。それが尿として排泄されることで、脱水状態になります。意識障害や痙攣、脱水、多尿、倦怠感などの症状がみられ、進行すると昏睡状態に陥り死に至ります。
治療は大量の輸液(生理食塩水)によって脱水の改善を行います。その後慎重にインスリンを投与し、血糖値をコントロールしていきます。脱水状態の患者に十分な輸液を行わないままインスリンを投与すると、かえって危険な状態に陥るため注意が必要です。
症例の患者は、尿路感染症をきっかけに、高浸透圧高血糖症候群を発症。十分な量の生理食塩水を点滴投与した後、インスリンを投与しました。その後、抗生物質を使って、高浸透圧高血糖症候群の原因となった、尿路感染症(腎盂腎炎)を治療しました。

~「高血圧性脳症」(こうけつあつせいのうしょう)~
何らかの原因で血圧が著しく上昇したことによって、脳の毛細血管から血管外へ血漿(けっしょう)成分がしみ出し、脳(特に後頭葉)に、浮腫が起きる病気です。頭蓋内圧が高くなるため、頭痛が出るほか、吐き気、視野障害などの症状が現れ、進行すると死に至る事もあります。
慢性高血圧や腎不全、妊娠中毒症などが原因疾患となることが多いとされますが、何らかのストレスなどで急に血圧が上がり、高血圧性脳症になることもあります。
治療は、降圧薬の経静脈投与。その後は血圧のコントロールを行います。
症例の患者は、何らかの原因で高血圧の状態になり、高血圧性脳症を発症。後頭葉に浮腫ができたことによって、視野障害(左上4分の1半盲)の症状が現れました。それに気付かぬまま、息子とキャッチボールをしていて、木に頭をぶつけ、たんこぶを作りました。血圧を下げる治療を行い、症状が治まりました。

8月31日(水)

第11回 患者の訴え「会社にも行けない」

患者は北海道登別の通販会社に勤める50代の女性。義母の介護に追われる中、3か月前、東京で就職した息子が、突然仕事を辞めて戻ってきた。なかなか定職につかない息子とのいさかいが絶えず、その頃から気分がすぐれなくなっていく。夜眠れず、ひどい頭痛にも悩まされるようになり、会社にも行けなくなった彼女の異変に、義母の訪問診療のために家を訪れたドクターGが気付き、声をかけた。
【ドクターG】 本輪西ファミリークリニック 医師・草場鉄周
【ゲスト】 安藤和津、鴻上尚史

~「むずむず脚症候群」(むずむずあししょうこうぐん)~
主に安静時に、脚などに、むずむずするような不快な感覚を訴える病気です。
「むずむずする」「虫が這う」「かゆい」「痛い」「しびれる」など、患者によって訴えは様々ですが、脚の表面ではなく、内部に不快感が生じることが特徴です。脚の内部が痒いと感じると、無性に脚を動かしたくなる欲求にかられるようになります。また、脚以外の体のさまざまな場所に不快感が出ることもあります。
症状は夕方から夜にかけて現れることが多く、特に、就寝の時間帯にピークに達するため、睡眠障害を併発し、うつ病の引き金になることもあります。
この病気の原因は、まだ詳しく解明されていませんが、鉄欠乏などによっても引き起こされると考えられています。ドーパミンという神経伝達物質の働きを促す薬によって症状を和らげることができますが、根本的な治療法はまだありません。
症例の患者は、むずむず脚症候群などが引き金となってうつ病を併発し、抑うつ症状や頭痛などの身体症状にも悩まされていました。処方されていた抗うつ薬によって症状が悪化していたため服用を中止。ドーパミン作動薬でむずむず脚症候群の症状を抑える治療を行ったところ、うつ症状も改善しました。

8月24日(水)

第10回 患者の訴え「足の付け根が痛む」

患者はIT企業に勤める既婚女性。子どもは欲しいと思っているが、プロジェクトリーダーに選ばれて仕事が忙しく、なかなか「妊活」出来ない状況だ。少し前から、右足の付け根が痛むことがある。今日も朝から何となく痛かったのだが、昼過ぎ、デスクワークをしている最中に、耐えられないほど痛くなった。少し腫れがあって、不思議なことに大きくなったり小さくなったりする。これって一体?
【ドクターG】 神戸医療センター中央市民病院 医師・池田裕美枝
【ゲスト】 高橋英樹、辺見えみり

~「稀少部位子宮内膜症」(きしょうぶいしきゅうないまくしょう)~
通常は、骨盤の周辺に起きる子宮内膜症が、肺やへそなど、稀な場所に起きるものを、稀少部位子宮内膜症といいます。
子宮内膜症は、子宮の中にある子宮内膜細胞が、子宮の外(卵巣・卵管など)で増殖する病気。子宮内にある正常な子宮内膜細胞と同じように、月経の周期に合わせて出血したり、周辺の組織と癒着したりするため、月経のたびに痛みが出ます。原因については、子宮内膜細胞を含んだ月経血が、卵管を逆流して腹腔内に放出されるなど、いくつか説があります。
子宮内膜症は、腹膜に覆われた腹腔内にできることがほとんどですが、稀に、腹腔の外の肺やへそなどにできることもあります。リンパや血液の流れに乗って、子宮内膜細胞を作る何らかの物質が運ばれてできるとする説がありますが、原因は不明です。
治療は、外科的な手術による患部の切除や、ホルモン療法などで行います。稀少部位に子宮内膜症がある場合は、骨盤周辺にも子宮内膜症があることが多く、その場合はあわせてホルモン療法などで治療する必要があります。
症例の患者は、右足の付け根に出来た子宮内膜症を日帰り手術で切除。骨盤周辺の子宮内膜症についても、ホルモン療法による治療を行いました。

7月27日(水)

第9回 患者の訴え「突然 ショック状態に」

患者は病児保育をしている60代の女性。来院当日も病気の子どもの世話をしていたが、帰宅後に激しい頭痛と寒気に襲われ救急外来を訪れた。研修医が診察を進めるが、徐々に患者の意識が薄れていく。CT検査の直後、とうとうショック状態に陥った!これまでの検査は全て陰性で、原因がわからない。意識不明の患者に問診も出来ない。研修医のSOSで駆けつけたドクターGは、思いもよらないところから手掛かりを探り当てた!
【ドクターG】 藤田保健衛生大学病院 医師・植西憲達
【ゲスト】 山田五郎、SHELLY

~「脾臓摘出後の重症肺炎球菌感染症」(ひぞうてきしゅつごのじゅうしょうはいえんきゅうきんかんせんしょう)~
肺炎球菌感染症は、肺炎球菌という細菌に感染、増殖することで起きる感染症。そのうち特に重症化したものが、重症肺炎球菌感染症で、数時間から数日で死に至る場合があります。
手術や外傷などで脾臓を摘出した人が肺炎球菌に感染すると、肺炎球菌に対する免疫システムが働かないため、細菌が体内で増殖し敗血症と呼ばれる重篤な状態に進展することがあります。本来、肺炎球菌に対する免疫システムには、脾臓が重要な役割(肺炎球菌のほか、髄膜炎菌、インフルエンザ桿菌等の抗体を作る働き)を果たしているためです。
体温の上昇や低下、震えを伴う悪寒などが現れ、心拍や呼吸が速くなり、血圧の低下や錯乱をきたします。ショック状態になり、命に関わります。
治療は容態によってさまざまですが、敗血症性ショックを引き起こした重篤な場合は、集中治療室で、輸液や抗生物質の投与などを慎重に行う必要があります。
また、脾臓を摘出した患者は、定期的に肺炎球菌などのワクチンの接種を行って、細菌感染によって重篤化するリスクを軽減する必要があります。
症例の患者は、20年ほど前に血小板が減少する病気にかかり、内視鏡手術で脾臓を摘出していました。肺炎球菌ワクチンを接種していなかったため、肺炎球菌による感染が重篤化し、ショック状態を引き起こしました。

7月13日(水)

第8回 患者の訴え「ひざが痛い」

患者は小学1年生の大城さやちゃん6歳。今、一輪車に夢中だ。放課後に特訓していると、転んだわけでもないのに、ひざが痛いと言い出した。母親がさすってやると1時間ほどで良くなった。母親は、このところ娘の様子がおかしいという。風邪が長引いたり、食欲がなかったり。近所のクリニックで診てもらったが、ひざのレントゲンを撮っても異常はみつからない。痛み止めを処方されたが良くならず、ドクターGのもとにやってきた。
【ドクターG】 新潟大学医歯学総合病院 医師・齋藤昭彦
【ゲスト】 ドリアン助川、藤本美貴

~「急性白血病」(きゅうせいはっけつびょう)~
骨髄の中で血液が作られる過程で、成長段階の血液細胞(芽球)ががん化して、異常に増殖する病気です。血液のがんといわれます。悪性細胞には遺伝子の異常が見つかることがありますが、まだ解明されていません。
紫斑、鼻血などの出血、全身倦怠感、貧血などが起きます。また、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。骨痛やリンパ節の腫れ、肝臓や脾臓の肥大を伴うこともあります。
急性リンパ性白血病は、急性白血病のうち、リンパ芽球(リンパ球のもとになる細胞)ががん化するタイプです。小児の急性白血病の中では比較的多く見られ、2歳から6歳に好発します。医療の進歩によって、現在では、5年生存率が8割以上と、治る病気になってきています。
症例の患者は、血液検査で白血病細胞(がん化したリンパ芽球)が確認され、骨髄の検査で急性リンパ性白血病と確定診断されました。入院後1年間、抗がん剤などを使用する化学療法を行い退院。その後は通院での治療を続けています。再発もなく、元気に学校に通えるようになっています。

6月8日(水)

第7回 患者の訴え「自殺するかもしれない」

患者は65歳の岡田和夫さん。窃盗で逮捕起訴され、拘置所に勾留されている未決囚だ。当初から表情が固く、問いかけへの反応も鈍い。勾留3日目、配布した新聞を、時間が来たので返却するよう刑務官が求めると、突然怒りだして暴れ、壁に向かって頭をぶつけようとした。自傷行為と見た刑務官は、「自殺」の危険があるとして、24時間監視の保護室に移し、ドクターGに対応を相談する。岡田さんに一体何が起きているのか?
【ドクターG】 法務省 矯正医官・池田正行
【ゲスト】 濱田マリ、ロバート・キャンベル

~「前頭側頭型認知症」(ぜんとうそくとうがたにんちしょう)~
前頭側頭型認知症は、大脳の前頭葉や側頭葉の神経細胞が徐々に変性・消失する病気です。患者数の多いアルツハイマー型認知症では大脳全体が委縮し、物忘れが目立つのに対し、前頭葉と側頭様に障害が起きるこの病気は、性格が変化し、気持ちのおもむくままの行動が増える傾向にあります。その症状の影響で、痴漢行為や万引きなど、社会生活に支障をきたすようになることもあります。この病気では、特定の行動を紋切り型に繰り返す「常同行動」という症状が特徴的に現れ、行動を止めようとすると苛立って暴れ出すこともあります。
前頭側頭型認知症の有効な治療法は、まだ見つかっていません。しかし「常同行動」などが、社会的規範から逸脱しないように、工夫して生活していくことは、ある程度可能とされています。家族や周囲の人々が病気をきちんと理解することに加え、福祉や介護サービスなどの手を借りることも大切です。
症例の患者は、2年ほど前からこの病気を発症し、性格の変化や常道行動などの症状が現れるようになりました。逮捕のきっかけとなった万引きも病気によるもので、当時は善悪の判断がつかなかったことが認められ、起訴が取り下げられました。その後は、散歩という常同行動を、花の水やりに置き換えることで、万引きを繰り返すこともなくなり、家族に見守られながら暮らしています。

6月1日(水)

第6回 患者の訴え「ずっと しびれている」

患者は、下町で不動産業を営んでいる、釣りと料理が趣味の52歳の男性。3か月前から手がしびれて治らない。階段から落ちて腰や首を強打した日からだ。その日は救急車で病院へ行って検査したが、どこにも問題がなかったはずだ。男性は、しびれだけでなく時おり痛みも感じると訴えるが、担当した研修医も他の医師たちも病名が全くわからない。そして、その病院に呼ばれたドクターGが、男性の問診を始める。
【ドクターG】 地域医療機能推進機構 医師・徳田安春
【ゲスト】 松尾貴史、虻川美穂子

~「シガテラ中毒」(しがてらちゅうどく)~
シガテラ中毒は、魚介類に含まれるシガトキシンという毒素による食中毒。
シガトキシンは海藻の一種である有毒藻によって作られるものでこの毒素を摂取 した魚を食べることでシガテラ中毒を発症します。通常は1?6時間で症状が現れることが多く、吐き気や嘔吐、下痢といった消化器症状に加え、徐脈や血圧低下、しびれ、冷たい物を触った際にドライアイスを触ったような感覚(ドライアイスセンセーション)などの症状が現れます。
シガテラ中毒は、熱帯・亜熱帯地域に多いため、日本では沖縄県や奄美大島などで発生することがありましたが、近年では本州でも発生しており、地球温暖化による水温の上昇が関係しているのではないかと考えられています。
症例の患者は、特徴的な身体所見からシガテラ中毒と診断されました。効果的な治療は確立されておらず、補液など症状に対する対症療法などが一般的です。

5月18日(水)

第5回 患者の訴え「ジカ熱かもしれない」

今回のドクターGは、日本でも指折りの感染症のエキスパート。3年前に日本で初めて、ジカ熱の患者3人を診た医師としても知られている。そんなドクターGのもとに、ブラジル旅行から帰ってきたばかりだという患者が、次々に3人訪ねてきた。みな赤い皮疹があって熱もある。そのうち1人は妊娠している。妊婦がジカ熱になると、胎児に重い障害が出るという報告も…。いったいジカ熱患者は誰なのか?
【ドクターG】 国立国際医療センター病院 医師・忽那賢志
【ゲスト】 江川達也、優木まおみ

~「ジカ熱」(じかねつ)~
ジカ熱は、ジカウイルスによる感染症で、基本的にはジカウイルスを持った蚊に刺されることによってうつる病気です。中南米を中心に多数報告されています。蚊に刺されてから数日後に、発熱(38度5分以下)、発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛などの症状が出ます。感染しても症状が軽いため、気付きにくいこともあります。
しかし、妊娠中の母親がジカ熱にかかると、胎児がジカウイルスに感染し、小頭症などの重い先天性障害になることが強く疑われています。 また、性行為によって、男性から女性に感染した事例も報告されています。
海外の流行地へ出かける際は、できるだけ肌を露出せず、2時間おきに虫よけスプレーを使用するなど、蚊に刺されないための注意が必要です。万が一ジカ熱にかかった場合には、外出する際は肌の露出を控えるなど、感染を広げないよう十分に注意することが大切です。

ドクターGを訪れた3人の患者のうち、ジカ熱の患者は山下さんでした。中野さんはデング熱、大沢さんは伝染性単核球症で、いずれも対症療法を行った結果、症状が治まりました。

5月11日(水)

第4回 患者の訴え「息が苦しくて動けない」

患者は20歳の大学生。同好会の仲間と、東京から車で5時間かけて温泉に行ったのだが、入浴中に急に息苦しくなった。なかなか良くならず、病院へ。最初は研修医が診察したが病名がわからず、ドクターGが診ることになった。原因は、温泉?それとも食べ物?あるいは恋のプレッシャー?丁寧に問診を重ねていくと、病気を紐解く思いもよらないカギが見えてくる。
【ドクターG】 総合病院国保旭中央病院 医師・塩尻俊明
【ゲスト】 石田純一、坂下千里子

~「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」(しょくもついぞんせいうんどうゆうはつあなふぃらきしー)~
10代~20代で初めて発症することが多いアレルギー症状です。特定の食物を食べたあと、およそ2時間以内に運動することによって引き起こされます。 かゆみ、じんま疹、息切れ、腹痛、嘔吐、呼吸困難などが起きます。原因物質は、小麦が多いと考えられています。アレルギーを引き起こす食べ物を食べても、その後に運動をしないことで、発症を防ぐことができます。
もしアナフィラキシーが起こってしまった場合には、症状を抑える薬として、速効性があり効果も高いアドレナリンの筋肉注射をします。命にかかわることがあるので、早い対応が必要です。
症例の患者は、小麦(グルテン)が含まれる食品を食べた後に、運動をしてアナフィラキシーショックを起こしていました。温泉も42度以上の熱いお湯だったため、交感神経が刺激され、運動と同じようにアナフィラキシーを引き起こす誘因となりました。

4月27日(水)

第3回 患者の訴え「背中が痛む」

患者は、姑の介護で、心身ともにストレスフルな生活を送っている50歳の女性。1年ほど前から、ときおり背中に刺すような痛みを感じていた。介護疲れか、更年期障害か、それとも何かもっと恐ろしい病気かも…と不安に思っていたところ、ある夜、娘と電話しているときに、突然激しい痛みに襲われた。肩やあご、胸も痛む。驚いて実家に駆け付けた娘とともにドクターGの病院へ。問診を続けていくと…
【ドクターG】 岡山大学病院 医師・片岡仁美
【ゲスト】 早見優、六角精児

~「微小血管狭心症」(びしょうけっかんきょうしんしょう)~
心臓の微小血管が狭まって、血流が悪くなる病気です。閉経前後の女性でおきることがあります。原因は、動脈硬化を防ぐ作用のある女性ホルモン(エストロゲン)の分泌がへることによるといわれています。症状は、胸や背中の痛みなどで、比較的、安静時に起きることが多いとされています。更年期障害の女性のうち、10人に1人がかかるという調査もあり、心筋梗塞に至ることもあります。
治療は狭心症薬のうち、カルシウム拮抗薬やニコランジルを服用します。
症例の患者は、いろいろな医療機関をまわって、心電図やエコー、CTなどのほか、専門医のもとで心臓カテーテル検査までしましたが、異常がみつかりませんでした。「微小血管狭心症」を疑ったドクターGが、専門の医師に特別の検査を依頼したことで、確定診断することができました。カルシウム拮抗薬を長期間服用することで、痛みがでることもなく、元気に過ごしています。

4月20日(水)

第2回 患者の訴え「まさか 腰の骨が…」

患者は、フラワーアレンジメントのアシスタントをしている52歳の女性。大変な失敗をして、慌てて棚から資料を取ろうとしたとき、体勢を崩して机に軽く尻もちをついた。すると激しい激痛が!整形外科に行ってみると、骨折しているという。それも腰骨が2か所も!「総合病院の内科を受診してください」と言われ、ドクターGを訪ねると…
【ドクターG】 洛和会音羽病院 医師・神谷亨
【ゲスト】 湯山玲子、スギちゃん

~「副腎性クッシング症候群」(ふくじんせいくっしんぐしょうこうぐん)~
コルチゾールというホルモンが過剰に分泌される「クッシング症候群」のうち、副腎という臓器に問題がある場合の病名が「副腎性クッシング症候群」です。
副腎は左右の腎臓の上にある小さな臓器です。その臓器の外側にあるのが副腎皮質です。ここからコルチゾール(副腎皮質ホルモン)が分泌されています。血糖をはじめ、タンパク質、脂質、骨などのさまざまな新陳代謝や免疫作用に関与し、生命維持に不可欠なホルモンです。副腎に腫瘍などができ、コルチゾールが過剰に分泌される病気が「副腎性クッシング症候群」です。満月のように丸い顔(ムーンフェイス)になる、うなじに脂肪の沈着(バッファローハンプ)するなどの症候が現れます。腫瘍の摘出手術とホルモン治療によって症候は消えます。
症例の患者は、腰の骨が2か所折れていました。骨粗しょう症になった原因を探り、検査をしたうえで、副腎性クッシング症候群であることをつきとめました。

4月13日(水)

第1回 患者の訴え「学校に行けない」

患者は「学校に行けない」という17歳の男子高校生。このままでは引きこもりになってしまうと心配した母親に連れられて、ドクターGのもとにやってきた。3カ月ほど前から遅刻がちになり、最近は昼夜逆転の生活で、ほとんど学校に行っていないという。母親は、最近離婚して父親がいなくなったせいではないかと心配しているが、本人は「朝起きられないのは体が思うように動かないからだ」という。心の病?それとも…
【ドクターG】 大阪医科大学附属病院 医師・鈴木富雄
【ゲスト】 片岡鶴太郎、犬山紙子

~「甲状腺機能亢進症に伴う周期性四肢麻痺」(こうじょうせんきのうこうしんしょうにともなうしゅうきせいししまひ)~
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)は、新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンが、過剰に分泌される病気です。この病気に伴って、周期性四肢麻痺が起きることがあります。周期性四肢麻痺は、急に四肢(手足)の力が抜けてだらんとなる弛緩性(しかんせい)まひの発作が、過労・飲酒・過食などが引き金となって突然起きることです。四肢麻痺の発作はカリウムやナトリウムなどの電解質のバランスが崩れることで起き、数時間~数日でおさまります。筋痛を伴うこともあります。甲状腺機能亢進症の全ての人に周期性四肢麻痺がおきるわけではありません。
治療は、甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬の投与や、手術で甲状腺の一部を取るなどの処置によって行います。まず、甲状腺機能亢進症を治すことが大事です。 
症例の17歳の患者は、甲状腺機能亢進症の症状(イライラやだるさ)を訴えていました。大食いをしたり、運動をしたりしたあとで、周期性四肢麻痺の症状が出たというケースでした。
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