2012年放送内容(総合 毎週木曜 午後10時~10時45分)

6月28日(木)

第1回 患者の訴え「体が思うようにならない」

仕事をまじめに頑張る54歳の保険外交員の女性。夫と始めた社交ダンスがささやかな楽しみだ。そんな彼女が、ひと月前に会社で転び、頭を打って以来、体が思うようにならなくなったと感じている。しかし振り返ると、1年前から仕事でミスが重なったり、料理が面倒くさくなったりして、何かとおっくうに…。彼女を襲った病名は?
【ドクターG】長崎大学大学院 医師・池田正行
【ゲスト】 鳥越俊太郎、友近

~パーキンソン病~
中脳の中にある黒質という細胞が減るために、神経から筋肉に運動の信号を伝えるドパミンの分泌が減り、身体の動きが鈍くなる病気。手のふるえ、筋肉が固くなる、バランスがとりにくくなるといった症状があらわれる。数年単位の時間をかけてゆっくりと進行する。厚生労働省の特定疾患に指定され、日本では1000人に1人の割合で患者がいる。40~50歳以降に発症することが多い。早期に発見し、少なくなったドパミンを補う薬などを服用すれば、症状を抑えたり、進行を遅らせたり、生活の質を維持することもできる。

7月5日(木)

第2回 患者の訴え「痛くて死にそう」

夫と長女の3人で暮らす68歳の主婦。パソコンにテニス、園芸と多趣味で、元気いっぱいの毎日だった。しかし、徐々に肩や膝、首に痛みを感じるようになる。そして、ある日、動けなくなり、意識も朦朧(もうろう)とし始め…「痛くて死にそう」。往診にかけつけたドクターGが謎の痛みの正体を探る。
【ドクターG】大津ファミリークリニック 医師・谷口洋貴
【ゲスト】 うつみ宮土理、西田ひかる

~クラウンド・デンス症候群=Crowned dens syndrome(環軸関節偽痛風 / かんじくかんせつぎつうふう)~
首の骨(頚椎)は7つの骨から出来ていて、上から1番目の骨を環推、2番目の骨を軸推という。この2番目の骨、軸推にある突起を取り囲む靱帯が石灰化して炎症を起こし、痛みや熱がでる病気のこと。主に、加齢によって、CCPD(ピロリン酸カルシウム)が沈着することが原因とされている。痛風に似た症状がでるが、尿酸値は高くないので、偽痛風という名前がついている。高齢の女性に多く発症し、突然、首を上下左右に動かせなくなるほどの激痛がある。CTやMRIなどの検査機器の発達により、近年知られるようになった。治療は、抗炎症剤などの薬を投与するが、再発することもある。

7月12日(木)

第3回 患者の訴え「立つとクラッとする」

家電メーカーに勤める45歳の男性サラリーマンは、クレーム処理でストレスの多い日々。イヤな電話を受けなくてはと思うと、ドキドキ、汗も大量に…。顧客に怒鳴られて謝罪した直後、「立つとクラッとする」ことが起きた。同じようなことが続き、ある日、とうとう倒れてしまった。気の弱い性格のせいか、それとも、体が悪いのか。
【ドクターG】水戸協同病院 医師・徳田安春
【ゲスト】 井筒和幸、田中律子

~褐色細胞腫(かっしょくさいぼうしゅ)~
腎臓の上にある副腎(副腎髄質)に腫瘍ができる、非常にまれな病気。副腎は、副腎皮質と副腎髄質から成っている。副腎髄質は、褐色で、アドレナリンなどの交感神経に影響を与えるホルモンを作り出す働きがある。副腎髄質に腫瘍が出来たことで、アドレナリンを大量に溜め込むため、高血圧、発汗、頭痛、動悸、高血糖などの症状が現れる。血圧に異常がない人でも、前屈すると副腎の腫瘍が刺激されて、アドレナリンが異常に放出されることがある。そのために血管が収縮され、起立性低血圧(立ちくらみ)を起こすこともある。治療は、腫瘍や、腫瘍の出来た副腎そのものを、外科手術で摘出することで完治する。

7月19日(木)

第4回 患者の訴え「息が苦しい」

親の死で老舗和菓子屋を継いだ41歳の女性。新作の和菓子が不評で、ベテラン従業員も辞めていく。さらに夫の浮気。イライラが募る日々だが、最近、なんとなく熱っぽくてだるい…。そしてある日、急に息苦しくなり、夜間外来にかけこんだ。ドクターGは、問診で思いがけない重大な病気を探りあてる。
【ドクターG】洛和会音羽病院 医師・金森真紀
【ゲスト】 石田純一、勝間和代

~急性心外膜炎(きゅうせいしんがいまくえん)~
心臓を包む心外膜が急性に炎症を起こし、心臓の働きを妨げる病気。発熱、倦怠感など初期症状が風邪によく似ているため、早い段階で気がつかず、病状がひどくなってから受診する患者が多い。ひどくなると、首から肩、みぞおちにかけての広い範囲の胸痛、呼吸困難、顔や足のむくみ、尿量減少などの症状があらわれる。胸の痛みは炎症を起こした心外膜が痛みを感じる部位に触れることで生じる。また、胸痛は仰向きに寝ると痛みがひどくなり、前屈では和らぐ。さらに重篤になると意識がなくなり、死亡することもある。心外膜が炎症をおこす原因は、ウイルスのこともあるが、はっきりとわかっていない場合もある。治療は、入院して、解熱剤などを投与する。早い診断と、治療が大切な病気。(年齢・性別に関係なくかかる可能性がある。患者数は不明)

8月23日(木)

第5回 患者の訴え「吐き気が止まらない」

スーパーで働きながら中学生の一人娘を育てる48歳のシングルマザー。店長と恋愛関係になり、心躍る日々…。だが、そんな母に娘は反抗的。ある日、娘が通う中学校から不登校を知らせる電話がかかってきた。カッと興奮して急に気分が悪くなり、吐き気が止まらなくなった。もしかして、妊娠?それとも…一体、何の病気?
【ドクターG】福井大学医学部附属病院 医師・林寛之
【ゲスト】 森本レオ、室井佑月

~急性緑内障(きゅうせいりょくないしょう)~
緑内障とは、眼圧があがるなどによって、視神経に問題を引き起こす病気です。慢性緑内障は徐々に眼圧があがって視神経に問題がおきるもので、一般的に緑内障と呼ばれているのは慢性緑内障をさしています。急性緑内障は、突然、眼圧があがって視神経に問題がおきます。もともと、生まれつきの眼の構造によることが多く、加えてストレス、外傷、暗いところ、細かい作業などが引き金となることがあります。 眼痛・充血・目のかすみ、頭痛や吐き気などの症状がでて、急速に視力が悪化するので、すぐの治療が必要です。治療方法は薬やレーザーで眼圧をさげます。50歳代以降の女性に多い病気です。

8月30日(木)

第6回 患者の訴え「ずっと熱が下がらない」

就職活動中、22歳の大学4年生。体力には自信があったが、風邪をこじらせたのか、3週間も高熱が下がらない。風邪薬でいったん熱は下がるものの、再び熱が出る。なぜか手首や足首も痛くなってきた。会社面接の当日も熱でふらふら。おまけに面接途中で、具合も悪くなり…。若い男性の体に発症した思いがけない病気とは?
【ドクターG】名古屋大学医学部附属病院 医師・鈴木富雄
【ゲスト】 齋藤孝、熊田曜子

~クローン病~
口から肛門までの全消化器官のところどころに、肉芽腫(にくげしゅ)と呼ばれる潰瘍性炎症を生じる病気。多くは、小腸、大腸、肛門などのうちの、複数の臓器にわたって発症します。原因不明で、厚生労働省より特定疾患(難病)に指定されています。高熱や下痢、腹痛、関節痛、肛門周囲の痛みなどの症状があらわれます。若い年齢に多くみられ、欧米先進国での患者数が多いため、食生活の欧米化が関係しているともいわれています。日本での患者数は3万人以上。治療法は、ステロイドなどの薬の投与が主流です。完治することはありませんが、治療によって、症状はやわらぎ、長期間(10年間以上)、再発しない例もあります。

9月6日(木)

第7回 患者の訴え「なんとなくおなかが痛い」

1か月前に出産した38歳の女性が下腹部痛を訴えた。「なんとなくお腹が痛い…」。吐き気、息切れ、微熱、そして、姑(しゅうとめ)のプレッシャーによるストレスも…。子どもが生まれた喜びの裏に、実は大きな病気が潜んでいた。妊娠、出産という女性ならではの、からだの変調に隠れていた意外な病気とは?
【ドクターG】亀田ファミリークリニック館山 医師・岡田唯男
【ゲスト】 三田寛子、つるの剛士

~虫垂炎~
虫垂に炎症がおきる病気です。みぞおちのあたりや、腹部全体に痛みが生じ、その後右下腹部へ痛みが集中 していくのが特徴です。前後して吐き気やおう吐などもあらわれることがよくあります。放置すると、虫垂が破裂したり、急性腹膜炎や腸閉塞など危険な合併症を起こすこともあります。妊娠中に虫垂炎になった場合は、子宮が大きくなり、虫垂の位置が変わって、典型的な症状がでないこともあります。治療は外科手術で虫垂を切除したり、薬で炎症をおさめたりします。発症に男女差はありません。

9月13日(木)

第8回 患者の訴え「だるくてぐったり」

建設会社勤務の40歳の男性社員。仕事の失敗の責任をとって地方へ左遷され、娘の学校事情もあって単身赴任。半年後、仕事場でだるくて動けなくなり、部下に連れられてドクターGのもとへ。部下の話では、残業続きで酒とたばこの毎日だったという。点滴で回復した男性が話し始めたのは…。解明のカギは意外なところに?
【ドクターG】北里大学東洋医学総合研究所 医師・津田篤太郎
【ゲスト】 國村隼、眞鍋かをり

~副腎不全(ふくじんふぜん)~
副腎は腎臓の上に左右一対ある臓器です。副腎皮質からは、ステロイドホルモンを分泌しています。このホルモンはケガやショックや発熱などの体のストレスをやわらげたり、体を元気にする働きがあります。ステロイドホルモン分泌機能が低下した状態を副腎不全といいます。全身倦怠感(ひどいだるさ)や、食欲低下、腹痛などを伴います。治療は、分泌が低下したステロイドホルモンを少しずつ投与して、体を整えます。
今回の患者は、「気管支ぜんそく」発作が起きるたびに、頻繁に、大量のステロイドホルモンを外から点滴で体内に入れたことで、副腎が委縮してしまい、ステロイドを分泌しなくなり、意識モウロウ状態で倒れたケース。 副腎不全を治療するだけでなく、持病の気管支ぜんそくを治療することが大切です。

9月20日(木)

第9回 患者の訴え「首が痛くてたまらない」

山歩きを始めた夫婦。夏山に出かけたところ、下山途中で妻(48歳)が「首が痛い」と言いだした。痛みは増し、ついに歩けないほどに…。実はこの夫婦、1か月半前に初めて山歩きをしたが、山の気候は寒く、冷え症の妻はそのとき“ある失敗”をしたという。その日の出来事が原因で、妻は思いがけない病気に侵されていた…。
【ドクターG】手稲渓仁会病院 医師・森下由香
【ゲスト】 光浦靖子、松村邦洋

~破傷風(はしょうふう)~
破傷風菌は、土の中や動物の糞の中にいることが多い嫌気性の菌(空気を嫌う菌)です。切り傷や刺し傷、やけどなどの傷口から破傷風菌が体内に入り、菌が出す毒素が、神経や筋肉などをおかします。発病までの潜伏期間は3日~2か月。初期は首筋が疲れる、ものをかみにくい、口が開けにくいから始まり、後期は、全身が硬直、けいれん、弓のように反り返り、呼吸筋がけいれんして窒息に至ることが多い危険な病気です。日本では、年間123人(2008年)の発症が報告されています。なるべく早い時期に血清などを注射して治療するのが一般的です。
今回の症例は、カイロによる「低温やけど」が発端でした。“赤み”だけだったやけどが、やがて水泡になり、水泡が破れて、そこから破傷風菌が何らかの原因で入ったと思われます。菌は小さなホコリにくっついたり、治療器具についたり、衣類について運ばれたり、どこにでもいる可能性があります。「低温やけど」はカサブタになってなおったと思っても、すでに破傷風菌が体内に入って、菌が出す毒素が体中を回り、神経を侵しはじめていたのです。破傷風の初期の症状がでていました。

9月27日(木)

第10回 患者の訴え「手が痛い」

今年度シリーズ最終回。仕事一筋に生きてきた58歳の男性。定年退職してからは生きがいづくりのために、将棋に料理に、多趣味な日々を送ってきた。ところが、ここ1か月、明け方になると両手が痛くなる。さらに、足もしびれ、食欲もなくなり、ある日、新聞を読んでいる時に突然…。男性をおそった不思議な病気とは?
【ドクターG】千葉大医学部附属病院 医師・生坂政臣
【ゲスト】 鴻上尚史、平山あや

~(全身性)アミロイドーシス~
「アミロイド」と呼ばれる蛋白が、複数の臓器に沈着して細胞組織の機能をそこなう病気です。アミロイドが沈着する場所によって、症状は異なります。
例えば、脳に沈着すると、アルツハイマー病、腎臓に沈着するとネフローゼ症候群や腎不全、心臓に沈着すると心不全や不整脈、胃腸に沈着すると消化・吸収障害、末梢神経や自律神経に沈着すると手足のしびれやたちくらみなどがみられます。全身性アミロイドーシスでは複数の臓器に症状がでます。アミロイドの発生原因ははっきりせず、難病指定をうけている病気です。
治療は、アミロイドが沈着した場所によっては、移植手術をすることもありますが、主に、それ以上アミロイドが沈着しないように薬を服用して治療します。
今回の患者は、手首にある手根管や胃腸などにアミロイドが沈着した症例-手根管症候群を伴う全身性アミロイドーシスでした。朝方の手の痛みは、アミロイドが手根管内に沈着したことに加えて、就寝時のむくみで、手根管内圧がさらに上がったために起きた痛みでした。外科治療で手根管を広げたり、痛み止め薬などを服用して痛みはよくなります。
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