2014年放送内容(総合 毎週金曜 午後10時~10時50分)

4月4日(金)

第1回 患者の訴え「せきと熱をくり返す」
 
高齢の義母を引き取ることになった42歳主婦とその家族。同居を機に郊外に家を買って引っ越したが、ちょっと古くて埃だらけの中古住宅だった。主婦が家計を助けるためにとクリーニング店で働き始めたところ、風邪を引いたような、せきと熱の症状が現れた。引っ越し疲れか、慣れないパート労働のせいか、それとも、義母との暮らしのストレスか。なぜか奇妙なことにせきと熱をくり返す。主婦は耐えきれなくなり、ドクターGを訪ねた… 
【ドクターG】名古屋大学医学部附属病院 医師・鈴木富雄
【ゲスト】 名取裕子、辰巳琢郎
 
~血管内リンパ腫(けっかんないりんぱしゅ)~
血管内大細胞リンパ腫ともいいます。血液中の白血球のひとつであるリンパ球は骨髄でつくられ、感染などから体を守る重要な役割をはたす細胞です。このリンパ球がガン化して、増殖し、毛細血管や小血管の内部をつまらせたり、血管壁や血管周辺を侵したりします。侵されやすいのは脳、皮膚、肺、腎臓、肝臓、骨髄などの細い血管です。リンパ節がひどく侵されることはあまりありません。症状は、原因不明の発熱、貧血、乾いた咳、体重減少などの他、肝臓と脾臓が大きくなったり、血小板が減少したりもします。膠原病や血管炎などの病気と症状が似ていることもあり、見分けるのが難しい、まれな病気です。皮膚や骨髄の組織検査によって病気が確定します。医療の進歩により、早期に見つければ、抗がん剤の治療で“よくなるガン”と言われています。

4月11日(金)

第2回 患者の訴え「肩が痛い、胸のあたりも…」
 
女手一つで小さな美容院を経営する54歳の女性。まもなく結婚式を迎える娘の髪を自分で結いたいと夢をふくらませていたが、カットが思うようにできなくなった。肩なのか、胸なのか、痛みが襲う。実はひと月前にも同じような症状があり、近くの医院でレントゲンを撮ったところ、胸に影が…。症状はいったん治まったが、とうとう腕が上がらなくなった。ドクターGは的確な問診と身体診察で謎の病気を突き止めた!
【ドクターG】国立国際医療研究センター 医師・忽那賢志
【ゲスト】 柴田理恵、齋藤 孝
 
~SAPHO症候群(さほーしょうこうぐん)~
SAPHOとは、Synovitis(滑膜炎)、Acne(座瘡)、Pustulosis(膿疱症)、Hyperostosis(骨化症)、Osteitis(骨炎)の略です。鎖骨、胸骨を中心とした前胸部や、腰のあたりにある仙腸関節や、脊椎に炎症が発生して、ずきずきした痛みを感じることもあり、日常生活に支障をきたします。手のひらや足の裏に膿胞皮疹が現れ、違和感を生じることもあります。関節炎の症状と皮膚症状などが、一緒に現れることも、10年以上前後して現れることもあります。(知らないうちに治っていることもあります)原因はよくわかっていません。中年の男女に発症し、特に日本に多い病気といわれています。治療は非ステロイド抗炎症薬を対症療法として使います。診断がなかなかつかず、わかるまで患者は不安な時を過ごすので、早く、的確な診断と説明が大事な病気だといわれています。

4月18日(金)

第3回 患者の訴え「手が震える」

かつてレスリングでオリンピックを目指した35歳の男性。5年前に引退し、現在は母校の大学でコーチをしている。指導中に、足のじん帯を痛めて入院手術。ところが、リハビリ中に手が震え、熱も出てきた。主治医は、原因を探るためドクターGを呼んだ。ドクターGは、妻、子ども、友人のことばを聞きながら、病気の謎を解くヒントを見つけていく。詳しい問診から意外な病気が浮かび上がった…
【ドクターG】自治医科大学附属病院 医師・矢野晴美
【ゲスト】 田中 健、眞鍋かをり
 
~(有鉤)嚢虫症(ゆうこうのうちゅうしょう)~
嚢虫は、サナダムシの一種の幼虫で、普通はブタに寄生しています。ヒトが嚢虫の卵がついた食物を食べると、卵から出た幼虫が、血流に乗って身体のあちこちに運ばれ、さまざまな臓器で嚢(ふくろ)を作って何年も生き延びたり、死んで嚢だけがのこったりします。嚢を作った臓器の部位により、現れる症状が異なります。今回の症例は、脳に嚢を作った嚢虫のせいで、手にケイレンが起きたケースです。意識障害や視野が狭くなったり、手足がマヒしたりすることもあります。筋肉や皮膚の下に嚢をつくると、コブのようになり、手で触ることができます。この病気は、嚢虫がいるブタの生肉を食べたことで感染することが多く、ヒトとブタの接触が密接な地域で流行します。東南アジア、中国大陸、東欧、アフリカ、中南米などでは、重要な寄生虫症のひとつです。海外で感染した患者が日本でみつかることが、まれにあります。治療は、入院して抗寄生虫薬を投与したり、外科的に嚢を取り出したりします。 
※国内の患者の多くは海外渡航歴がある人で、国産の豚肉加工品で感染した事例はありません。

5月9日(金)

第4回 患者の訴え「下痢が止まらない」
 
患者は、ホームセンターで長年働いてきた58歳の男性。半年前に店長代理に抜擢されストレスを感じていた。10年前に妻を病気で亡くし、一人娘は大学寮に入り、現在、ひとり暮らし。生きがいにと書道教室に通い始めたが、ある日、美人講師の指導に緊張のあまり?頻尿に。帰宅すると下痢が始まった。日を追うごとに尿や下痢の回数は増え、仕事に支障が…。帰宅した娘がふらつく父親の様子を見てドクターGへ連れて行ったところ…。
【ドクターG】総合病院国保旭中央病院(千葉)総合診療部 医師・塩尻俊明
【ゲスト】 上島竜兵、中江有里
 
~腹部大動脈瘤(ふくぶだいどうみゃくりゅう)~
動脈硬化などが原因で腹部大動脈が瘤のように拡張した病気。腹部大動脈の正常直径は約2センチですが、4センチ以上になると腹部大動脈瘤と診断され、5センチを超えると破裂の可能性があります。中高年の男性に多く、高血圧やタバコ、長年の不摂生などの危険因子を持っている人によく起きまる病気です。症状は、腰に鈍痛を感じたり、触るとドクドクする感じがするといわれています。拡張した血管が尿管や腎臓や腸などの臓器を圧迫することで、尿意を感じたり、便意をもよおしたり、いろいろな臓器に症状がでることもあります。破裂するまで無症状であることも多く、破裂すると命を落とすこともある危険な病気です。治療は軽度の場合は、血圧を下げる薬、重度(破裂)の場合は、外科的手術で、血管を人工血管にかえることになります。近年、欧米でも日本でも患者数は急増しているといわれています。

5月23日(金)

第5回 患者の訴え「息がしづらい」
 
患者は、お手伝いサービスで働く29歳の独身女性。かつてはある企業に働き、同僚と結婚したが、離婚をきっかけに退職し今の職についた。やりがいを感じて仕事をしていたが、ある日、高齢者の暮らす古い家で作業中、息苦しくなり、同僚に連れられ救急外来に運ばれた。症状は重く命の危険のある状態!患者は持病の喘息の発作だと訴える。しかし、ドクターGは、女性の日常生活を積極的に問診し、意外な病気を明らかにした…。
【ドクターG】聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 医師・北野 夕佳
【ゲスト】 夢枕 獏、乙葉
 
~肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう)~
心臓から肺へ血液を運ぶ血管である肺動脈に、血液の塊(血栓)が詰まり、肺動脈の流れが悪くなったり、閉塞(へいそく)してしまう病気を肺血栓塞栓症といいます。
突然の胸痛、呼吸困難などの症状が起きます。いわゆる「ロングフライト症候群」もこのひとつです。 長時間飛行機に乗ると、座ったままで長時間同じ姿勢を保つため、下肢の深部静脈で血液が固まり血栓ができます。飛行機から降りようと立ち上がった時に、血栓が血液の流れに乗って移動し、肺動脈を閉塞するというものです。40歳以上がかかりやすい病気です。
今回の症例の若い女性は、もともと血液が固まりやすい膠原病(抗リン脂質抗体症候群)があり、流産はその病気の特徴でした。加えて長時間、同じ姿勢でゲームをやったことが引き金になり、発症しました。
治療は、血液が固まらないようにする薬・抗凝固薬(こうぎょうこやく)を点滴したりします。予防策としては、長時間の同じ姿勢を避ける、脱水にならないように水分を十分にとることなどです。

6月6日(金)

第6回 患者の訴え「フラフラして立ち上がれない」
 
患者は、小さな時計店を営む65歳の男性、この道40年の時計職人だ。専用ルーペを効き目につけ、細かい部品を組み、修理するのが何より好きだった。自治会の役員でもある彼は、ある日、河川の清掃活動中に転倒し、友人から預かった時計を壊してしまう。後日、謎の痛みに悩まされるようになった。修理の手もはかどらない。やっとのことで仕上げ、持ち主に届けると、ついに倒れてしまった。フラフラして立ち上がれない…原因は? 
【ドクターG】洛和会音羽病院 医師・神谷 亨
【ゲスト】 渡辺 徹、東 ちづる
 
~帯状疱疹ヘルペスによる髄膜炎(たいじょうほうしんへるぺすによるずいまくえん)~
脳を包む髄膜がウイルスの感染によって炎症を起こす病気を、ウイルス性髄膜炎といいます。おもな症状は、頭痛、発熱、吐き気などです。性別、年齢に関係なく、小児から高齢者まで発症する可能性があります。
帯状疱疹は、神経節にそって痛みを伴う皮疹が現れるウイルス感染症です。子供の頃にかかる水疱瘡は、帯状疱疹ウイルスが原因です。水疱瘡が治っても、ウイルスは身体の中に残ります。抵抗力がおちると、ウイルスが活動し始めます。
ほとんどのウイルス性髄膜炎は点滴などで症状が和らぎ、回復しますが、帯状疱疹ウイルスの場合は、特別な抗ウイルス薬を処方しなければ髄膜炎の治療が出来ません。
今回の症例は、高齢による体力の衰えと肉体的な体力の消耗によって免疫力が低下し、帯状疱疹を発症しました。しかし、帯状疱疹によくある皮疹が現れなかったために気づかないでいたところ、帯状疱疹のウイルスが脳を包む髄膜に感染し、ウイルス性髄膜炎を発症したのです。髄膜炎になった原因を早く突き止めて適切な治療することが大事です。

6月13日(金)

第7回 患者の訴え「手がしびれる」
 
患者は、手打ちそば屋を営む63歳男性。1年前、息子が後を継ぎたいと会社を辞めて店に出るようになった。その無器用さにストレスを感じていた矢先、右手がしびれだした。半年ほどたつと、今度は左手もしびれだし、ぼんやりして会計を間違うことも。還暦を過ぎた頃から体の変化は感じていたが、はたして老化なのか、それともどこか悪いのか。客の前でそばをひっくり返した夫を見て、心配した妻が夫を連れてドクターGを訪ねた…
【ドクターG】高松少年鑑別所 医務課 医師・池田正行
【ゲスト】 石倉三郎、川上麻衣子
 
~甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)~ 
甲状腺ホルモンの分泌が低下して活動性がにぶくなる病気です。圧倒的に女性に多くみられます。全身の倦怠感、記憶力や計算力が低下する、皮膚が乾燥する、寒がりになる、むくむ、などいろいろな症状がでます。顔や手のむくみは、粘液のような物質がたまるために起きる症状です。ひどい倦怠感の症状から”うつ病“とまちがわれることもある病気です。
今回の症例は、男性でした。手首に粘液のような物質がたまり、手首の神経を刺激したために、手のしびれを訴えたケースでした(手根幹症候群)。 甲状腺機能低下症は手根管症候群を伴うことがよくあります。治療は甲状腺ホルモン剤を投与します。

7月4日(金)

第8回 患者の訴え「腰がすごく痛い」
 
患者は、広告代理店に勤める38歳の女性。若手を指導して企画コンペに挑ませたところ、見事、受注が決まった。お祝いの会が開かれ、普段、宴席に出ない女性も、このときばかりはお酒を少し口に。二次会で、酔いつぶれた若手を介抱するため肩を貸したところ、一緒に転倒してしまった。帰宅して迎えた朝、腰がものすごく痛くなり…。やっとの思いで病院にかけこむと、ドクターGは意外な病気を診断した!
【ドクターG】福井大学医学部附属病院 救命救急センター 医師・林 寛之
【ゲスト】 八代亜紀、平 岳大
 
~くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)~
脳を包む膜(髄膜)には3種類あります。脳に近いところから軟膜、クモ膜、硬膜です。そのうち軟膜とクモ膜の間に出血が起きる病気です。多くは脳の動脈がコブのようにふくれて破裂することに原因があります。クモ膜と硬膜には「痛み」を感じる神経があることと、血管自体に神経が張り巡らされていることから、出血すると、一般的に「人生最大の痛み」と表現されるほどの激痛が生じます。
発症者の死亡率は50%といわれ、20%には後遺症が残ります。一刻も早い治療が必要です。
治療は手術で、破れた血管をクリッピングや接着剤によるコーティングを行い、血液が漏れないよう処置をします。
頻度は人口10万人に対し、約20人。好発年齢は50代から60代で、女性の方が多い病気です。遺伝的な血管の奇形などにより、若年層でも発症することがあります。危険因子として高血圧、喫煙、飲酒などが誘発すると言われています。
今回の症例は、脳を包む髄膜が脊髄の中を通り腰まで続いていることから、脳で漏れた血液が重力に従い下降し、腰にまで届いて、腰の痛みを引き起こしたもの。腰の痛みを訴えて来院したので、他の病気に間違われたり、見逃される可能性が高い症例です。

7月11日(金)

第9回 患者の訴え「母が食べない 口もきかない」
 
患者は84歳の女性。転倒して大腿骨を骨折したのを機に、59歳の長男は会社を早期退職し、1年前から介護に専念していた。献身的に介護を続けていたある日のこと、長男が「母親が何も食べない、口もきかない!」と診療所にかけこんできた。訪問診療したドクターGは、女性が多くの医療機関に通っていたことを知る…。患者とその家族を長年診てきた家庭医だからこそわかったある事実とは!!
【ドクターG】神奈川県 川崎医療生協 あさお診療所 医師・西村真紀
【ゲスト】 大沢逸美、カンニング竹山

~薬剤性高カルシウム血症(やくざいせいこうかるしうむけっしょう)~ 
血液中のカルシウム濃度が異常に上昇する病気(病気の状態)です。軽度の場合は、オシッコの量が増える、口の乾き、吐き気、倦怠感などを訴えることが多く、ひどくなると意識障害、記憶力の減退など様々な症状が現れ、昏睡を伴う脳の機能障害を引き起こすこともあります。その場合はカルシウムを低下させる液を注入するなど早い処置が必要です。
高カルシウム血症になる原因は、多くは、体に何らかの病気があり、その合併症としておきることによるものです。例えば、悪性腫瘍(いわゆるガン)、副甲状腺機能亢進症、ビタミンD過剰症、急性腎不全などの場合です。
今回の症例は、泌尿器科や皮膚科や整形外科など、いくつもの病院に通い、それぞれの症状に対して薬が処方され、複数の薬剤を飲んでいた(多剤投与)ことによる弊害から薬剤性の高カルシウム血症をおこした、というものでした。

7月18日(金)

第10回 患者の訴え「体のあちこちが痛い」
 
患者は、体の調子がおかしいと訴える52歳の男性。「だるいし、あちこちが痛いし、会社に出るのもつらい。家族からはサボり病と言われ…」。眠りたくても眠れず、朝は起きづらく…とにかくつらいと訴える。ドクターGは問診するうちに、男性が半年前に、大手製造メーカーから系列の工場へ出向したことを知る…。事業の失敗の責任を負わされ“飛ばされた”のだ。症状や病歴をたどり、ドクターGは問診だけで病気を絞り込んだ!
【ドクターG】千葉大学医学部附属病院 医師・生坂政臣
【ゲスト】 別所哲也、高木美保
 
~ 続発性副腎不全(ぞくはつせいふくじんふぜん)~
脳のすぐ下にある下垂体や視床下部に腫瘍ができたり、炎症がおきたりすることで、下垂体から分泌されるホルモンが低下し、その関連で、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されなくなる病気です。副腎は腎臓のすぐ上にある臓器です。コルチゾールホルモンは、別名、ストレスホルモンともいわれ、体にかかるストレスが多くなるとコルチゾールの分泌も増えるという、生命維持に関わる重要なホルモンです。
症状は、立った時にふらついたり、ちょっとしたことですぐ疲れる、だるい、食欲がない、関節痛などです。ちょっとしたことで疲れる様子は、うつ病の症状ととてもよく似ています。血液検査や内分泌検査で確定診断をします。
今回取り上げた症例は、関節の痛みが前面にでていたケースでした。治療は、足りないホルモンを薬で補充します。
(原発性副腎不全は、副腎そのものが原因で副腎からホルモンが分泌されなくなる病気です。症状は、続発性とかなりよく似ていますが、他のホルモンとの関係で、皮膚の色が黒ずむなどの違いがあります。)

8月22日(金)

第11回 患者の訴え「なぜか食べられない」
 
患者は、小説家デビューをめざす元高校教師の男性(62歳)。定年退職後、部屋にこもって執筆を続けている。もともと大食漢で妻の作る料理を美味しく食べていた。ところが、最近、食が進まなくなってきて…食欲はあるのに食べられない。実は高校の教え子の女性がある出版社の文学賞を取り、先を越されてしまったのだ。食べられなくなったのは精神的ショックからか?ドクターGは患者が意識していないある症状から病気を診断した!
【ドクターG】沖縄県立中部病院 医師・金城光代
【ゲスト】 堀ちえみ、高橋ジョージ
 
~ 感染性心内膜炎(かんせんせいしんないまくえん)~
血液に侵入した細菌が心臓の内側の膜や弁に付着し、繁殖することで起きる病気です。
細菌の塊が弁を破壊して心臓の機能を低下させたり、血流に乗って血管を詰まらせ、様々な臓器に炎症を起こしたりします。発熱や全身の倦怠感・食欲不振・体重減少・関節痛・皮膚の発疹・息切れなど、多彩な症状が現れます。菌の塊が脾臓の血管に付着した場合、それを取り除こうと脾臓が活発に働いて脾臓が大きく腫れる(脾腫)こともあります。
今回は、大きく腫れた脾臓が胃を圧迫していたために、「お腹が張って食べられない」という症状を引き起こした症例です。
感染した菌が人体への毒性が弱い菌であったり、高齢であったりすると、明らかな症状が現れないまま病気が進行することもあります。治療は、原因の菌を特定し、抗菌薬の投与を長期間続けます。適切な治療が行われないと、心不全やその他の合併症によって死亡することもある危険な病気です。

8月29日(金)

第12回 患者の訴え「5歳児が突然、高熱と腹痛に…」

祖父母の家に預けられた5歳の女児が、ある朝、突然、高熱と腹痛に見舞われた。鼓膜の内側に水がたまっているなどの症状があるが、祖父母は普段の女児の生活を詳しく知らない。1時間後、母親が東京から駆けつけ、女児の日常について話し始めた。結局、女児は脱水のおそれがあり入院することに。血液、尿、そして、レントゲン検査を行うが、病名は特定できない。果たして、研修医たちは最終鑑別にたどりつけるのか! 
【ドクターG】新潟大学医歯学総合病院 医師・齋藤昭彦
【ゲスト】 高田万由子、佐藤B作
 
~ 川崎病(かわさきびょう)~
川崎病は、心臓に栄養を送る冠動脈などの中型のサイズの動脈が炎症を起こす全身の血管炎です。主に1~5歳頃の子どもに多く発生します。5日以上発熱がつづき、発疹、結膜炎(眼)、粘膜の炎症(唇や舌が真っ赤になる)、リンパ節の腫れなどが特徴です。
診断や治療が遅れると、冠動脈に瘤(こぶ)を残し、のちに破裂や心筋梗塞を起こして突然死の原因になることもあります。この病気と診断されれば、心エコー検査などで冠動脈をみて、拡張や瘤ができていないかの確認を行います。治療は免疫グロブリン薬の投与やアスピリンなどを服用し、経過をみることになります。
国内の年間発病数は1万人以上です。原因は不明です。日本人に多いことが知られています。1967年に小児科医の川崎富作博士が発見したことにより、この病名がつけられました。(川崎医師が1人目の患者に出逢ったのは1961年のことでした)
今回の5歳女児の症例は川崎病にまれに起こる胆のう水腫を合併していたために、激しい腹痛を訴えました。嘔吐は、その痛みや、血管炎で腸の働きが悪くなることにより引き起こされたと考えられます。
今回の患者には早期治療が施されたために、冠動脈の拡張は見られましたが、瘤はあらわれず、後遺症はありませんでした。

9月5日(金)

第13回 患者の訴え「お腹が痛くて痛くて」

患者は老舗旅館の若女将(44歳)。遠のく客足や姑(大女将)のいびりによるストレスで、5年前から逆流性食道炎を患っている。ある日の食事中、お腹に違和感が…。その後、たくさんの団体客を迎え無理をしていたところ、痛みはさらにひどくなり、たまらず救急車で病院へ。しかし、CT検査の結果、異常は見つからず帰されてしまう。それでも、お腹の痛む若女将は、夫に付き添われドクターGの病院へ駆け込んだ!病気の正体は何?
【ドクターG】地域医療機能推進機構 医師・徳田安春
【ゲスト】 早見優、尾木直樹
 
~ 流行性筋痛症(りゅうこうせいきんつうしょう)~
前胸部や背部に痛みを起こす急性のウイルス性疾患です。体を動かしたり、呼吸をすると痛みが増強し、一般的に発熱や頭痛を伴います。あまりみられない疾患ですが、夏と初秋に流行するという特徴があります。年齢は、5〜15歳に多いですが、他の年齢層でも発症します。痛みの症状にはかなり個人差があり、痛みでペンが握れないといった程度の患者もいれば、人生最大の激しい痛みにのたうちまわる患者もいます。病原体は、コックサッキーウイルスB群に代表されるエンテロウイルス。これは、手足口病などに代表される子どもの夏かぜを起こすウイルスです。ウイルスの潜伏期は3〜5日。特別の治療法はなく、そのまま自然経過で回復します。
今回のケースは、(エンテロウイルスによる)夏かぜをひいた子どもと接触して、感染し、流行性筋痛症を発症したものでした。

9月12日(金)

第14回 患者の訴え「めまいが長く続いて」

バスガイドに復職した45歳女性。懐かしの昭和歌謡を歌いながら、東京名所の観光案内をしている。ところが、復職してから、車に酔うようになったのか、な ぜかフワフワとしためまいがするように…。バスの中の冷房もつらく、疲れがでてきたのか肩こりもひどくなった。母親の話によれば、父親が脳卒中で倒れた時 も、めまいを訴えていたという。女性の症状はひどくなり、とうとう、勤務中に…。ドクターGは意外な病気を診断した!
【ドクターG】本輪西ファミリークリニック 医師・草場鉄周
【ゲスト】 新山千春、的場浩二

~ 頸椎椎間板ヘルニア性脊髄症(けいついついかんばんへるにあせいせきずいしょう)~
運動や知覚を脳に伝えたり、脳から手足に伝えたりする神経は、人体の中心部では背骨の中の空間(※脊柱管とよばれる)に保護されるような形で存在していま す。脊髄神経です。背骨の上部の頸(首)の骨は頸椎といいます。頸椎を連結している部分が椎間板。この椎間の組織がこわれて中身(髄核)が飛び出し、脊髄 などが急激に圧迫されて出現する症状が頸椎椎間板ヘルニアです。ヘルニアとは「飛び出す」という意味です。椎間板が飛び出す方向によって、圧迫される脊髄 の神経が異なるので、症状は手にきたり、足にきたりと、様々です。原因は加齢、長年姿勢が悪い、外傷や運動のしすぎなどがあります。
頸椎椎間板ヘルニアには大きく分けて二つのタイプがあります。一つは、肩や手の特定の場所に激しい痛みが生じるタイプです。この場合、首の寝違いとよく似 た鈍痛などの後頸部症状がまずみられ、その後、肩への激しい放散痛が生じることが一般的です。この痛みは、数週間から数ヶ月で良くなることが多いです。
もう一つは、両手がしびれたり、両手を使って行う細かい動作(箸を使う動作・ボタンをかける動作・ページをめくる動作など)が徐々に出来にくくなり、それ と同時期に両足がしびれてきたり、歩行がなんとなく不自由になるなどの症状が、数日から数週間の経過で急速に進行するタイプです。このような場合は、手術 によって狭くなった脊柱管を広げたりする治療をします。
(今回の症例は、後者のタイプの患者さんでした。頸椎椎間板ヘルニアによって、脊髄の一部分に問題が起き、そのせいでフワフワするような歩きづらさがでたのです。この感覚を、浮動性のめまいと訴えたものでした)

9月19日(金)

第15回 患者の訴え「息苦しくてつらい」
 
4年前に離婚し、小学6年の娘と暮らす42歳の女性。派遣社員として、コールセンターで厳しいクレームにストレスを感じながら仕事を続けている。精神的な原因からか、たびたび過呼吸を起こし苦しんできた。娘に私立中学を受験させ通わせようと、3ヶ月前からはラーメン店でのアルバイトも始めた。そんなある日、過度の息苦しさに襲われる。女性は娘に付き添われ、ドクターGを訪ねたが…。いつもの過呼吸なのか、それとも他の病気なのか!
【ドクターG】岡山大学病院総合内科 医師・片岡仁美
【ゲスト】 片岡鶴太郎、杉本彩

~(リウマチ熱による)僧房弁膜症 (りうまちねつによるそうぼうべんまくしょう) ~
僧房弁膜症は、心臓の左心房と左心室を隔てる僧帽弁の働きが不十分になり、左心房から左心室への血液の流れに問題が起きる病気です。僧帽弁の病気には僧帽弁狭窄症と僧帽弁閉鎖不全症があります。呼吸困難やむくみなどのいわゆる心不全の症状を起こすことがあります。病気が進行し、心房細動という不整脈が起きるようになると症状はより悪化し、また、心臓の中にできた血栓が脳にとんで、脳梗塞などの原因になることもあります。原因は、僧房弁狭窄症の場合は幼少時に罹ったリウマチ熱による弁の変性や石灰化などが主なものです。
治療は、軽症の場合は経過をみることができますが進行した場合は僧帽弁の手術や人工弁の外科的手術を行います。心房細動を伴っている場合は、まず抗凝固剤で血栓ができるのを予防することがとても重要です。
今回は子供の頃にかかったリウマチ熱の後遺症により、僧房弁に障害がおき(僧房弁狭窄症)、その後に心房細動を合併してきたという症例です。原因となったリウマチ熱は、5~15歳の子どもに多い病気です。溶連菌による咽頭炎や扁桃炎の治療が不十分な場合、治ってから2~3週間過ぎた頃、突然高熱を発症します。強い関節痛を伴い、皮膚には輪状の紅斑がみられることもあり、心臓にも炎症を起こし、心臓の弁に後遺症を残すことがあります。リウマチ熱は、日本ではほとんどみられなくなりましたが、発展途上国では今なお猛威をふるっている病気です。

9月26日(金)

第16回 患者の訴え「夏バテが治らない」
 
シーズン5最終回。患者は、夏バテが治らないという35歳の男性。妻の実家の電器店で働いているが2週間ほど前から体がだるく微熱が続いている。治らないのは、義父との人間関係によるストレスが原因かと思っていたが…最近、症状が悪化。目にまで異変が現れるようになった。視界がぼやけて失敗が続き仕事もままならい。男性の病気は何か?研修医たちは悪戦苦闘。ドクターGのある一言が鑑別診断を思わぬ方向に導いていく…
【ドクターG】フリーランス 医師・青木眞
【ゲスト】 石田純一、伍代夏子

~ 結核(けっかく)~
結核は、結核菌によって引き起こされる感染症です。多いのは、空気感染(飛沫核感染)で呼吸器に侵入し肺に病変を起こす「肺結核」ですが、その後、リンパや血流にのって全身のさまざまな臓器で病変を起こす「肺外結核」になることもあります。主な症状は咳、痰、発熱、全身倦怠感ですが、体内に結核菌が広がると様々な症状が現れるようになるため、診断が難しい病気です。
結核菌に感染しても9割の人は発症せず、また、発症しても自然治癒することもありますが、体内に結核菌が残っていると再び発症するリスクがあります。日本では、毎年約2万人が発症しており、結核は、決して昔の病気ではありません。
治療の中心は抗結核薬です。症状が良くなった後も、菌が死滅するまできちんと飲み続ける必要があります。医師が指示をした薬の量と服用期間(およそ半年間)を守ることが大切です。
今回の患者は、レントゲンでは肺にはっきりした影が見えず、診断が難しいケースでした。肺以外に目や口などにも病変をおこしており、ぶどう膜炎や口内炎は、結核によるものでした。痰の検査だけでなく、気管支鏡の検査も行い、結核菌を確認しました。
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