受賞履歴

2016年度 (第5回) 日本医学ジャーナリスト協会賞 大賞 映像部門
「それはホロコーストの"リハーサル"だった~障害者虐殺70年目の真実」

2015年11月7日放送
2016年1月30日放送

ナチス・ドイツは、ユダヤ人虐殺「ホロコースト」の前に、障害者や病人を大量に殺害していた。ユダヤ人大虐殺に比べて、表だって語られてこなかった障害者の虐殺。いま、事実に向き合う動きが始まっている。きっかけの一つは2010年、ドイツ精神医学精神療法神経学会が長年の沈黙を破り、過去に患者の殺害に関わったと謝罪したこと。学会は専門家に調査を依頼、2015年秋、報告書にまとめた。そこにはいったい何があったのか。日本の障害者運動を率いてきた藤井克徳さん(自身は視覚障害)が現場を訪ね、資料と遺族たちの証言でたどる。

語り:大竹しのぶ
(内容 60分)

2016年度 (第54回)下期 12月度ギャラクシー賞 月間賞
「今よみがえるアイヌの言霊~100枚のレコードに込められた思い~」

2016年12月17日放送

NHKが戦後すぐにアイヌの歌や語りを録音した100枚のレコードの音源が、最新の復元技術でよみがえった。アイヌ語は、もともと文字に表す習慣が無く、歌や語りなどは代々口伝えで受け継がれてきた。しかし、明治維新後の政府の同化政策で話せる人が急速に減り、今ではほとんど使われなくなった。その中でこのレコードは、アイヌ文化を語る上で学術的に大変貴重なものだという。その音源をめぐる物語を紹介し、北海道の大自然の中で育まれた豊かなアイヌ文化の世界を伝える。

語り:髙橋美鈴アナウンサー
(内容 59分)

2016年度(第54回)ギャラクシー賞 奨励賞
「武器ではなく 命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~」

2016年9月10日放送

アメリカ同時多発テロから15年。今も戦乱の続くアフガニスタンで干ばつと闘う日本人がいる。医師・中村哲(69)。「武器や戦車では解決しない。農業復活こそがアフガン復興の礎だ」。中村は白衣を脱ぎ、用水路の建設に乗り出した。15年たったいま、干ばつの大地には緑がよみがえり、人々の平穏な営みが再び始まろうとしている。戦乱の地アフガニスタンに必要な支援とは何か。15年にわたる中村の不屈の歩みを通して考える。

語り:長谷川勝彦
(内容 59分)

2016年度(第54回)ギャラクシー賞 奨励賞
「関東大震災と朝鮮人 悲劇はなぜ起きたのか」

2016年9月3日放送

1923年の関東大震災。混乱のなか流言が広がり、多くの朝鮮人が殺害された。悲劇はなぜ起きたのか。中央防災会議は2009年に国の機関として初めて事件を分析、報告書にまとめた。それによると軍や警察、新聞も一時は流言の伝達に関与していた。また裁判記録の研究が進み、自警団などが殺害に至った経緯も明らかになってきた。番組では、司法省の一次資料や民間の聞き取り調査などをもとに事件の社会的背景を探っていく。

語り: 濱中博久
(内容 59分)

2016年度(第58回) 児童福祉文化賞推薦作品
ETV特集「小さき命のバトン」

2015年4月25日放送

赤ちゃんは周りの人たちを幸せにする不思議な力があります。でも同時に、大人が守らなければ生きていくことができません。こうした“小さき命”を守るために奮闘してきた病院があります。熊本市の慈恵病院です。院長の蓮田太二医師(79歳)は、2007年5月、「遺棄されて亡くなる赤ちゃんの命を救うため」に日本初の“赤ちゃんポスト”、『こうのとりのゆりかご』の開設へと踏み切りました。
実は、病院が「ゆりかご」の開設と同時に始めたもうひとつの試みがあります。妊娠中の女性たちのSOSを24時間365日無料で受け付ける電話相談です。中高生の妊娠、性暴力被害による妊娠、「お金が無くて病院に行くことができない」などの声。8年間で8千件もの相談が寄せられました。蓮田院長は「こうのとりのゆりかごは、あくまで命を救うための最後の手段。できれば、預ける前に私たちに相談をしてほしい」と訴えています。
さらにこの病院が、新たな試みとして始めたのが“予期せぬ妊娠”をした女性が、育てることができない赤ちゃんを「新しい家庭」へと託す『赤ちゃん縁組』です。妊娠中から実母の相談に乗り、十分なカウンセリングをした上で出産と同時に赤ちゃんを“育ての親”に託す全国でも珍しい試みです。去年12月、『赤ちゃん縁組』を希望する夫婦が病院を訪れました。長年不妊治療をしてきましたが、子どもを授かりませんでした。夫婦は、分べん室の廊下で実母の出産を見守り、命が誕生する瞬間に立ち会いました。羊水の匂いの残る生まれたての赤ちゃんを胸に抱き、「この子は私たちが一生守る」と誓います。これまでに200組余りの新しい家族が誕生しました。
電話相談や『赤ちゃん縁組』を通してつながった小さき命と家族、支える病院のスタッフたちの姿を通して、命の尊さを伝えます。

語り:薬師丸ひろ子
(内容59分)

2015年度(第53回)ギャラクシー賞 奨励賞
「むのたけじ 100歳の不屈~伝説のジャーナリスト 次世代への遺言~」

 ことし100歳を迎えたジャーナリスト、むのたけじ。戦前・戦中は朝日新聞の記者だったが、「大本営発表のウソを書き続けた責任」をとって敗戦と同時に退職。戦後は、故郷の秋田で地方紙「たいまつ」を30年にわたって自力で発行した。記者として戦前・戦後の日本社会を取材し続け、膨大な記事と発言を残してきた伝説のジャーナリストである。「戦争を絶滅させる」。その言葉や生き方は、読者のみならずジャーナリストをめざす若者にも影響を与えてきた。95歳を過ぎた頃から特に年少者や若者への関心があふれだしたという。「今の若者たちと話していると、新しいタイプの日本人が出てきたと感じる。絶望の中に必ず希望はある。戦争のない世の中を見るまでは死ねない」。100歳になった今も食欲は旺盛、講演や取材をこなし気力は衰えない。戦後70年のいま、伝説のジャーナリストの足跡とそのこん身のメッセージを通じてこの国の未来を考える“熱血”ヒューマンドキュメント。

語り:山田孝之
(内容59分)

第41回放送文化基金賞 テレビドキュメンタリー番組部門 最優秀賞
「薬禍の歳月~サリドマイド事件・50年~」

日本の薬害事件の嚆矢(こうし)とされる「サリドマイド事件」。安全と宣伝された薬を飲んだ母親から、重い奇形を背負った子どもが次々と生まれた。その責任を国と企業に問うた裁判は、因果関係を巡って10年ものあいだ争った末、和解に終わった。それから40年。裁判を闘った親達の多くはこの世を去り、当時、子どもだった被害者の平均年齢は50歳を超えた。事件は何をもたらしたのか、そして、被害者は、薬害を背負った人生をどう生きたのか。今、被害者みずからの手によって、その問い直しが始まろうとしている。去年6月、サリドマイド被害者を対象にした国による実態調査の結果が公表された。最新の医療機器を使った検診や、聞き取り調査などによって浮かび上がったのは、これまで知られてこなかった多様な障害の数々だった。外形的な奇形に留まらない内臓や骨、血管などの奇形、障害を補うための無理な体の使用による二次障害。40年前には想像だにしなかった被害の発生が裏付けられたのである。
番組は、最新の調査報告で裏付けられたサリドマイド被害の実態を報告。事件に再び向き合い始めた被害者らの姿を見つめながら、半世紀を経ていまなお続く「薬禍の歳月」を描く。

語り:渡邊佐和子アナウンサー
(内容89分)

メディア・アンビシャス2014 映像部門・アンビシャス賞
「本当は学びたい ~貧困と向き合う学習支援の現場から~」

いま、子どもや若者の「貧困」が、学力格差や不登校、高校中退などを引き起こし、 「学び」に深刻な影響を及ぼしていることが分かってきています。
塾、携帯電話、インターネット・・・。現代では、「平均的な家庭」が、いろいろな物を手に入れられるようになりました。
しかし、経済的に苦しい家庭の子どもはどんどん取り残され、やがて挽回できないほどに、差が開いていきます。
この「差」に苦しめられる、いわゆる「相対的貧困」の子どもが今、増え続けています。
そんな中、元高校教師の青砥恭さん(65歳)は3年前、子どもや若者たちに、無料で「学び直しの場」を提供するため、NPO「さいたまユースサポートネット」を設立しました。
不登校、高校中退などのさまざまな理由で学校から去った子どもや若者に、ボランティアたちが勉強を教えます。
ここに集まる若者の半数以上が、貧困の家庭に育っています。勉強できる十分な環境が無く、学びの場からこぼれ落ちた子どもたち。生活のために日雇いの現場で働く学生、夜の仕事をする高校生・・・。
ここには、貧困の中、ますます学びの場から遠ざかっていく若者たちの姿がありました。
学ぶことを通して、「居場所」や人とのつながり、そして自信を取り戻してもらいたいと願う青砥さんの取り組みと、そこに集まる若者たちの思いを見つめました。

語り:山本耕史
(内容59分)

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