今回は20世紀後半以降の社会状況の変化によって福祉国家が受けてきた、大きな影響についてみていきます。これまで「国家」と「国民」を単位としたシステムだった福祉国家は、グローバル化の進展により、様々な課題に直面しています。産業構造の変化や人口の少子高齢化もあいまって、移民の増加、雇用の不安定化、新しい貧困層が出現してきました。その状況に対応するための新たな「福祉国家」の考え方を紹介します。
今回は、福祉国家を成り立たせている仕組みについて解説します。福祉国家には、さまざまな制度の集まりという「制度としての福祉国家」の面と、政治や社会の理念的な「目標としての福祉国家」の面があります。近代国家は富の増大と蓄積を目指す資本制と、自由で平等な市民の生の保全と充実を目指す民主制の調整役でした。その両立をはかる過程で、近代国家は福祉国家化しました。
高齢者福祉や障害者福祉、子どもの福祉などについて、その歴史から制度までを体系的に学びます。 変わりつつある社会保障制度の基礎も解説します。
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