俳句王国道場

お題 ハッピーニュース or バッドニュース
2019年7月8日~9月9日募集

特選「金の夏井」賞

「再発の知らせ」は、家族でしょうか友人でしょうか。癌かしらと思ったのは「阿蘭陀獅子頭」との取り合わせからの連想かもしれません。「阿蘭陀獅子頭」の頭の瘤が、一瞬癌の病巣に重なりました。しかしながら、この生き物もじっと眺めると健気で可愛いのです。再びの闘病を励ます明るい色合いです。

特選「金の夏井」賞

「助っ人離脱」はプロ野球でしょうか。我がチームが頼りとしていた「助っ人」が怪我か何かで離脱する。まさにバッドニュースではありますが、後半「二軍宿舎」によって、これをハッピーニュースと受け止めている二軍選手もいるに違いないと想像が広がります。「月夜」の下で一人素振りする選手もいるか。

特選「金の夏井」賞

大学生の休日かな。友人に声をかけるけど「みんな帰省」してるというし、帰省してない友達には「みんなバイト」だといって断られるし。こんな日もあるよねという一句。ハッピーとバッドの狭間で、さて今日は何をして過ごそうかと思う。そんな日の「午後」は美しい「晴れ」た青空が広がっているのです。

秀逸「銀の夏井」賞
秀逸「銀の夏井」賞
秀逸「銀の夏井」賞
秀逸「銀の夏井」賞
秀逸「銀の夏井」賞
秀逸「銀の夏井」賞

佳作

また出張?あなた見送り蝉も泣く    あんだんて
後輩が我を追い越す秋近し    飛梅
まだ足が生えない蝌蚪(かと)の水の秋    抹茶金魚
粗品に列枯木にぎわう閉店日    加世
爽やかに風吹き抜ける投書欄    樺野午睡
泥分けて床の木目や台風過    ペトロア
おとうさんほらかまきりがおこってる    とりこ
黒毛和牛半額セール敬老日    直木葉子
要介護連絡きたり鰯雲    瑞月
米を研ぐ匂ひに嘔吐春来る    夏柿
小さく「よっしゃ!」四キロ減と夏の果    はなあかり
台風の進路にのびる紀伊水道    紗千子
カメラ落とす英国の春記憶のみ    ここママはる奈
台風や電車が遅延予約破棄    ばあば
三冠馬死すとヤフーに揚がる夏    あつこばあ
ケーキ屋の梯子をする日うららけし    あい女
稲妻や「牧野つくし」の再登場    高橋無垢
さざなみや湖に映る雲我が心    ちび桃子
氷河期世代溢るるここは鬼雨の国    未開紅
テキストに載った我が句や雲の峰    真珠星倫世
連続の佳作入選秋深し    林田りこ
秋デート大きな犬の糞を踏む    満る
白靴や次回検診一年後    棗椰子
球児の汗サイレン響く原爆忌    露太本線
外妊や命永らえ紅海月    大村真仙
炎天下何を求める象の鼻    大村真仙
病める腸洗ひて干したし薬堀り    季凛
自若なれ色めく心レモン水    団栗林えび
夏の旅キャンセル短き夢でした    ばんじょうし
夏真昼隣家へ駆け込む救命士    あいむ李景
狼狽(うろた)えて非常ボタンや秋の沼    しいたん
木枯らしや吹き飛ばしたる給料日    野中泰風

俳句王国の単刀直入

●正しい表記とは
夢の路 負けずに進む 夏の雨    ひろりん
学校の プールの始まり 暑い中    ここピー
老犬を 揺さぶり起こす 15の夏    ヘンミモリ
友笑い 我は小さき 鳳仙花    なずな
コスモスの 風に押される車椅子    三谷幸正
いくつまで つなげるのかな その小さな手    きびだんご
雷鳥や 雲海の中 かくれんぼ    とらのもん

○「五七五の間を空けず、一行に書く」のが俳句の正しい表記です。まずは、そこから♪


●ちょっと添削
春空や九十手習い千羽鶴         紀杏里
○「春空や/九十手習い/千羽鶴」 斜め線のところでプツプツ切れてしまうのが三段切れ。どこか一カ所をつなぐと、調べがならだかになります。
【添削例】 九十の手習い春の千羽鶴


●テーマに沿っているか否か
時移る雨の草原百合花咲き 三枝子とクリ
○テーマ「ハッピーニュース」「バッドニュース」に沿っているのかどうか。判断に迷ってしまいます。さらに「百合」と書けば、基本的には「咲いて」いますので、言葉を節約することもできますよ。
【添削例】 草原に雨くる百合の白吹かる


俳句王国道場

お題 ちょっと気になる/すごく気になる
2019年5月11日~7月1日募集

特選「金の夏井」賞

甘味処にて好物を注文。ふと気づくと隣の二人は「蜜豆」を「挟んで」どうも「別れ話」をしているらしい。
おいおい、なんでこんなところで……という気持ちが、後半「別れ話かよ」という措辞にありあり表れています。
運ばれてきたこっちの蜜豆まで甘みが減りそうな状況だけど、気になって仕方ない隣席。

特選「金の夏井」賞

「鉱山」の歴史を解説するミュージアムの展示か。
身につけているものは全て当時の様子を再現しているんだけど、肝心の鉱夫「マネキン」があまりにも「美男」なものだから、妙に状況に似合わないのです。
首にかけている「汗拭い」の汚れともミスマッチ。
どうでもいいことだけど気になってしまうのです。

特選「金の夏井」賞

「濃紫陽花」は自宅の庭か、角のお家の光景か。ふっと「鍵」をかけたかどうか気になり出すのです。
いや、掛けたはずだと思うのだけどどうも気になる。
心の中には「鍵カケタヨネカケタヨネ」という自問自答が呪文のように繰り返されるのです。
この呪文から解放されるためには確かめに戻るしかないか。(笑)

特選「金の夏井」賞

「夏帽子」にもさまざまなデザインのものがありますが、「女優」のものであると分かれば、なんとなく想像できるような気がします。
しかしながら、被っているのではなく「持つ」という状況。
なぜ?と思った瞬間に出現する「警察署」という場所。一体何が起こったのか。
これはスゴく気になる遭遇ですよ!

秀逸「銀の夏井」賞
秀逸「銀の夏井」賞
秀逸「銀の夏井」賞
秀逸「銀の夏井」賞
秀逸「銀の夏井」賞
秀逸「銀の夏井」賞
秀逸「銀の夏井」賞

佳作

銀杏の城修復や友の夏    野中泰風
玻璃ごしの猫と目が合ふ大夕立    あい女
目は父に鼻は母似か桃の花    井久
できるなら百足の足をかぞえたい    都乃あざみ
「現状維持」女医のうなづく百日紅    鈴木麗門
ヒトはなぜ二足歩行か台風来    ときこ
生首はどこへ埋めたか春の夢    紗千子
夏木立犬の駆け尿(ばり)何処へと    天野呑水
明らかに覚えある日やあやめ草    飯村祐知子
乾きてやジーパン1本梅雨雲    枝子
髪洗う指に絡まる若白髪    大津美
のど飴をちゃんづけで呼ぶ春隣    大野美波
一人居の姉認知症五月闇    大村真仙
夏鴨よ父はいずこへ一家行く    風独楽
日の盛娘の電話相手かな    かつたろー。
接客の語尾の訛りや夏料理    樺野午睡
縁側の老犬撫でる梅雨の朝    清水ケンシロウ
カッコウの鳴き声近し仰ぐ朝    清水トキ
蟻地獄増え続けている核のゴミ    真珠星倫世
夏空や読まずに焚きし文むかし    勢田清
青嵐あるはずで無き宇宙の果て    蓼科川奈
水やりの老父がいない夏の空    飛梅
落陽や土煙呼ぶ旱梅雨    斗三木童
夏足袋へ変形すすむ足の甲    七瀬ゆきこ
戻り梅雨ストッキングに跳ね飛んで    西川由野
返り血無い犯人六月八日    丹羽信道
しゃぼんだま寝ぐせ吹かれて手術痕    のつり
麻布団点滴中のひとねむり    ばあば
夕立の弾く雨音ポップコーン    長谷川京水
隣席や鼻すする音冴返る    八月
確か七つ瓜番居ずの畑に急く    林田りこ
初恋のアイツは何処へ五月闇    ぺんぺん草
制服のスカート丈の解めく夏至    抹茶金魚
腕上げしポコポコ吾子や夏の昼    松山のとまと
目は冴えて枕は鼓動して夜長    満る
星月夜あの世の人口限りなく    もぐ
ゆうゆうと厨へつづく蟻の列    柳児
無呼吸の寝息見つむる天の川    ゆすらご
取り壊し間近のビルのツバメの巣    ヨシケン
夜勤明けビール輝く梅雨の青空    くすのき
達筆な墨字足向く走り蕎麦    棗椰子
ソーダ水輝く日から3キロ増    相沢 雨

俳句王国の単刀直入

●正しい表記とは
服涼し  語らいの後の  座りじわ    アン

○「五七五の間を空けず、一行に書く」のが俳句の正しい表記です。まずは、そこから♪

●テーマに沿っているか否か
孝の文字懐かしく酌む梅酒かな    オリーブ

○句としては成立しているのですが、テーマ「すごく気になる」「ちょっと気になる」に沿っているのかどうか。判断に迷ってしまいます。

●文字化け
ソーダ水輝く日から3<utf8>&#e38e8f</utf8>増    相沢 雨
達筆な墨字?足向く走り蕎麦    棗椰子

○ネット俳壇における文字化けは、不可抗力なところもあります。前句は「kg(キロ)」かなと予想できますが、後句は「に」なら文字化けしないだろうし……と色々推測しながら選をしております。


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