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※過去1ヶ月分を掲載しています。

5月21日放送の「お題」

◇勝手に名付け親 :

カッツァーティ作曲「7つの音にもとづくカプリッチョ」
※曲を聴いて受けた印象をもとに、新たな曲名を考えて送ってください。

5月14日放送の「お題」

◇BGM選手権 :
風の旅びとがこつそり尾根道を通る
ここはしずかな山の斜面
一匹の雌きじが   卵を抱いている
青いハンカチのように
夕明かりの中を   よぎる蝶
谷間をくだる   せせらぎの音
ふきやもぐさの匂いが
天に匂う
(どこからも鉄砲の音などきこえはしない)

一番高い山の端に陽がおちる
乳いろのもやが谷々からのぼつてくる
やがて、うす化粧した娘のような新月が
もやの中からゆつくりと顔を出す
――今晩は、きじのおばさん――
平和な時間がすぎてゆく
きじの腹の下で最初の卵がかえる
月かげにぬれてひよこがよろめく
親きじがやさしくそれをひきよせる
(どこからも鉄砲の音などきこえはしない)


蔵原伸二郎 作 『五月の雉』

5月7日放送の「お題」

◇勝手に名付け親 :

パガニーニ作曲「“グランド・ソナタ”から“ロマンス”」
※曲を聴いて受けた印象をもとに、新たな曲名を考えて送ってください。

4月30日放送の「お題」

◇BGM選手権 :
夜。用事があって近処まで出たらとある欅?の若木の
さらりと芽ざしたところへまん円な月がぽかりとかかっていた。
宵空のなごやかに懐しい季節。
その月が姉の柔和な面影を偲ばせてゆきにもかえりにも
いくたびか私を見あげさせた。
私が十代、姉がはたちそこそこの昔である。
ちょうどこのような葉ごしの月に照されながら
二人は姉の部屋の肱かけ窓に肱をならべて語りあった。
雁のおとずれもききなれた頃のことである。
……思い出は潮のように湧いてくる。
歳月はひく汐のように凡てを洗い去った。
そうして今人生の荒磯にひとり佇むこの私に
さらい残された貝殻のようなあの月!


中 勘助 著 『蜜蜂』から

4月23日放送の「お題」

◇勝手に名付け親 :

リゲティ作曲「ポエム・サンフォニック(100台のメトロノームのための)」
※曲を聴いて受けた印象をもとに、新たな曲名を考えて送ってください。

4月16日放送の「お題」

◇BGM選手権 :
戦慄が私を襲ったのは、三つ目に出された、サバを食べたときのことである。
ウ……ウマイ!
文字で表現することの限界を感じるのは、
まさにこういう箇所にさしかかったときだ。
最初に感じたのは昆布のほのかな旨さ、高級ふりかけの後味にも似た感じは、
かみしめるうちに、松の実に似た味が立ち上がってくる。
でも、箸でつまんだソレ、は、単なるサバだ。どう見たって、サバだ。
「松輪のサバです。昆布でしめてはいません。これがこの魚の味なんです」
続けて、こうも言った。
「私はだから、もう、なんにもしていないのです。魚自体が凄いんです」
魚の味はひと通りではない。
季節によっても、獲れる場所によっても、それはもう、恐ろしく劇的に違う。
サバが松の実になり、人肌に温まったぬる燗の車エビが
桜餅の味になるようなこともあり、もっと言ってしまえば、
どこかで見た風景が、言葉にならない印象として立ち上がってくるときもある。
あと、ここで発見したことのひとつに、いくつかの魚の旨さというのは、
栗の味に似ているということ。
栗は別段普通の食材なのに、魚に栗の味が出るとなんでそんなに旨いのか?
うーん、不思議なことではある。


湯山玲子 著 『女ひとり寿司』から
※一部割愛しています。

4月2日放送の「お題」

◇BGM選手権 :
月夜に影踏みしていると、「もうおやすみ」と呼びにくる。
(もっとあそぶといいのになあ。)
けれどかえってねていると、いろんな夢がみられるよ。
そしていい夢みていると、「さあ学校」とおこされる。
(学校がなければいいのになあ。)
けれど学校へ出てみると、おつれがあるから、おもしろい。
みなで城取りしていると、お鐘が教場へおしこめる。
(お鐘がなければいいのになあ。)
けれどお話きいていると、それはやっぱりおもしろい。
ほかの子供もそうかしら、
私のように、そうかしら。


金子みすゞ 作 『次からつぎへ』

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