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2018年4月~6月の放送予定

「老前整理の極意~モノから解放される暮らしへ」

講師 :坂岡洋子(暮らしのコンサルタント)

老前整理とは老いる前に一度身の回りを見直し、これからの暮らしを考えてモノとともに頭の整理もしようとい う提案です。老いに備え、安全で快適な暮らしの準備をすることで生き方を考える「人生の整理」ともいえます。
2014年4月から6月にかけて放送した「こころをよむ 心と暮らしを軽くする <老前整理>入門」では、まだ聞きなれなかった「老前整理」についてわかりやすく紹介し、大きな反響を得ました。今回は3つの要素から老前整理について考えていきます。まず、人は頭でわかっていても不要なものを「なぜ」捨てられないのか、という点を行動経済学の考え方を応用して解き明かしていきます。そして遺品整理について、考えます。老前整理と遺品整理は違うのですが、老前整理をする前に親や配偶者など愛する人を見送った人は、まず遺品を整理しないと自分自身に向き合えないことがよくあります。そのためグリーフケア(身近な人と死別し悲嘆にくれる人を立ち直れるよう支援すること)も含めて捉えていきます。3つめは、ひとり暮らしをしている人の場合です。社会問題にもなっているゴミ屋敷や孤独死といった点も踏まえて考えていきます。
7年後の2025年には団塊世代が80歳以上の後期高齢者となります。社会保障の財源、介護の人手不足と課題は山積みですが、その対策として老前整理も役にたつはずです。「自分を大切にすること、慈しむこと」にもつながる老前整理を行うことで、年を重ねるほどにモノを減らして身軽になり、心も軽やかに過ごしていけるのではないでしょうか。


出演者プロフィール

坂岡 洋子(さかおか ようこ)

坂岡 洋子(さかおか ようこ)

昭和32年(1957年)生まれ。くらしかる代表。
インテリアコーディネーターとして住まいや生活家電のデザインなどに携わっていた時にバリアフリーの必要性を感じ、ケアマネージャー資格を取得する。そして在宅介護の現場にも関わるようになり、そこでモノが多すぎることを実感したことから、頭とモノを整理する「老前整理」を提唱。人生の節目を迎える人たち、特に中高年に向けた「暮らしを軽くする」サポートを目的として、活動している。
著書は『老いた親とは離れなさい』(朝日新聞出版)、『老前整理』(新潮文庫)、『老前整理のセオリー』(NHK出版新書)、『転ばぬ先の「老前整理」』(東京新聞出版局)など。


第1回 片づけに必要な3つの力
第2回 誰のための整理なのか
第3回 なぜものが増えるのか~行動経済学から考える
第4回 不合理な行動の理由をさぐる
第5回 行動をうながすテクニック~「ナッジ」を利用する
第6回 愛着のあるもの、価値のあるものを手放す
第7回 安全な暮らしを確保する
第8回 老前整理の裏メニュー
第9回 トラブルにつながる原因をさぐる
第10回 遺品整理をどうするか
第11回 ひとり暮らしに備える
第12回 これからの暮らしのために


2018年1月~3月の放送予定

「見つめ合う英文学と日本 ――カーライル、ディケンズからイシグロまで」

講師 :斎藤兆史(東京大学大学院 教育学研究科 教授)

2017年10月、日系イギリス人作家のカズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞した際、日本では我が国 のことのような喜びの声があがった。それは多くの日本人がイシグロを同郷人と見なし、その作品のなかに日本 人の心や日系人としてのアイデンティティを感じていたからだろう。おそらく私たちは海外文学を読むときも日本人の目で作品を読み、その作品のなかに日本的なものを感じとるものなのだと思う。
こうした視点を踏まえ、今回は英文学作品をいわば鏡として日本人の心を見つめ直したい。シリーズの前半は 明治初期から日本人が愛読してきた作家と作品に、後半は愛情や批判を込めて日本を描いた作家と作品に焦点を当て、それぞれの作家や作品から日本人は何を学んだのか、あるいは学ぶべきなのかを考えたい。


出演者プロフィール

斎藤 兆史(さいとう よしふみ)

斎藤 兆史(さいとう よしふみ)

1958年栃木県生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。インディアナ大学英文科修士課程修了。ノッティンガム大学英文科博士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科教授などを経て現職。専門は英語文体論。著書に「英文法の論理」(NHK出版)、訳書にラドヤード・キプリング「少年キム」(筑摩書房)など。


各回内容

第1回 1月7日  序 ―― 日本と英文学の出会い
第2回 1月14日  新渡戸稲造の愛読書 ―― トマス・カーライル『サーター・レサータス』
第3回 1月21日  英文学の名作と翻訳・翻案 ―― チャールズ・ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』と若松賤子「雛嫁」
第4回 1月28日  キプリングの東と西 ―― ラドヤード・キプリング「東と西のバラッド」『少年キム』
第5回 2月4日  ラッセルと受験英語 ―― バートランド・ラッセル『幸福論』
第6回 2月11日  モームはなぜあれほど日本で読まれたのか ―― サマセット・モーム『人間の絆』、『サミング・アップ』
第7回 2月18日  カズオ・イシグロはどこまで日本人なのか ―― カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』、『浮世の画家』、『日の名残り』
第8回 2月25日  日本を愛するためにやって来た作家 ―― ラフカディオ・ハーン『知られぬ日本の面影』、『怪談』
第9回 3月4日  明治初期の日本を歩いたイギリス人女性 ―― イザベラ・バード『日本奥地紀行』
第10回 3月11日  日本で英語・英文学を教えたイギリス詩人 ―― ジェイムズ・カーカップ『イギリス人気質』
第11回 3月18日  西洋文学のなかに禅を読んだイギリス人 ―― R・H・ブライス『禅と英文学』
第12回 3月25日  結 ―― これからの日本と英語文学


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