2019年度 俳句選者紹介

宇多 喜代子(うだ きよこ)

宇多 喜代子(うだ きよこ)

昭和10年、山口県生まれ。「獅林(しりん)」を経て「草苑(そうえん)」にて桂信子に師事。現在は「草樹」会代俳句協会会員、日本文藝家協会会員。第29回現代俳句協会賞、第35回蛇笏賞、第27回詩歌文学館賞、第14回現代俳句大賞、日本芸術院賞等受賞。句集に『りらの木』『夏月集』『象』『記憶』『森へ』等。文集に『田んぼのまわりで・里山歳時記』『私の歳事ノート』『ひとたばの手紙から』他。

平成最後となった一年間「NHK俳句」を担当してあらためて感じたことは、新発見でもなければ特別のことでもなく、こんなにも多くの俳句大好きの方々、詩をつくる方々のいる国は、日本の他にないだろうということでした。高齢者が多いのですが、みなそれぞれの年齢を肯いつつ無理することなく、日々の生活や日々の感慨を句にしておられ、おなじく高齢の私には、みんな「わが仲間」の意を強くしました。
記念すべき新元号に始まるこの一年、昭和時代のアンカーとなる多くの「わが仲間」とともに「昭和のくらしと俳句」回顧の一年とし、そこから新しい時代を迎えたく思います。

長嶋 有(ながしま ゆう)

長嶋 有(ながしま ゆう)

昭和47年生まれ。作家、俳人。作家として2002年芥川賞、2007年大江賞、2015年谷崎賞を受賞。1995年「恒信風(こうしんふう)」創刊同人。同人の寺澤一雄(てらさわかずお)の他、池田澄子(いけだすみこ)らの影響を受ける。現在、俳句同人「傍点(ぼうてん)」を主催。句集に『新装版・春のお辞儀』(書肆侃侃房)。

俳句を教える人は、必ず俳句を作る人だ。
すでに学問を納めきった先生が、無学の者に教え授けるのとは違う。俳句の選者はときになにか断言をしても、その心中では留保を働かせ、常に考え続けているはずだ。
NHK俳句という番組(また、テキスト)が今回、結社で教える俳人ではない僕を選者に据えたということ自体にも、なにか「考え」がうかがえる。
俳句は一人で作るが、大勢で行う表現だともいえる。誰かの名句の誕生のために別のさまざまなトライが必要だ。だとしたら僕もここで、取り繕って無難にすませても意味がない。従来と異なる「新しい血」として、僕と投句される皆さん(や番組)の「考え」を促進させるよう頑張りたい。

井上 弘美(いのうえ ひろみ)

井上 弘美(いのうえ ひろみ)

昭和28年京都市生まれ。「汀」主宰。「泉」同人。早稲田大学教育学科修士課程卒業。武蔵野大学非常勤講師。俳人協会評議員。朝日新聞京都俳壇選者。句集に『あをぞら』(第26回俳人協会新人賞)『汀』他。著書に『NHK俳句 俳句上達9つのコツ じぶんらしい句を詠むために』『季語になった京都千年の歳事』他。

京都は美しく推移する自然とともに、千年の歴史や文化を誇る、季語の宝庫です。この講座では京都の生んだ歳事や伝統工芸、料理などをご紹介しつつ、季語の魅力を探ってゆきます。
俳句は季語の文芸、といっても過言ではありません。季語の力が働くことで、日常のありきたりな言葉も、詩の言葉としての輝きをもちます。何でもない一瞬が掛け替えのない瞬間として、胸に刻まれます。そのための装置が十七音、です。季語の力を最大限に引き出して、あなたにしか詠めない一句をご投句ください。兼題句、自由句ともにお待ちしています。季語力再発見の一年にしたいと思います。

堀本 裕樹(ほりもと ゆうき)

堀本 裕樹(ほりもと ゆうき)

俳句さく咲く!

昭和49年、和歌山県生まれ。「蒼海」主宰。「梓」同人。二松学舎大学非常勤講師。第2回北斗賞、句集『熊野曼陀羅(くまのまんだら)』にて第36回俳人協会新人賞受賞。著書に『俳句の図書室』、又吉直樹との共著『芸人と俳人』、穂村弘との共著『短歌と俳句の五十番勝負』等。


2016年度の「NHK俳句」では第2週を担当しましたが、今回は第4週の選者をさせていただきます。また、皆さんの俳句に出会えること、とても楽しみです。どんどん投句されて腕を磨いてくださいね。
「俳句さく咲く!」の年間テーマは「名句ミュージアム」です。毎回一人の俳人をピックアップして、その人が詠んだ優れた句をまるで美術館で絵画を眺めるように鑑賞していきます。もちろん俳句の基本的なことを解説しながら紹介しますので、ご一緒にじっくり鑑賞していきましょう。番組ではさまざま場所に出掛けて吟行もするのでお楽しみに!

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