平成29年度 短歌選者紹介

永田和宏

永田 和宏(ながた かずひろ)

1947年、滋賀県生まれ。京都大学物理学科卒。京都大学名誉教授、京都産業大学タンパク質動態研究所所長。「塔」選者(前主宰)。宮中歌会始詠進歌選者。歌集に『夏・二〇一〇』など、エッセイ集に『あの午後の椅子』『歌に私は泣くだらう』など、歌書に『新版 作歌のヒント』『人生の節目で読んでほしい短歌』などがある。

NHK短歌の選者を務めさせていただくのは、これで三度目ということになります。私は以前から、歌がうまくなるためには、他人の歌が読めるようにならなければ駄目だと言ってきました。この番組の視聴者は、そしてこのテキストの読者は、ほとんどが自分で歌を作り、できれば入選したいと思っておられると思いますが、自分の歌が採られたかどうかということより、番組やテキストで紹介された歌を、自分でじっくり読みこむという時間を大切にしてほしいと思います。そして選者がどのように歌を評価しているかにも注意深くあってほしい。自らの歌の上達は、そこからしか始まりません。
大松 達知

大松 達知(おおまつ たつはる)

1970年、東京都生まれ。1990年、歌誌「コスモス」入会(現在、選者・編集委員)。同人誌「COCOON(コクーン)」発行人。上智大学外国語学部卒。都内私立中学・高校に勤務。歌集に『フリカティブ』『アスタリスク』『ゆりかごのうた』(若山牧水賞)などがある。
 
短歌の特長はどこにあるのでしょうか? それはリズムに乗って言葉が躍動する心地よさにあるようです。同じくらいの長さの文と比べてみるとわかります。〈五・七・五・七・七〉の魔法のようなリズムに言葉を当てはめるとき、なにげない言葉が力を得て何倍にもふくらんでゆきます。そして、時空を超えて遠い人たちにも伝わり、やがて自分にも帰ってきます。
初心者の方もベテランの方も、新たな一首を作るときの心は同じです。自分の中に隠れている言葉を見つけ出して、その言葉が躍り出す感覚を一緒に楽しみましょう。

黒瀬 珂瀾

黒瀬 珂瀾(くろせ からん)

1977年、大阪府生まれ。「未来」選者。春日井建に師事。歌集に『黒耀宮』(ながらみ書房出版賞)『空庭』『蓮喰ひ人の日記』(前川佐美雄賞)などがある。浄土真宗本願寺派願念寺住職。
 
大きな声で発信された、無数の言葉や情報が飛び交う現代社会。騒がしい世界に生きていると、疲れ切ってしまうこともあります。そんな時こそ短歌に親しんで、私たちの言葉が本来持っている優しさや力を再発見してみるのはどうでしょう。これから皆さんと、様々な恋の歌を読んだり詠んだりすることになりました。豊饒な言葉とこころの生み出す時間をご一緒できれば、とてもうれしいです。
あと、書きにくい名前ですみません。パソコンなどで書くには「なか」と打って出てくる「那珂」の珂と、「はらん」と打って出てくる「波瀾」の瀾を組み合わせるのが一番楽かと。どうぞよろしく。

佐伯 裕子

佐伯 裕子(さえき ゆうこ)

短歌de胸キュン【「形容詞」をうたう】

1947年、東京都生まれ。「未来」選者。歌集に『未完の手紙』『みずうみ』『流れ』など、歌書に『齋藤史の歌』『家族の時間』『生のうた死のうた』などがある。日々ひたすら、紙の本を愛好している。
 
「短歌de胸キュン」を担当します。若い方々のなかに混ざって、気力を振り絞って(!)つとめていこうと思います。投稿される方々に年齢制限はありません。歳を重ねた作者の新鮮な歌に出会うと、私にも力が湧いてくるように思われます。若い投稿者の歌からは、新しい時代の空気を吹きこまれることでしょう。出演者の歌と投稿歌とが、柔らかく刺激しあっていけたらいいと願っています。毎回の題となる形容詞は、テーマとしても考えてください。さまざまな歌に出会えることを楽しみにしています。


平成29年度 番組司会者紹介

剣 幸

剣 幸(つるぎ みゆき)

富山県出身。1974年宝塚歌劇団入団。85年から5年間月組の男役トップスターとして数々の名作を残す。90年に退団後も演劇、ドラマ、ミュージカルと幅広く活躍。
菊田一夫演劇賞、読売演劇大賞女優賞ほか受賞多数。

【みなさんの最後方から短歌を学ばせていただきます】
「NHK短歌」に以前ゲスト出演をさせていただいてから、短歌に興味を持ち、舞台でも短歌を朗読するようになりました。実ははじめは、一つの言葉から想像を広げて役を作っていく演劇と、たくさんの言葉から選び出して作品を作り上げる短歌は正反対の世界ではないかと感じていたのですが、出演してみて「根本は同じかもしれない」と思ったのです。言葉で表現すること、解釈したり想像したりして表現を広げること・・・通じるところがたくさんあります。司会を担当させていただくのを機に短歌を作り始め、車窓の景色にも短歌を考えるようになりました。短歌を学べる本当にありがたい機会。番組をご覧の皆さんの、一番後ろからついていくような気持ちで参加させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

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