これまでの特選作品

NHK短歌 2019年5月19日の特選歌
選者: 大辻隆弘 題:「息」または自由​

きみのいう sushiのshiのおと たくましく shiにこめられる いきになりたい
ゆびさきに ロジンがまって ピッチャーの ふくいきおとが きこえたような
はるびより しんかんせんは にしにいく むすこにとついで くれるひとあり
かきねぞい あゆみきたりし のらねこが いきのむごとく われをみつめる
むしめづる そんなしょうじょも いたのだと せんねんをこえ ほっといきする
かえりきて けふのマスクを おりたたみすつ けふいちにちの といきとともに
もうなつが はじまるらしく ぜんしんの すべてのあなが いきをしている
むすこから もらういちおく まんえんは ぜんぶざいけい ちょちくしておく
はくいきが しろくなくなって きたころに しらうめにくる はちかしましい

NHK短歌 2019年5月12日の特選歌
選者: 佐佐木頼綱 題:「外国」または自由​

ベランダの てすりなでれば はるばると さばくのつぶが たずねきており
ネパールの やまのいしから きこえくる ああたいりくの ぶつかりしおと
ブラジルで 「いたい」いちごを しるいしに いのちゆだねて ぶんべんのとき
ひのでまえ とおくきこえる アザーンに せんやいちやの ゆめをみている
ちょうミニの サンタクロースも スコールに あまやどりして しばしやすらぐ
せきたんを もすかのただよふ かんそんを とおりすぎゆく ちゅうごくのたび
「いぬがすき」 そういうぼくに 「たべたことある?」と たずねる ベトナムのしょうじょ
ビビンパを アジュマがさっと かきまぜる わたしのははと おなじまなざし
みどりいろの ゴミしゅうしゅうしゃが まちじゅうの さびしさあつめていた パリのあさ

NHK短歌 2019年5月5日の特選歌
選者: 江戸雪 題:「電車」または自由​

たぶん「この でんしゃはどこへ いくのか」と きかれたんだろう あおもりのえき
きゅうこうに なればまよわず ぼくたちは うみへとむかう でんしゃにのった
にりさきの かしゃのきてきが きこえると 「あすはあめだ」と ちちはいってた
たんぽぽの のみちをあるこう ぼだいじへ ひとつてまえの えきにおりたり
しゃそうから にじをみつけた このこえに スマホからめを はなすぼくたち
こうえんの あめにぬれてる D51の さびしいきてき まぼろしにきく
かわのうえを でんしゃゆつくり すぎゆくを ひとりみてをり びょうとうのくれ
つぎとまる えきをひたすら おもいつつ さめししせんの ひとらにうまる
いろがみの きっぷもらって のるでんしゃ シアトルのつぎ トーキョーにとまる

NHK短歌 2019年4月21日の特選歌
選者: 大辻隆弘 題:「若」または自由​

わかきひの ははのコートの ポケットに ここちよくあり ゆびぬけるあな
まきゆけば うすみどりいろの きぬいとの おのずとわかくさいろと なるみゆ
わかものは ゆうしてっせんに かこまれて かたまりいたり どうがのもりで
かたわらの しろくにごった ねこのめに ふとかさなった じゃくちゅうのとら
あづさゆみ おとわのさかを おりくれば わかさがかさに なりしはるさめ
リフォームの けいやくをして テーブルに わかくさいろの しんちゃをだせり
ちかてつを のりつぎわかき そうがくる はるのはやての とうきょうえき
じゅうだいに ころげるように かけおりた わかくさやまの しばかおりたつ
だいすきな わかくさいろの スカートは わかいひのきみと しゃしんにのこる

※過去1か月分を掲載しています。

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