これまでの特選作品

NHK短歌 2018年7月15日の特選歌
選者: 松村由利子 題:「女」または自由​

ちちがおとこ ははがおんなで あったとき わたしはとりを つかまえていた
テナーから バスにかわって いくころに よびなが「じょしから 「あいつら」になる
いまどきの じょしのことばに 「よ」「わ」「ね」という ごびはないのだ りんといくのだ
とうさんの ほれたおんなに くちごたへ するなとこらを しかりしことも
じんだいこの おとのひびきて きばせんの しょうじょらはげしく ぼうしとりあう
きょうだいと ゆかわひできに あこがれた 「リケジョ」というごの なかったころに
おんならの いきいきうごく せんたくの みなわさみしき ゴッホ「はねばし」
せいべつの らんはおとこと おんなだけ そのあいだには さまざまあれど
ハンディとも ぶきともおもわず たんたんと ふたりめのじょせいかちょう たりしひび

NHK短歌 2018年7月8日の特選歌
選者: 真中朋久 題:「塩・鹹」または自由​

おおざっぱに しおをふりおく はくさいの つかりぐあいは おもしにまかす
なんまいも ソーラーパネル せっちして とてもまぶしい えんでんあとち
かたきものは しおあめさんこ ポケットを さらいむすこの さぎょうぎあらう
じぶんたちの くにはみんなで まもるから さんびゃくKmの しおのこうしん
ふろのなか びんいっぱいの しおいれて わたしはうくか ためしししょうに
じむきょくを まかされよねん 「かんすいようしょくくみあい」の 「かん」のじをしる
たきたての あついごはんを よあけまえ しおでにぎって たべるぬすっと
ひとさじの しおをごがつの みずにまぜ はなからすって のどからはきぬ
しおづけに なってしまった めいがらは あのそうしゅんの じけんのしるし

NHK短歌 2018年7月1日の特選歌
選者: 東直子 題:「時間」または自由​

たまごやき にじゅうさんじに あたたかく みぎてははしを またとりおとす
ときかけていた もんだいが とけかけて じかんいっぱい ひかるくうらん
こうえんで きょうのよていを もつひとの はいけいになる はいけいになる
びょうしんが とまったままの うでどけい わすれてもいい やくそくがすき
「くじからは わたしのじかん」 つまはいい へやのドアをば しずかにとじぬ
ながながと うみただよひし わかめたち ゆにはなつとき みどりにめざむ
かべがみを はがせばこらの はしゃぐこえ はじけるような らくがきいでぬ
おごそかに きりんはあゆむ わたくしが ラーメンたべている このときを
しゅうでんの じこくがすぎた こうえんで ぼくらしはつの ブランコにのる

NHK短歌 2018年6月17日の特選歌
選者: 松村由利子 題:「飛ぶ」または自由​

このカーブ ぬければきっと とりになる あおいなつの らたいにとびこめ
きょうしつの すみでほんよむ きみがいま そでをみだして とばすかるたふだ
はくもくれんの つぼみふくらみ もうまもなく しろいおうむが ひゃくわとびます
とぶツバメ あるくわたしが すれちがう がんけんしんを うけにいくみち
みずたまりを すこしむりして とぶように けいぞくこようの めんせつおえたり
きょうもまた ぼくはわゴムを とばします ななめぜんぽう あなたのうなじ
かいとうらんに くうはくおおい ようしほど しょうじきな かみひこうきになる
やりなおす つもりであった わたしたち かおりのとんだ ワインみたいだ
おさがりの『とぶきょうしつ』を よんだなつ ちちにもおなじ じだいがありき

※過去1か月分を掲載しています。

Page Top