これまでの特選作品

NHK短歌 2019年10月20日の特選歌
選者: 大辻隆弘 題:「触」または自由​

ひぐらしの こえがとぎれる ゆうまぐれ さわってごらん わたしのしたに
ちょうやくのナナ にじゅうしの にくきゅうの せっしょくてんに むおんでたちぬ
わたしにも なまえがほしい。 もちみたいな かんしょくをタピオカと よぶように
もてあます ほどのしょっかく ふりながら ぎいぎいないて かみきりがゆく
てをあわせ しゃがむわたしに ふれるかぜ あなたのすべて おもいだすきょう
とけいやの あるじの ぶこつなるゆびは ふれたとけいの ぜんせまでしる
ちにつもる さるすべりのはな はきよせて すくえばこねこの ようなぬくもり
ナプキンに うつすらつもる ほこりさえ げっしょくそうの くもつとなりき
ちちとこの しごとぎふれるる かわきおり いなだのむこう いちりょうでんしゃ

NHK短歌 2019年10月13日の特選歌
選者: 佐佐木頼綱 題:「読む」または自由​

このほしの ちそうのぺーじを よみとけば しおりとしての きょうりゅうのほね
さいはいたつ じどううけつけが よみあげる すうじをおつげの ようにきくよる
にじゅうおく こうねんのしを よみしあと ねぎうかぶ みそしるもしょううちゅう
かんがえが よまれたような ゆうしょくは ははのおいしい トマトリゾット
キャッチャーの ゆびをよむ、いな、まっすぐに うちまかされたい なつがあること
 かあさんが うまれたまちの うみぞいの かぜにふかれて みるじこくひょう
ながすぎる つばさあおられ アオサギは かぜをよめずに なおもはばたく
しちじゅうを すぎてもみっつ さばをよむ ははのはたけに たわわなトマト

NHK短歌 2019年10月6日の特選歌
選者: 江戸雪 題:「しばしば」または自由​

ばんねんの にっきにしばしば あらわれる イニシャルのひと、ははをありがとう
まどちかく よづるゴーヤーに かぜのきて ちさききばなを しばしばこぼす
かみあわぬ かいわのおうなら 「いきすぎた」と しばしばいって わらひころげる
てんないで しばしばながれる おんがくを いつしかすきに なるきっさてん
うつむいて かれのいいわけ ききながら しばしばなでる コップのすいてき
ちさきころ ははがしばしば うたってた きょくをうたって きるくじょうねぎ
にちようの つぎにかぎって げつようで しばしばあさに すっぽかされる
なきあねの しばしばいいき ゆきのよの いえじのかなたに きつねびみしと
あさろくじ まどをあければ きょうもあう となりのねこの ヒゲはきんいろ

NHK短歌 2019年9月15日の特選歌
選者: 大辻隆弘 題:「紙」または自由​

せをむけて きみはすわりぬ いちまいの りょうしつなかみを おくしずけさで
ひろげたる ばかりのようし なつのよの はむしもじなき あかるさへおつ
おんなから おんなのくせにと いわれたり かみにきりたる ゆびさきあつし
はりがみは はさんをわびる ちさきもじ なじみのほんやが またひとつきゆ
さみしいと いえばよかった かすてらの かみをはがせば しずかなまひる
びーずとか かみせっけんの うすさとか わたりろうかを ぬけるかぜとか
きのうすれちがった ひとのなを しりたい そういうしてきな むぼうはすきよ
どうふうの ちゅうごくちゃには げんきゅうの ないままともの てがみはおわる
つゆのあけ ゆびにかぞえる しへいより あれたるかぜの あおきをすいぬ

※過去1か月分を掲載しています。

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