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2017年10月の放送予定

日本の橋を読み解く
講師:五十畑 弘(日本大学生産工学部教授)

橋は私たちの日々の生活で、もっとも身近なインフラ施設である。一方橋は、時間の流れの中で、多くの物語を生んで来た。橋にまつわる物語から、橋を改めて見直すことで、日本の文化と歴史が見えてくる。五十畑弘さんは、日大生産工学部で土木工学を学び、日本鋼管などで、橋梁建設に従事した。現場感覚を持った技術者であり、同時にこの分野の代表的な学者、研究者でもある。2016年12月には『日本の橋~その物語・意匠・技術~』という著書を出版した。そこでは日本の橋の姿を、古代から現代まで歴史的に辿ると共に、日本古来の在来種の橋と、西洋の技術で架けられた外来種にわけ、「反り橋」や「石造アーチ」といった名称を科学的に説明。また『橋をめぐる伝説や物語』から、その橋の姿を想像する、といった<文化的アプローチ>も試みている。例えば、漱石作「三四郎」で主人公が乗った東海道線が、名古屋直前で渡る鉄橋は、どの橋か。などと細部にこだわっている。番組では、日本の『橋』を知り尽くした五十畑さんに橋についての歴史や特徴を解説してもらう。

放送は4回シリーズ。
聞き手:NHK放送研修センター日本語センター 秋山和平アナウンサー

<内容>
第1回  五十畑さんの『橋』への、かかわり。その経緯。現在の研究テーマと課題。
第2回  日本の『橋』の姿の、歴史的流れ(古代から現代へ)
          日本の古橋 江戸の橋
第3回『橋』造り(比較)
           ☆西欧人が見た日本の橋(在来種)
           ☆サムライが見た西欧の橋(外来種)             
第4回『橋』をめぐる伝説と物語
           ☆夏目漱石の小説と橋
           ☆伝説と迷信の橋


出演者プロフィール

五十畑 弘(いそはた・ひろし)

1947年東京生まれ。 現在、日本大学にて土木史、土木遺産の保全を研究。

<主な著書>『図解入門よくわかる最新・橋の基本と仕組み』(秀和システム)、『歴史的土木構造物の保全』(鹿島出版会)、『100年橋梁』(土木学会)、『橋の大解剖』(岩崎書店)など多数。


2017年9月の放送予定

敬語表現を点検する
講師:井上 史雄(東京外国語大学名誉教授)

東京外国語大学名誉教授で、これまでにNHK放送用語委員や国立国語研究所客員教授を歴任してきた井上史雄さんの最新の著書、『新・敬語論』が、2016年に出版された。この本は敬語に関するいわゆるマニュアル本とは違い、近年の敬語をとりまく状況を社会言語学的に分析したものである。そこでは、「この場面ではこう使う」というようなパターンとしての用法だけでなく、より柔軟な個々の状況に合わせた敬語的表現の工夫が指摘されている。今回は、井上さんの敬語に対するアプローチと蓄積されたデータを中心に、現代の敬語表現状況についてお話いただく。

放送は5回シリーズ。
聞き手:NHK放送研修センター日本語センター 秋山和平アナウンサー

<内容>
*一般に乱れていると言われる敬語表現の検討
  (1)尊敬語の用法 (2)謙譲語の用法 (3)丁寧語の用法
*敬語表現の使いこなしの変化
  (年齢差による違い、愛知県岡崎市におけるフィールド調査の結果から)
*時代に即した敬語表現の仕分け
*社会言語学的視点からみた敬語の未来


出演者プロフィール

井上 史雄(いのうえ・ふみお)

1942年生まれ。1965年東京大学文学部卒業後、1971年同大学院言語学博士課程満期退学。東京外国語大学教授の後、明海大学教授。NHK放送用語委員、国立国語研究所客員教授を歴任。

<主な著書>『方言学の新地平』(明治書院1994)、『日本語ウォッチング』(岩波新書1998)、『敬語はこわくない 最新用例と基礎知識』(講談社現代新書1999)、『日本語は生き残れるか 経済言語学の視点から』(PHP新書2001)、『その敬語では恥をかく!』(PHP研究所2007)、『新・敬語論 なぜ「乱れる」のか』(NHK出版新書2016) など


2017年7月の放送予定

日本美術をキーワードで読み解く
講師:日高 薫 (国立歴史民俗博物館教授)

日本人の多くが伝統的な日本美術になじめない大きな原因は、「屏風」や「掛軸」など日本美術をめぐる言葉にあるのではないか。漢字を羅列した作品の名前や、奇妙な耳慣れない専門用語が氾濫していて、なかなか身近に感じられない--―。日高 薫(かおり)さんは、東京大学大学院で、美術史学を専攻、日本の意匠や文様など日本美術の伝統的な要素を幅広いジャンルにわたって研究している。日高さんは日本美術をより深く理解するためには、いろいろと決め手となる要素があり、そのキーワードを読み解くことで、より身近なものとして接することができる、と考えた。そして、2016年には「日本美術のことば案内」を発行、「州浜(すはま)」「野毛・砂子」「見立て」など日本美術のモティーフ、技法、表現に関わるキーワードを取り上げ、わかりやすく解説している。番組では、スタジオで日高さんにわかりやすく解説してもらうことで、日本美術への理解を深めたい。

放送は5回シリーズ。
聞き手:NHK放送研修センター日本語センター 秋山和平アナウンサー

<内容>
第1回  日高さんの日本美術との出会いと、モティーフに関するキーワードを解説。
第2回  日本美術の技法に関するキーワードを解説。
第3回  日本美術の技法と表現に関するキーワードを解説。
第4回  日本美術の表現と鑑賞面からみたキーワードを解説。
第5回  日本美術の鑑賞面からみたキーワードと、難しい擁護を解説。


出演者プロフィール

日高 薫(ひだか・かおり)

日高 薫(ひだか・かおり)

鹿児島県生まれ。1990年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。『美術史学』を専攻。東京大学助手を経て、現在、国立歴史民俗博物館教授。

<主な編集書>『日本美術のことば案内』(小学館 2016年)、『日本の美術 海を渡った日本漆器』(至文堂出版 2001年)など多数。


2017年6月の放送予定

猫をめぐることばを探して
講師:小暮 正子 (辞書編集者)

小暮正子さんは四十年以上、三省堂で辞書・専門書の編集に従事してきたベテラン編集者である。彼女が編集した辞書は、「てにをは辞典」、「てにをは連想表現辞典」、「五七五辞典」、「雅語・歌語五七五辞典」、「川柳五七五辞典」、「俳句・短歌 ことばの花辞典」、「敬語のお辞典」、「連句・俳句季語辞典 十七季」など、いわゆる普通の国語辞典とは違ったスタンスの辞典を数多く世に送り出してきた。その小暮さんが、十年来続けてきた語句採集の作業の中から、猫に関する表現の数々に注目し、まとめてみようと試みたのが「俳句・短歌・川柳と共に味わう 猫の国語辞典」。番組では、ほぼ独力でまとめあげられたこの辞典に着目し、猫に関することばの辞典化に心血を注いだ小暮さんの心情、苦心、面白さなどについて、ことばへの執念とともに語っていただく。

放送は4回シリーズ。
聞き手:NHK放送研修センター日本語センター 秋山和平アナウンサー

<内容>
*小暮さんの編集者としての歴史(これまでの仕事内容など)
*猫に関する言葉を集めて辞書にしようと思ったきっかけ
*猫に関する言葉を採取するにあたって苦労したこと、採取の基準など
*古今の各作家(俳人・歌人など)の作品に見える猫への思いなど
*『猫の国語辞典』から五十音順にいくつか例を出して、猫に関する言葉を味わってみる


出演者プロフィール

小暮 正子(こぐれ・まさこ)

小暮 正子(こぐれ・まさこ)

1951年千葉県生まれ。1974年三省堂入社。以来、主に辞書・専門書の編集に携わる。

<主な編集書>『五七五辞典』(三省堂 2010)、『雅語・歌語五七五辞典』(三省堂 2012)、『俳句・短歌 ことばの花辞典』(三省堂 2015)、『てにをは辞典』(三省堂 2010)、『てにをは連想表現辞典』(三省堂 2015)、『俳句・短歌・川柳と共に味わう 猫の国語辞典』(三省堂 2016) など


2017年5月の放送予定

オランダ通詞の語学と仕事
講師:片桐 一男 (青山学院大学名誉教授)

片桐一男さんは、昨年、『江戸時代の通訳官』という著書を著わした歴史学者である。今年82歳の片桐さんが48年の歳月をかけ、調査・執筆・出版した本である。片桐さんは、日蘭関係研究の第一人者で、江戸時代のオランダ通詞が、どのようにして日蘭間の言語交流を続けてきたかということを、長い間、研究してきた。言葉の研修と、通詞としての業務は、複雑多岐にわたり、個人としての、通詞(通訳)たちの苦労は想像を絶する。その様子について、片桐さんに具体的に話してもらう。

放送は4回シリーズ。
聞き手:NHK放送研修センター日本語センター 秋山和平アナウンサー

<内容>
第1回 片桐さんの日蘭文化交渉史の研究経緯とその内容について
第2回 通詞の専門分野としてのオランダ語習得事情、先例抜きの語学研修について
         それまでのポルトガル語中心から一転、未知の言語との出会いや通詞養成試験など
第3回 通詞の実務内容(ことばを使う現場~話す、書く、調べる)
         長崎の通詞の仕事と語学、江戸詰めの通詞の仕事と語学について
第4回 天才通詞たちの活躍、個別多才な通詞たちの評判など


出演者プロフィール

片桐 一男(かたぎり・かずお)

片桐 一男(かたぎり・かずお)

1934年、新潟県生まれ。法政大学大学院人文科学研究科日本史学専攻博士課程単位取得。現在、青山学院大学名誉教授。公益財団法人東洋文庫研究員。文学博士。

<主な著書>『江戸時代の通訳官』(吉川弘文館 2016年)、 『知の開拓者・杉田玄白』(勉誠出版 2015年)、『伝播する蘭学~江戸、長崎から東北へ』(勉誠出版 2015年)など多数。


2017年4月の放送予定

古記録にみる日本の災害対策
講師:北原 糸子(立命館大学歴史都市防災研究所客員研究員)

日本列島は古来からさまざまな災害に見舞われてきた。その記録は、さまざまな文書などに残されている。歴史学者の北原糸子さんは、日本の災害史を専門に研究している。これまでに『地震の社会史』、『日本災害史』などを著し、地震、津波、火山の噴火、都市火災などの災害とその復興の有り様を様々な古記録をもとに調査、研究してきた。2016年9月には、その集大成として『日本震災史』(ちくま新書)を発表、時代を追って、災害に立ち向かうその当時の社会と人々を描き問題提起をしている。今回は、災害に関する様々な言葉を手がかりとして、その言葉が生まれた背景と意味について考えてみたい。

放送は4回シリーズ。
聞き手:NHK放送研修センター日本語センター 秋山和平アナウンサー

<内容>
*北原さんの研究歴(災害史研究に至った経緯、きっかけなど)
*『日本震災史』より各時代の災害史についてキーワードを具体的に解説
     (キーワードとしては、「雪代」「永流」「うなえかえし」など)
   ・古代〜平安にかけて・・・貞観地震津波、富士山噴火の際の様子
   ・中世室町時代・・・明応地震
   ・近世・・・元禄地震、宝永地震と富士山噴火、天明浅間山噴火、安政津波と地震

出演者プロフィール

北原 糸子(きたはら・いとこ)

北原 糸子(きたはら・いとこ)

1939年山梨県生まれ。東京教育大学大学院日本史専攻修士課程修了。神奈川大学歴史民俗資料学研究科特任教授を経て、現在、立命館大学歴史都市防災研究所客員研究員(元国立歴史民俗博物館客員教授)。専門は日本災害史。

<主な著書>『地震の社会史』(講談社学術文庫 2000)、『日本災害史』(吉川弘文館 2006)、『関東大震災の社会史』(朝日選書 2011)、 『日本震災史: 復旧から復興への歩み』(ちくま新書 2016) など

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