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2018年7月の放送予定

名付けからたどる雲の種類

講師:荒木 健太郎 (気象庁気象研究所研究官)

雲は、空を見上げればほとんど毎日見ることのできる自然現象です。その種類は実に様々です。気象庁気象研究所の研究官である荒木健太郎さんは、気象庁気象大学校卒業後、地方気象台などで予報・観測業務に従事しました。現在は、「雲研究者」となのり雲の研究を行っています。
雲に関する本は、これまでにも多種多様に出版されていますが、2017年12月に出版された荒木さんの著書『雲を愛する技術』では、言葉の表現に工夫をこらして分かりやすく雲の種類と特徴を解説しています。今回は、「雲の名付け」という観点から、様々な雲についてその名前とその雲の持つ性格についてお話いただきます。身近な存在でありながら、あまり知られていない雲の実態について、紹介していきます。

<主な内容>
(1)荒木さんが気象研究、雲研究へと進んだきっかけ
(2)雲の出来る条件とは
(3)雲の種類(十種雲型)とその見分け方~十種類の基本雲型と名付け、その変種の雲について
(4)雲を美しく引き立てる気象現象の仕組み
(5)災害をもたらす雲について
                                                                  など


出演者プロフィール

荒木 健太郎(あらき・けんたろう)

1984年生まれ。慶應義塾大学経済学部を経て気象庁気象大学校卒業。地方気象台で予報・観測業務に従事し、現職に至る。専門は雲科学、雲の仕組み、雲の物理学の研究に取り組んでいる。

<主な著書・発表など>『雲の中では何が起こっているのか』(ベレ出版2014)、 『雲を愛する技術』(光文社新書 2017)、 『世界でいちばん素敵な雲の教室』(三才ブックス 2018)など。


2018年6月の放送予定

鉄道とともに歩んだ歌謡史のことば

講師:松村 洋(音楽評論家)

旅、駅、都市と故郷、戦争そして戦後の歌謡曲にでてくる鉄道にまつわることば・・・
鉄道を歌った流行歌や愛唱歌は、近代日本人の歩みと重なります。そこから、鉄道が庶民の意識や暮らしを、どう近代化していったのか、見ることができます。
音楽評論家の松村洋さんは、ポップ・ミュージックの研究が専門です。小さいころは鉄道マニアで、機関車の撮影や各地の乗り物への関心が高かったといいます。その松村さんが2015年、300頁にもおよぶ鉄道歌謡史(上下2巻)を完成、出版し話題を呼んでいます。
内容は、明治の文明開花以来、鉄道とともに生まれた有名無名の、各種の歌謡を集めたもので、日頃、我々が目にすることのない膨大な量の歌詞が掲載されています。
明治150年にあたる今年、松村さんが収集した『歌謡の言葉』を紹介しながら、鉄道とともに歩んできた日本人の暮らしを「鉄道歌謡史」から振り返ります。

放送は5回シリーズ。
聞き手:NHK放送研修センター日本語センター 秋山和平アナウンサー

<主な内容>
(1)   松村さんの、鉄道への思い。 鉄道歌謡収集の動機。
(2)   鉄道出現当時の、庶民の受け止めと歌謡。
(3)   明治時代なかば、鉄道敷設の盛んな時代の歌謡。
(4)   市街鉄道、電車の出現と歌謡。
(5)   戦時、戦後の時代と鉄道歌謡。


出演者プロフィール

松村 洋(まつむら・ひろし)

1952年、大阪府生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。東大で初のロック音楽を扱った卒論を書く。NHK入局、テレビディレクターとして活躍のあと、音楽評論家として独立。特に沖縄、タイを中心とした東南アジアの音楽文化に造詣が深い。

<主な著書>『8ビート・シティ音楽の視界へ』(新曜社1988年)、『ワールド・ミュージック宣言』(草思社1990年)、『唄に聴く沖縄』(白水社2002年)、『日本鉄道歌謡史』(上下2巻)(みすず書房2015年)ほか多数。
<トークイベント>相倉久人×松村 洋『聴き語り昭和歌謡史』(全10回)は、大きな反響を呼ぶ。


2018年5月の放送予定

日本語の数詞をさかのぼる

講師:安田  尚道(日本語学者、青山学院大学名誉教授)

一つ、二つ、三つ・・・など日本の数の数え方は、いつごろから始まったのでしょうか。日本語学者の安田尚道さんは、長年、日本語における数の数え方、数詞の研究を続けてきました。日本語本来の数詞(和語数詞)については、明治時代末より、日本語系統論の方面から注目されてきましたが、他の言語との比較研究が多く、和語数詞が実際に古くはどのような形だったのか、という基本的な研究は多くはありませんでした。安田さんは、2015年に刊行された著書『日本語数詞の歴史的研究』の中で、和語数詞の歴史についての研究成果をまとめました。今回は、日本語本来の数の数え方、数の仮名遣いなどを始めとして、日本における数の数え方、和語数詞をめぐる様々な側面(個数詞、日数詞、人数詞など)から、その特徴をお話いただきます。

放送は4回シリーズ。
聞き手:NHK放送研修センター日本語センター 秋山和平アナウンサー

<主な内容>
(1)   古代日本語研究と数詞研究の関係
(2)   日本語数詞の様々な系列について概観(和語数詞系列、漢語系列、外来語系列など)
(3)   個数詞・日数詞・人数詞の数え方の歴史的流れと語源探求
(4)   倍数を表す個数詞
(5)   端数を表す表現について   など


出演者プロフィール

安田 尚道(やすだ・なおみち)

安田 尚道(やすだ・なおみち)

1943年生まれ。東京大学文学部国語国文学専修課程卒業。青山学院大学文学部日本文学科専任講師・助教授・教授をへて、青山学院大学名誉教授。

<主な著書・発表など>『日本語数詞の歴史的研究』(武蔵野書院2015)、「石塚龍麿と橋本進吉―上代特殊仮名遣の研究史を再検討する―」(国語学会 2002)、「上代日本の金石文等に見える「〇月中」の「中」の源流について」(訓点語学会1981)、「朝鮮語と日本語の母音調和と両国語の母音の対応について」(国語学会 1971)


2018年4月の放送予定

呼び名でたどる日本髪の歴史

講師:田中 圭子(東京都教育庁文化財調査担当学芸員、明治学院大学講師)

現在「日本髪」と称されている髪型は江戸期に発達したもので、明確な特徴は「髷の形」にあります。髷(まげ)の形の組み合わせかたで、多種多様に変化して現在に至りました。美術史家、田中圭子さんは、近代日本美術史が専門でロンドン大学大学院修了です。特に日本美術における女性表象の分野の研究を続けています。今回、田中さんは「日本髪大全」という大部の本を出版しました。古代から現代までの日本髪の髪型と結い方の歴史が網羅されています。古代からの長い歴史の中で生み出されてきた髪型は、それぞれの時代と社会を反映して変化を遂げてきました。中でも髪型の呼称、結い方の表現などに、日本語として興味深い用語(呼び名)が用いられています。「たぶさ」、「もとどり」、「まげ」、「わげ」、「たぼ」、「つと」などがあります。番組では、日本髪の歴史を用語、呼び名の内容を手がかりに、日本人の髪型に込めた言葉の表現をたどります。

放送は4回シリーズ。
聞き手:NHK放送研修センター日本語センター 秋山和平アナウンサー

<内容>
1回   田中圭子さんの研究経緯、古代日本人の結髪~角髪時代~
2回   平安室町時代~垂髪時代~、武家の髪型~巻髪時代~
3回   江戸時代~結髪の開花(元禄島田、丸髷など)
4回   明治以降の髪型文化と言葉の表現


出演者プロフィール

田中 圭子(たなか・けいこ)

田中 圭子(たなか・けいこ)

1977年生まれ。ロンドン大学大学院修了。クラーク日本美術文化研究センター勤務。

<主な著書>『日本髪大全』(2016年、誠文堂新光社)、『Japanese Beauties: Glamorous,Decadent,Sensuous, and Bizarre』The Clark Center for Japanese Art and Culture,Hanford, CA.2009年)など多数。


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