第6回はカントが提示した「戦争が起こりにくくなるような国内の政治体制とはどのようなものか」について津田塾大学の萱野稔人さんが解説します。カントは、国内での戦争(内戦)を克服した近代国家が対外的な戦争を起こさないようにするには、1国内的な政治体制の水準2国際法の水準3世界市民法の水準という3つの水準で考えています。今回はカントの3つの考え方のうちの一つ、国内的な政治体制のあり方についてお話します。
第5回は「国家と戦争」というテーマで、カントが戦争を考えるうえで国家をどのように位置づけていたかを津田塾大学教授・萱野稔人さんが解説します。カントは「平和が実現される一つの段階に近代国家の成立が不可欠」と論じ、「戦争するのは国家だから、国家をなくせば戦争をなくせるのではないか」とは決して考えません。人間にとって戦争は異常なものではないという認識をさらに掘り下げ、戦争と平和について考察します。
この番組は、単に歴史を紹介するのではなく洋の東西を問わず、これまで埋もれていて最近明らかになった史実など新鮮で話題性のあるテーマを取り上げ歴史ファンの知的好奇心にこたえていきます。
毎週火曜 午後8時30分
毎週火曜 午前10時