プッチーニの代表作の一つ「トスカ」は今でも人気のある作品ですが、1900年の「トスカ」初演の際は、オペラの正統から大きく外れるなどと評論家から酷評されたといいます。オペラが大衆文化・芸術の中心から離れていく時代状況のなか、ドラマを動かす歌を作る名人プッチーニが「トスカ」に込めた先駆的な役割とは何なのか。70年前に収録されたマリア・カラスの歌声とともに音楽評論家の堀内修さんが詳しく解説します。
プッチーニは1858年、イタリア・トスカーナの音楽家の家系に生まれます。ヴェルディの「アイーダ」を聞きたいと遠いピサまで歩いた逸話もあります。その後音楽出版社のリコルディに見いだされ、オペラの伝統的な原理=歌でドラマを動かす音楽家として「マノン・レスコー」で成功をおさめます。今回は「おお、私は一番きれいでしょう」などの曲とともに若き日のプッチーニからヴェルディの後継者へと続く道のりをひも解きます。
この番組では、音楽、演劇、美術、映画、古典芸能に至るまで幅広い芸術分野を取り上げます。講師にはその分野の第一人者を迎え1テーマを3か月にわたりじっくり掘り下げて聴くことができます。
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