「源氏物語」は『あはれ』の文学であるといわれています。「源氏物語」にある、のべ40万語あまりの語彙(ごい)のうち、『あはれ』は944回も登場し、関連語を含めると1000回をこえて使用されています。英国の東洋学者アーサー・ウェイリーが「源氏物語」を英語全訳する際、この『あはれ』という言葉をどう翻訳したのか、俳人で評論家の毬矢まりえさんが解説します。そこにはさまざまな工夫が施されていたといいます。
第2回は「シャイニング・プリンス(光る君)の物語」と題して、イギリス人東洋学者アーサー・ウェイリーの英訳本がいかにしてヨーロッパ中で読まれるようになり、ベストセラーになったのかを解説します。俳人で評論家の毬矢まりえさんは、光源氏を「シャイニング・プリンス」と表現したウェイリーの英文に接し、それまでになかった実在感を感じたといいます。それは、毬矢さんの中で新しい「光る君」が動きだした瞬間でした。
この番組では、時事的なニュース及び科学・医療分野などで話題になっているタイムリーなテーマを随時選び、1回の放送につき60分にわたりその道の第一人者にじっくりとお話を伺っていきます。
毎週日曜 午後8時
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