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~7月号~「逆視点でつなげ!」

ITを使って人と人を“つなぐ”ビジネスが注目されるなか、逆視点で業績を上げるベンチャー企業2社を紹介。常識とは異なるアプローチでビジネスを成長させるヒントは?

1社目は新卒採用サイトを運営するベンチャー企業。学生をスカウトする逆求人型の仕組みを作り、就活生4人に1人が活用するまでに。蓄積したデータを活用し、入社後の活躍を採用前に予測するサービスで事業拡大へ!そして、2社目はオーガニックの野菜の定期宅配を行うベンチャー企業。新規就農者の弱みとされる“少量多品種”を強みに変え、珍しい野菜を売りに、利用者を獲得。売り手と買い手をつなぐプラットフォーム事業でさらなる市場拡大へ。

壺ナビゲーター:月亭八光(落語家)

【放送】2019年7月28日(日) 総合テレビ 午前 7時45分〜 8時25分


メインコーナー

株式会社i-plug(アイプラグ) 社長 中野智哉さん

大阪に本社を置く2012年創業のベンチャー企業。企業が学生にオファーを送る逆求人型の新卒採用サイトを開発。学生がサイトにプロフィールを掲載すると、5000社以上の登録企業が閲覧し、“会いたい学生”に採用案内のオファーが届けられるという「学生主導」の採用活動を可能にしました。さらに、オファーの数に上限を設けることで、企業側にも学生側にも“本気”の選択を促し、採用活動の効率化を実現。従来の採用形式では巡り合えなかった企業と学生のマッチングを強みに、売り上げを伸ばしています。

わが社の働く知恵

ウェブ上の業務管理ツールを利用して、社員同士が仕事に関する悩みを質問し、お互いにアドバイスし合うことで情報共有のスピード化を図っています。また、過去にやりとりされたQ&Aをいつでも見られるようにすることで、ノウハウの蓄積と活用を可能にしています。

イノベーションの芽

これまでに蓄積された企業と学生のマッチングデータを活用し、採用時だけでなく、入社後の活躍までを予測する「活躍人材検索」システムを標準サービスに加えました。その仕組みは、活躍している社員の特性を各企業ごとに適性検査で割り出し、同じ特性を持つ就活生を企業が優先的に検索できるというものです。さらに、こうしたデータを活用し、就職を意識したキャリア学習を大学1年生から行う新規事業を各大学と組んで展開させようとしています。


株式会社 坂ノ途中 社長 小野邦彦さん

京都に本社を置く2009年創業のベンチャー企業。主力事業は個人向けの野菜の定期宅配。化学肥料や農薬を使わずに栽培した野菜を扱い、市場にあまり出回らない珍しい品種が多いことが特徴です。契約農家の9割が新たに農業を始めた新規就農者。その弱みとされてきた「少量多品種」という生産スタイルを、全国の農家をネットワーク化することで、強みに逆転。品質が高く飽きさせないバラエティ豊かな商品展開で、創業以来、売り上げと顧客を伸ばしています。

わが社の働く知恵

自社の野菜を使ったまかないランチを社員に毎日提供しています。農業以外から転職してきたスタッフが多いため、このランチを通じて野菜に関する知識や生産現場の情報を社員同士で交換。各部署の業務の理解を深めたり、集客のための情報発信に役立てたりしています。

イノベーションの芽

オーガニックの野菜の市場拡大を狙い、飲食店や小売店などのバイヤーと野菜の生産者をつなぐプラットフォームサイトを開設。現在、参加する農家は約440軒、1000品目以上の野菜が登録され、栽培法や収穫時期などの情報を見ながら注文できる仕組みです。受発注と決済が一括で行えることで、作り手と買い手の双方の手間を軽減。さらに、蓄積される取引データから全国のオーガニックの野菜の需要と供給を把握し、栽培計画の全体最適化や、大規模流通にも着手していく構想です。


今回のエンディングは、関西のベンチャー企業経営者の集い「秀吉会」。

関西から天下一の企業を目指し、事業計画やビジョンをお互いに鍛え上げています。歯に衣着せぬ厳しい意見が飛び交い、自身の事業を見つめ直す機会になるといいます。


コメンテーターの真山仁さんに、「真山の目」に込めた思いと、収録を終えた感想を語ってもらいました。

真山の目

何をつなぐのか?どう関わるか?

“つなぐ”、“つながる”は、東日本大震災以降重要なキーワードになってきていますが、「なぜつなぐのか」という問いが無く、つなぐこと自体が目的化しています。
 
今回取材した2つの会社は、つなぐこと自体を目的に事業を始めたわけではなくて、顧客を幸せにしたり、より良くしたりするにはどうしたら良いのかということを考えた結果として、つなぐことやプラットフォーム化にたどり着いています。
 
つなぐビジネスについて語る時に、目の付け所や、つなぐシステム、プラットフォームの効果などが目につきやすいのですが、つなぐ側とつながれる側の双方にニーズがあるからこそ、必然的にプラットフォームやネットワークが出来るという視点を持つ必要があります。
 
流行りに飛びついてしまうことはビジネスの世界でも起こりがちですが、自分たちにとって何が必要か、目的は何か、何を実現しようとしているのかをしっかりと見据えて、認識した上で実行することが大事だということを是非知ってほしいと思いました。

真山の目
知財を守る意味を知れ!!

もっと真山の目

今回の収録では、二人の出演者に何を聞いてもすぐに答えが返ってくるので、だんだん私もいじわるな質問をしてしまったかもしれません。
 
例えば、こちらが「これはデメリットですよね。」と指摘しても、そのことはきちんと受け入れた上で、「でもこういうところがあるから大丈夫だと思います。」と返してくださる。そのやりとりを通じて、お二人が自らの会社の仕事に自信と信念を持っている熱い方であることが伝わってきました。
 
田中さんの会社のビジネスは、システムでつなぐことが難しい”人材“を扱う業界です。
難しさを理解した上で、どうしたら標準化できるかを考え続けてこられた。
 
今後、社員が増えたりニーズが変化したり、環境の変化を機に、たぶん考え方を変えなければいけなくなるかもしれませんが、それをどう乗り越えていかれるのかがとても楽しみです。
 
小野さんは、とてもリーダーシップの強い方ですが、あまりそれを表に出さないので、結果として、社員はやらされていると感じることなく、自然に行動しているように見えます。そういう意味でベンチャー企業の社長としてはユニークな方だと思いました。
 
重要なのはいろんな人が自ら動きたいと思える環境を作れるかどうかということ。押すことよりも引くことの重要性を分かっていることが、強い吸引力を彼が持てていることの証しです。
 
小野さんの会社が、今はまだマイナーな有機農業の領域でやってきたことを農業全体に広げた時に、どう変わっていくのかにとても注目しています。

もっと真山の目
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