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~12月号~「ベンチャー企業 生き残りの秘策」

番組ではこれまで多くのベンチャー企業を取り上げ、新時代に挑む経営者たちの理念とその姿に迫ってきました。しかし、製造業を対象にしたある調査では、起業しても5年後に残っている会社は約4割という結果もあり、資金繰りやライバル企業との競合など、存続には多くの困難が伴っていることがわかります。今回は、これまで取材してきたベンチャー企業のうち、成長を続ける3社の社長が出演。生き残りをかけてどんな一手を打ってきたのか、事業拡大のための秘策を聞きました。

壺ナビゲーター:増田英彦(漫才師)

【放送】2019年12月22日(日) 総合テレビ 午前 7時45分〜 8時25分

メインコーナー

株式会社マイファーム 社長 西辻一真さん

西辻一真さんは農家から使われなくなった畑を借り、利用したい人たちに紹介するとともに、野菜の作り方を教えるなどし、事業を拡大してきました。大学卒業後に始めた会社ですが、放送当時の2011年には全国41か所の農園と契約、1800組の人が利用していました。そして去年、農園は95か所までに広がり、売り上げは放送当時の約7倍の10億5300万円になりました。売り上げの多くを占めるのは、流通販売です。西辻さんは8年前に農業スクールを立ち上げていて、ここを卒業し、農業を始めた人から野菜を買い取り、流通販売を行っています。「自産自消」を理念に掲げ、農業界へ新しい風を吹かせたいと取り組んでいます。


NSW株式会社 社長 西出喜代彦さん

ワイヤーロープを製造していた父の会社が経営不振になり、後を継ぐために大阪に戻ってきた西出喜代彦さんでしたが、製造したのはピクルス。地元・泉州の名産、水ナスと様々な野菜で作ったものですが、これがヒット商品に。11月には地元の玉ねぎをメインにしたドレッシングを発売しました。売り上げは、2016年の放送当時から着実に伸ばし、約2倍の1億1500万円になりました。このまま野菜にこだわるのかと思いきや、今、発売しているのは「裏も表もない肌着」。裏返しになったままの子供の肌着が洗濯するときに手間になると話した妻の一言からひらめいたのです。目の不自由な人や介護の現場で需要があるのではないかと、自治体の助成金を活用して製品化しました。地元が繊維産業の盛んなところだったことも大きな力になったと言います。


akippa株式会社 社長 金谷元気さん

資金5万円を元手に一人で起業した金谷元気さん。今、大阪・なんばの高層ビルにオフィスを構えます。空いている駐車場の契約者と利用したい人を結びつける駐車場の予約サービスで、2015年の放送当時に3000だった駐車場拠点数は、10倍以上の3万1000。売り上げも大きく伸ばしてきました。ですが、順風満帆とはいかず、複数の大手企業が参入しピンチの時期もありました。その時に金谷さんが打った手は「ローラー作戦」。特命チームを作り、大阪環状線の内側に空いている駐車スペースがないかを徹底的に調査。ホテルの駐車場からレンタカーの営業所、果ては民家の駐車場まで、空いているとみればすぐに交渉し、どこよりも先に契約を結んでいったのです。その結果、大手企業は撤退。スピード感と小回りが利くことがベンチャー企業の良さだと金谷さんは言います。


イノベーションの芽

ベンチャー企業のさらなる一歩を読み解く「イノベーションの芽」。
3人の社長にイノベーションにつながる話を聞きました。

西辻 一真さん

西辻 一真さん
今の卸売市場では、農作物は卸売業者などの買い手が値段を決めるため、生産者は希望する値段では売れません。西辻さんはその仕組みを変えるため、生産者と買い手が直接取引できるアプリを開発しました。買い手の力で値段が決まるのではなく、生産者がしっかり価格を提示できるようにすることが大切だと言います。

西出 喜代彦さん

西出 喜代彦さん
西出さんは現在売り出しているピクルスとドレッシングに関して、それに使用する野菜そのものを育て、また、野菜やくだものの知識を蓄えながら、よりブランド力を強化していきたいと考えています。西辻さんの農業スクールに入って勉強したいとも発言。西辻さんからは、連携できる気がするとの応えが返ってきました。

金谷 元気さん

金谷 元気さん
駐車場の予約サービスを展開する金谷さんですが、いつまでも市場規模が伸びるとはみていません。そうした中でも、空いている駐車場がどこにあるのかを把握している強みを生かし、電気自動車の充電スポットを展開したいと考えています。


コメンテーターの真山仁さんに、「真山の目」に込めた思いと、収録を終えた感想を語ってもらいました。

真山の目

何を派生させて強みを継続させるか

ベンチャーを立ち上げる時には、他の会社にはない強みを見出すことから始まります。
これが核の部分です。

一旦成功すると様々な可能性が出てきて、核の周りに選択肢が放射線状に伸びていきます。
この選択肢の中でどれをとるかが、とても重要です。一度決めたら、その道をまっすぐ突き進んでいかなくてはなりません。

ベンチャーに必要なのは勇気と英断です。挑戦して自分達の強みを磨いて、強みが1つずつ増え、派生してきたものの先に新たな核が出来るともっと強くなる。

ベンチャー企業は「どうやったら事業を継続できるか」と消極的に考えることが多いのですが、逆に「来年は何にチャレンジしようか」と積極的に考える気概があれば、知らない間に成長し一流企業になっていく可能性があると思います。多くの人は継続させる方法ばかり考えるのですが、継続は結果なのです。

真山の目
何を派生させて強みを継続させるか

もっと真山の目

ベンチャー企業にとって、生き残ることはもちろん重要ですが、それだけを考えて生き残れる企業は多くないと思います。結果を出した時に、既に次の目標を設定出来ていれば、結果的に停滞せず継続でき、生き残れるのです。

今回の3社は企業の継続のため、それぞれ全然違う方策を取っていました。
自分達が持っているビジョンの延長線上を見ていく方法もあれば、思いついたらひとつひとつ形にしていこうという方法もある。あるいは、どんな強敵がきても、地道に細かく自分達の力を信じて、強みを深く掘り下げていくという方法もあります。

ベンチャー企業が生き残る方法は一つではないのです。
それぞれの会社の性質や特色、強みを活かしながら、常に次の目標を持っていられたので、結果的にそれが生き残り戦術になったのではないでしょうか。今回の3社はそれぞれ別の業態で成果を上げています。生き残りを目指す方法が3つあったということは非常に重要だと思います。

もっと真山の目
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