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~2月号~「〝必要〟から先を読む ~新エネルギーへの挑戦~」

CO2を排出しない次世代のクリーンエネルギーとして注目される「水素エネルギー」。およそ80年前から水素の研究を続けてきた会社が大阪にあります。LPガスの輸入・販売で国内最大シェアのこの会社は、水素を極低温で液体化させる「液化水素」の製造・運搬に国内で唯一成功。最終的には一般家庭への供給を目指しています。課題となるのが膨大なコスト。その壁をどう乗り越え、商機をつかむのか。ビジネスの「壺」に迫ります。

壺ナビゲーター:浜本広晃(漫才師)

【放送】2020年2月23日(日) 総合テレビ 午前 7時45分〜 8時25分

メインコーナー

岩谷産業株式会社 会長/CEO 牧野明次さん

日本の国土のおよそ95%で使われているというプロパンガス。この開発・販売を手掛けたのが今回登場する会社です。工業用ガスを販売する商店として大阪で創業したのが1930年。ほとんどの家庭にはまだガスは整備されておらず、料理をするときには、かまどでまきをくべ、付きっきりで火加減を調整していた時代です。創業者は、簡単に火力調整ができる器具はないかと考え、小型ボンベに入れた家庭用のプロパンガスを開発しました。その後、「食卓でガスホースを気にせずに鍋を楽しみたい」という声に応えて、今では生活に身近なものとなっているカセットこんろを日本で初めて発売。「世の中に必要なものこそ栄える」という企業理念のもと、〝必要〟から先を読んで成長してきました。

そして今、開発に力を入れているのがCO2を排出しない次世代のクリーンエネルギーとして注目される水素です。水素で発電しながら走る乗用車やバスも登場していますが、こうした水素の普及に大きなカギとなるのが「液化水素」。水素を液体にしたもので、およそ80年前に水素の可能性に目をつけ、研究を続けてきた牧野さんの会社が持つ“国内唯一の技術”です。

製造には膨大なコストがかかるといわれる中、自社工場で使われている低温のガスを利用することで製造コストを下げることにも成功。一般家庭への供給をめざし、去年から北九州市で実証実験を始めています。

イノベーションの芽

イノベーションの芽

この会社も強みとしている水素を液体にする技術により、これまで難しいとされてきた大量の水素の長距離輸送が可能になろうとしています。5年前に日本と海外とを結ぶ、水素の供給網作りの国際プロジェクトが発足。牧野さんの会社も参加して、オーストラリアでつくった液化水素を専用の運搬船で日本に運ぶ計画が進んでいます。前例のない水素の長距離輸送において、安全性やコストなどを検証することになっています。


ベンチャー企業コーナー

株式会社 エムアールサポート 社長 草木茂雄さん

株式会社 REARS
社長 後藤靖佳さん

食品ロスが深刻な問題となる中、後藤さんは飲食店などで余った食材を、アプリを使うことで気軽でお得に解決できないかと考えました。急なキャンセルなどで、その日に提供するはずだった食材が余った場合、店はその食材でできる料理をアプリに登録。アプリのユーザーは月額980円(税抜き)で、その中から好きな料理を月に10回、店に行って食べることができます。店にとっては新規の客が増えるとともに、提供する料理以外の追加注文もあるということで、売り上げ面でもメリットを感じているそうです。


わが社のルーキー

株式会社 フジオフードシステム  販売スタッフ 江﨑真輝子さん

株式会社 フジオフードシステム
販売スタッフ 江﨑真輝子さん

全国に外食チェーンを展開する会社に就職して3年目になる江﨑さんは今、手作りタルトの専門店で働いています。この仕事を選んだきっかけは、学生のころに天ぷら屋さんのアルバイトで感じた“接客の楽しさ”でした。料理だけでなく“接客”でもお客さんを喜ばせたいと、常に笑顔で接することを心がけています。「お客様に笑顔で帰ってもらいたい」と語る江﨑さん。将来の夢は、自分の地元でお店を開くことです。


コメンテーターの真山仁さんに、「真山の目」に込めた思いと、収録を終えた感想を語ってもらいました。

真山の目

”ニーズ”は何もないところから創り出す

番組の冒頭で「ニーズは探すのではなくてつくるもの」と言いました。
既にあるものを探して見つけるのでは、一番手になれない。そうではなく、何もないように見えるところに、「ここならこういうニーズがあるだろう」と気付く目を持たなければならないのです。積極的につくるものだから、創造の「創」の字を当てて「創る」としています。

何もないところからニーズを創りだすためには、どうすればよいのでしょうか?
優れたアイデアさえあれば良いと勘違いされるのですが、そうではありません。何もないところを見る目を養うには、普段から様々な人に会って話を聞き、何が満たされていて何が不足しているかを考え続けていく必要があります。

例えば、他人の文句を聞いているときにニーズが見つかる場合があります。大抵はうんざりして、適当に相づちを返してしまいがちです。そうではなくて、この文句をビジネスにつなげていくにはどうしたら良いのかと考えてみると、思いがけないひらめきが生まれることも。こうした取り組みを続けていくうちに、自分の中で漠然としていたイメージやアイデアが固まっていきます。自ら経験し、ヒアリングすることでしか、新たなニーズを見つけ出せないのです。

今回紹介した企業は両社とも独自の強みを持っていますが、それで満足はしていません。ビジネスの将来や、まだ自分たちのサービスが行き渡ってない場所はないか既に行き渡っているところは十分満足しているか、などを考え続けているのが、とても重要だと思いました。

真山の目
ネガをポジにすることで 新たな価値と ビジネスが 生まれる!!

もっと真山の目

新規事業を始めるには、揺るがない情熱が一番大事です。現実には課題がたくさんありますが、旗を振って突き進んでいる人が迷ってしまったら、そこで止まってしまいます。

閉塞感の強い日本にも、今回紹介した企業による液化水素の開発力のように、世界の先端を走っている技術は探せば幾らでもあります。「日本はもうだめだ」と当事者が言った途端に注目されなくなり、投資も引き上げてしまいます。結果を出すためには、簡単に諦めない強さがとても重要です。
わざわざ会長が番組に出演してくださったのは、その思いを伝えたいという強い意志の証でしょう。「水素エネルギーは安全ですか?」という問いにお答えくださった際の熱量には圧倒されました。やはり、リスクを取る時には、旗を振っている人が揺るぎない情熱を持ち続けられるかどうかが経営を成功させる根本だと思いました。

もっと真山の目
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