タクシーから見えてくる、世界の街の物語
タクシーは不思議な場所だ。ドライバーとは一期一会、束の間の時を共にする。車窓からの風景と何気ない会話が織りなす想像力のドライブスピンオフ5分版「雨には雨の」。 雨のある日、金沢の街で乗り込んだのは24年ハンドルを握るベテランドライバー 高山伸一さん(当時68歳)のタクシーだった。2015年の北陸新幹線開通から4年、観光客が増え街は様変わりしたと語る高山さん。話題は金沢観光のアドバイスからやがて、高山さん自身の味わい深い思い出へと。故郷・金沢への優しい慕情と、雨の路地にただよう風情が響き合うドライブ。
タクシーは不思議な場所だ。ドライバーとは束の間のひと時を共にする。車窓からの風景と何気ない会話が織りなす想像力のドライブ、スピンオフ5分版「私のヒーロー」。 今回のタクシードライバーは、長本奈緒さん(当時56歳)。訪れたのは日本最大規模の歓楽街、新宿・歌舞伎町。かつて、この街にある「ニューハーフのお店」で働いていたという。わい雑なネオン、賑わう人通りを脇目に、「全然変わってないですね」とぽつり。いつしかタクシーは、真っ赤な東京のシンボルの麓へ。そびえ立つ鉄塔の姿を目にし、長本さんが漏らした言葉は?
タクシーを乗り継ぎパリを走る。街並みは相変わらず美しく、ドライバーたちも粋で洒脱だ。だが政情不安で、少々不穏な気配も。愛と喧騒の「華の都」の今を感じるドライブ。 車窓からの風景とドライバーとの対話から街を知る旅。舞台はパリだ。エッフェル塔にシャンゼリゼ通り…。人々を惹きつける美しい街は健在で、ドライバーたちも得意のエスプリを効かせ誇らしげに案内、個性豊かな彼ら彼女らの口から漏れる人生模様が、風景に彩りを与える。だがシックな街の空気に亀裂を走らせるデモの声も聞こえてくる。年金改革に揺れるフランスの一面だ。歴史と革新と、引き裂かれる古都の今を感じるドライブ。
ある都市に降り立ち、タクシーを乗り継ぐだけの異色の番組「地球タクシー」。ドライバーとの会話と車窓の映像から、その街の素顔を描き出すロードムービーのようなドキュメンタリー。