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番組情報

最先端科学のエッセンスを一言で言えたらカッコよくないだろうか。
いっそ“5・7・5“で。

夏井いつきさん 私が選考します

研究の現場を訪ねた 俳人・夏井いつきさんが、視聴者から募集した俳句から、最先端科学を感じることができる作品を発掘します。
30分で最先端科学の本質がわかった気分になれる知的エンターテインメント番組です。

夏井いつきさんからのメッセージ

放送予定
Eテレ 8月22日(木)午後9時00分~   はやぶさ2
         8月29日(木)午後9時00分~   恐竜

過去の俳句紹介

第一回   ニュートリノ
<番組内でご紹介した俳句>

冬の水湛えて星の終り知る   うしうし

水槽は小糠雨受け金魚無し   伊予吟会玉嵐

ヘルメットにnakahata汗のノーネクタイ   夏井いつき

陽炎のやうなものよねニュートリノ   くま鶉

春恋やニュートリノかなすり抜ける   鮎川渓太

貫通の粒子の無音星流る   かぬまっこ

ニュートリノ秋はすり抜けやすいかも   塩豆

花片の軽さニュートリノの重さ   一斤染乃

夏山に幽霊つかむ地下水槽   カンガガワ孝川

清水受くる四六時中や金盥   岩佐十零空
   ※金盥(きんだらい)

幽霊の蛍弾けて湖の底   薄荷光

素粒子にかくも巨大な囮籠   克巳
   ※囮籠(おとりかご)

捕虫網は五万屯なりニュートリノ   比々き
   ※屯(トン)

蝶の目の湖に天琅拾ひたり   田尻武雄
   ※天琅(シリウス)

亀鳴くや素粒子ほどの振動に   ときこ

タンク開け前の戌年の水澄む   サイコロピエロ七変化

しづけさに耳きゆんきゆんと鳴りさうな   夏井いつき

愛犬の名前にしたいニュートリノ   春雪

つかめない採用内定ニュートリノ   ぴぴん

ニュートリノなんでもすり抜けお化けみたい   SAE

星死ねばニュートリノと蟷螂生まる   ぐ
   ※蟷螂(とうろう)

青蜥蜴カミオカンデに尾を残し   ときこ
   ※蜥蜴(とかげ)

蛍火や水のしじまをニュートリノ   たんじぇりん金子

ニュートリノ原初高天原を出ず   斎乃雪

廃坑の水底蒼き朧かな   樫の木
   ※朧(おぼろ)

秋天の粒子我らを透きとほる   寺沢かの

開闢の無音のことば銀河より   純音
   ※開闢(かいびゃく)

見えないが在るたとえば百合の香のように   夏井いつき

<ニュートリノ 特選句紹介   選者:夏井いつき>

番組で紹介できなかった句の中にも、夏井いつきさんを唸らせる優れた句がありました。
そこで全ての応募作の中から特選として8本にコメントをいただきました。

冬の水湛えて星の終り知る   うしうし
ニュートリノを捕らえる巨大な水槽。湛えられた「冬の水」はじっと静まりかえって、「星の終り」を知らせる粒子の到来を待っています。装置が粒子を捕らえた瞬間発せられる、青い光。冷たい一瞬のひらめきが、冬の水の刺すような冷たさを深くするようです。

枯野へと無垢な暗黒物質来   ヒカリゴケ番組未発表
宇宙を構成する見えない物質と言われる「暗黒物質」。全く無垢な原初の存在。その粒子は寒々しい「枯野」へも降り注いでいます。目の前の茫漠たる枯野は、あらゆるものを通り抜ける無数の粒子を受け止める器のようにどこまでも広がります。

粒子にも恋にも質量あつて夏   よだか番組未発表
ニュートリノを題材にしてこんな軽やかな句が生まれてくる愉快。重さなど限りなく小さい「粒子」と、目に見えず触れることもできない「恋」。どちらにも「質量」があると言い切る作者の「夏」は幸せなものになるでしょうか。鮮やかに過ぎていきますように。

廃坑の水底蒼き朧かな       樫の木
スーパーカミオカンデは今は使われなくなった「廃坑」を利用して作られています。ひんやりとした廃坑の奥深く、ニュートリノを捉える巨大な水槽が設置されています。空間全体が巨大な水底であるかのような大空洞。水気を含んだ朧なる夜の底を、水は蒼く粒子の到来を今日も待ち続けています。

秋天の粒子我らを透きとほる   寺沢かの
抜けるような秋空。身を温める秋の日射しが気持ちの良い日です。晴れ晴れとした「秋天」の下に立つ私たちを無数のニュートリノがすり抜けていきます。その「粒子」の知識を得なければただ気持ちの良い日であるというだけの感覚。科学が物の見方を変えるという体験のなんと楽しいことでしょう。

開闢の無音のことば銀河より   純音
銀河が始まったその瞬間、天地開闢の時。宇宙には無数の粒子が放たれたのでしょう。一切の音のない世界で放たれた粒子は今も「無音のことば」となって宇宙を飛び交っています。夜空に見上げる乳色の「銀河」は深遠な美しさに瞬いています。

数式の羅列囀の其処此処      村上ヤチ代番組未発表
   ※※囀(さえずり) 其処此処(そこここ)
スーパーカミオカンデには世界中から何人もの研究者が集まり、日夜研究を続けています。「羅列」された難解な「数式」と格闘する研究所を一歩出れば、外は「囀」の降り注ぐ山中。固まった背中をうーんと伸ばすと柔らかな緑。其処此処から降る囀にリフレッシュし、再び研究へと戻ります。

水昏くいうれいの目方に歪む   中町とおと番組未発表
   ※昏く(くらく)
幽霊粒子とも呼ばれるニュートリノ。地下深くに満々と水を湛えて水槽は粒子の到来を待っています。「いうれい(幽霊)」ほどの微かな「目方」を捉え「歪む」水が蒼く昏く瞬きます。見えない物を捉えた瞬間の反応を科学の目は確と観測し、俳人の眼はぞっとする詩的真実として描き出します。


 第二回   チバニアン
<番組内でご紹介した俳句>

青葉闇磁場逆転の地層嗅ぐ   鮎川渓太

オーロラよ地球に漏れ出す赤き警告   弓簿

里山に地球ロマンのチバニアン   カジ

千葉時代加ふ地球の走馬灯   有本仁政

灰掬ふチバ紀白尾や月の眉   倉形さらさ
   ※掬う(すくう)

金鋲待つ千葉セクションや月天心   次郎の飼い主
   ※鋲(びょう)

チバニアン恐竜のたまご抱いてるか   宙のふう

チバニアン原人も見し流れ星   花谷馨

地球とは彷徨ふ磁石チバニアン   雪井苑生
   ※彷徨ふ(さまよう)

地虫出づ磁場逆転の地層かな   こふみ

夏冬が逆転の跡チバニアン   samu

千葉時代とふ磁場のなき春の闇   香野さとみ

北海道チバニアン前南海道   飯尾和樹

薫風に星が繭張り守り神   新椛

オーロラのそそぐ氷野やチバニアン   中西柚子

海底が顔赤らめて千葉の泥   恵風

夏草やここは海底だったという   夏井いつき

時が経て秘め事あらわ雲丹の糞   セセロリス
   ※雲丹(うに)

この地球の逆子の記憶蚯蚓鳴く   寺沢かの
   ※地球(ほし) ※蚯蚓(みみず)

チバニアン海底に積む夏幾万   山内彩月

磁極から磁極へ道や鳥渡る   樫の木

七百の地層サンプル星朧   播磨陽子
   ※朧(おぼろ)

緑陰に腸晒すチバニアン   ふわりねこ
   ※腸晒す(はらわたさらす)

断層の灼け鼻先に熱の壁   夏井いつき

<チバニアン 特選句紹介   選者:夏井いつき>

番組で紹介できなかった句の中にも、夏井いつきさんを唸らせる優れた句がありました。
そこで全ての応募作の中から特選として7本にコメントをいただきました。

緑陰に腸晒すチバニアン   ふわりねこ
チバニアンの地層は谷川に面した山の斜面に晒(さら)されています。斜面のすぐ上まで緑が迫る採掘現場。古い古い地層はさながら地球の「腸」。「緑陰」には何億年もの記憶を語る地層がしっとりと涼気に濡れています。

青葉闇磁場逆転の地層嗅ぐ   鮎川 渓太
未知の物に相対した時、人の好奇心は様々な形で表れます。「地層」の匂いを「嗅」ぎたい!と思う、その精神がまさに俳人。かつて地球の「磁場」が「逆転」した、その記憶を留めた地層は一体どんな匂いがするのでしょう。「青葉闇」が私たちの嗅覚を刺激します。

磁場逆転記す大地や青嵐   一斤染乃番組未発表
千葉セクションを強い川風が吹き抜けます。山の緑を揺らしていく力強い「青嵐」。かつて海の底だった渓谷には数十億年前の「磁場逆転」の記憶が眠っています。海流に変わって風に磨かれるむき出しの「大地」に向かい、研究チームはまた新たな「記(しるし)」を読み取るのです。

磁極から磁極へ道や鳥渡る   樫の木
科学の視点で見れば、地球は巨大な磁石だといいます。磁極から磁極へと結ばれている磁力の道を、渡り鳥たちは知っているのでしょうか。何の道しるべもなく目的地へたどり着く渡り鳥を見上げながら、その習性と地球規模の自然との結びつきを思います。

苔の水露頭に光る逆転層   克巳番組未発表
むき出しになった「露頭」には瑞々しい「苔」が生えています。崖を伝う滴りは苔を湿らせ、その珠の水がきらきら光ります。この方はきっと現地を見に行かれたのでしょう。まさに千葉セクションの姿をそのまま描写した、現場証明のある一句です。

ためらう磁極ねむれない含羞草   中山 月波番組未発表
   ※含羞草(おじぎそう)
地球の磁場が逆転するには数億年単位の長い長い時間がかかります。一度定まった磁極がまたゆっくりぶれはじめ、徐々に違う位置へと固まっていく。ためらうように定まらない「磁極」の姿と、ざわついてねむれない「含羞草」。科学的には何も関係ない両者を取り合わせることで詩的スパークが生まれます。

七百の地層サンプル星朧   播磨陽子
地層のサンプルを採取するために岩肌に穿たれた穴。採取用の機械でくり抜いたつややかな穴。本当に「七百」もの穴があるのか。あるいは「七百」はサンプルとして採取され並ぶ試料の数なのかもしれません。星朧の夜を静かに眠る「サンプル」はこれからどんな地球の歴史を語ってくれるのでしょうか。

WEBでの俳句投稿

終了しました。投稿ありがとうございました。

はがきでの俳句投稿

終了しました。投稿ありがとうございました。