ドイツの作曲家ワーグナーの大作が上演される「バイロイト音楽祭」 2023年は新制作として「パルシファル」が登場するなど 8作品が上演された NHK-FMでは 音源が提供された7作品について放送した
聖金曜日に白鳥を矢で射た愚かで無垢な若者パルシファルが、やがて知徳を得て聖杯を守る王アンフォルタスの傷を癒やし、異端者から聖なる槍を奪い返す物語 新制作で音楽祭の初日を飾る公演に、ラトビア出身のスター、エリーナ・ガランチャがクンドリを歌うことで大いに注目を集めた。鋼のような強さとビロードのような柔らかい声で二面性のある難しい役を見事に歌い分けている。グルネマンツ役のツェッペンフェルトの美しいドイツ語による安定感のある歌唱に注目。バイロイト初登場のスペインの指揮者カサドは、作品の美しさを再発見させる演奏で、特に第3幕の聖金曜日の音楽は白眉。