今月は4回シリーズで地域福祉について取り上げます。今日の社会はとても病んでいると言えるのではないでしょうか。小中高生の不登校者は10年連続で増加し、15歳から64歳までのひきこもり状態の人は146万人と推計されています。こうした問題は個人や家族の問題とされがちですが「生きづらさ」は社会の問題です。「地域福祉」の役割は困難な状況に置かれている地域住民の生活上の課題を解決するために支援をすることです。
アメリカの政治学者、ナンシー・フレイザーは16世紀の重商資本主義の時代から、現在のグローバル化の影響を受けた資本主義までを概括し、その中で福祉国家が果たしてきた役割を改めて見直しました。かつての福祉国家がゆらいでいくなかで、貧困や格差の拡大、ジェンダーのゆがみに起因するケア責任のかたよった配分、環境汚染などを含めた課題を解決する新たな福祉国家をどう構築していくか、そのための方途を探ります。
高齢者福祉や障害者福祉、子どもの福祉などについて、その歴史から制度までを体系的に学びます。 変わりつつある社会保障制度の基礎も解説します。
毎週土曜 午後7時
毎週日曜 午前8時