日曜朝に心豊かなひとときを!
今回は山上憶良の晩年の文学「沈痾自哀文」を取り上げます。「痾」(あ)とは病気のこと。これは病に沈み、自らを哀しむ文章ということになります。人間、長生きをしたとしても、その後の半生は老いと病のなかにあり、その苦しみとどう向き合えばよいのでしょうか。國學院大學文学部教授(特別専任)上野誠さんが、死に直面した山上憶良が考えた生きること、死ぬことに関する漢文を読み解き、生きていくためのヒントを語ります。
奈良時代初期の貴族で歌人の山上憶良は、74歳くらいまでは生きていたとされています。老いと病に苦しみながらも、幼子を育てていた憶良の歌には、子どもの行く末を案じる気持ちや、どんなにつらくても生きてゆくのだという、強い意志が読み取れます。私たちは、人生における老いと病をどのように捉えていけばよいのでしょうか。國學院大學文学部教授(特別専任)上野誠さんが、今回は山上憶良の歌を解説しながら考えます。
今回は、朝鮮半島南東部にあった新羅から日本に渡来していた尼理願(あまりがん)という名の女性の死をめぐる挽歌を取り上げます。当時の渡来人は貴族の邸宅に寄宿して、学問や技術などを伝えていました。尼理願は大伴氏の邸内に住み、石川命婦、大伴坂上郎女の母娘と家族同様に暮らしていたといいます。國學院大學文学部教授(特別専任)上野誠さんが、この母娘の間で尼理願の死がどのように受け止められたのかを読み解きます。
こころをよむは、文学・美術・映画など、各分野の第一人者が、現代人が抱える、老い・家族・環境など、さまざまな問題をストレート・トークで分かりやすく読み解いていく番組です。
毎週日曜 午前6時45分
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