身近な風土の輝きとそこに暮らす人々を通して「小さな旅」をしてみませんか。
太平洋の荒波が打ち寄せる茨城県鹿嶋市。2700年前から続くとされる鹿島神宮とともに、町の人たちは暮らしてきた。境内にある茶店で半世紀にわたって参拝客を迎えてきた女性。波が高くハマグリ漁が思うようにできないこの春、“神宮さん”を訪ねては海が穏やかになる日を願う80歳の漁師とその孫。鹿島神宮ゆかりの古武道も地元の人たちに脈々と受け継がれてきた。神宮さんに見守られ、春を生きる鹿嶋の人たちに出会う旅。
新宿から電車で1時間、高尾山のお膝元・高尾は知る人ぞ知る梅の名所。春には1万本以上が花を咲かせ「高尾梅郷」と呼ばれている。その始まりは昭和37年。耕し手のいなくなった畑を梅林に。入学などの節目には家の庭にも。町の人が1本1本増やしてきた。定年後、ボランティアで梅の手入れをする男性。母の味の梅干しを作って故郷で暮らす喜びをかみしめる女性。満開の梅の下で遊ぶ子どもたち。思いをつなぐ早春の高尾を訪ねる。
宮崎県の最南端、太平洋に突き出す都井岬。ここには100頭ほどの「岬馬」が野生で暮らしている。自然の中で生まれ、草を食べ、繁殖。その姿を一目見ようと多くの観光客が訪れる。渡辺木直さんも岬馬に魅了された一人。埼玉県から移り住み、おととしから馬の監視員として働いている。春は出産シーズン。無事生まれるかを心配しながらも野生であることを尊重して、つかず離れず見守っている。春の都井岬で、いのちの輝きに出会う。
こころのふるさとをみつめて。 昭和58年から放送が始まった「小さな旅」。 日本各地の美しい風景と、そこに育まれる人々の暮らしをご紹介します。
毎週日曜 午前8時
毎週土曜 午前06時05分
毎週金曜 午前9時