メロウな徒然草

第419回 2021年1月11日放送分

いつもご清聴ありがとうございます。
今夜は、本日1月11日に50回目の誕生日を迎えたメアリー・J・ブライジのトリビュート放送でした。So Festive!!

「クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル」。これは、1992年、デビューにあたって当時の所属レコード会社アップタウンがつくったキャッチフレーズ。
「哀しみの女王」。あるいは「CD時代のクイーン・オブ・ソウル」。こちらは、いずれも私がつくった呼び名です。
そういえば、本国アメリカでは「ニュー・アレサ」「ニュー・チャカ」なんて呼ばれていた時代もありましたね。90年代のおハナシ。

メアリー・Jはなんといってもあの声、そして、あのフレージングですよね。
ニューヨークのサウス・ブロンクスというヒップホップの聖地に生まれながら、ディープな南部フィーリングを色濃く感じさせる、クセの強いあの歌い回し。
それには理由があって、生後まもなく家族でジョージア州に移住し、5歳でまたニューヨークに戻るまで……つまり音楽というものに初めて触れ、その愉しさに目覚めるまで……音楽的にも揺籃期と呼べるこの大切な数年を南部のブラック・コミュニティで過ごしているんですね。
「ヒップホップ・フィーリングを備えたソウルシンガー」として、まさに奇跡的なバランスの人生を歩んできたとしか言いようがありません。

昨年11月16日の放送でお話ししたように、カマラ・ハリスさんの“Work That”推しもあり、メアリー・Jの神格化はここにきて加速度を高めているように見受けられますが、いつまでも「ストリートのヒップホップねえさん」の佇まいを失う気配がないのもすばらしい。
まさに、音楽に愛されたシンガー、ですね。

さて、今夜のメアリー・J・ブライジ特集へ熱い期待を膨らませたリスナーの方がたからメッセージをいただきました。一部をご紹介させてください(以下、敬称略)

11日の放送は「メアリー・J・ブライジ」特集ということで、今から何がかかるか、そしてどんな秘話が聞けるのか楽しみです。そういえば松尾さん、メアリーの記念すべきデビューアルバムのライナーノーツを書かれていましたよね。リクエストしなくても彼女の名曲たくさん流れると思いますが、「メロウな曲」という観点からEverythingをリクエストします。アルバムとしては「Love & Life」や「Strength Of A Woman」が好きなのですが、ここからも選曲されるのか楽しみにしています。最後に、いつか彼女のライブ行きたいなーと心底思っています。今のこの状況を考えたら、2017年の来日公演ですが、仕事休んででも参戦すれば良かったな~と後悔しております。
(健一・大阪・27歳・男性)
ふむふむ、私とかなり好みが近そうです。まだ27歳ですか。シブい耳をお持ちですねえ。今夜のプレイリストはお気に召しましたか。

2020年一回も聞き逃さないで、番組を楽しみました。リクエスト特集の時だけメールするずるい奴です。笑い。メアリー・J・ブライジさん特集ということで、ジェイ・Zと共演した「キャント・ノック・ザ・ハッスル」(Can't Knock the Hustle)をお願いいたします。2021年も聞き逃さないようにします。
(いしわたり ひろお・埼玉・59歳・男性)
今回はリクエストにお応えできずごめんなさい。でも、私も大好きな曲です。実際、昨年11月に某所で催したメアリー・Jのイベントではかなりフィーチャーした記憶があります。

来週は「メロウな落ち穂拾い(メロウな風まかせ番外編)」と題して、昨年のうちにオンエアできなかった2020年産の好曲をご紹介したいと思います。やってる私が楽しいヤツ!

以上、こんな時代だからこそメロウな音楽の魔法を信じて、松尾潔でした。


第418回 2021年1月4日放送分

明けましておめでとうございます。
コロナ禍が収まらぬまま新しい年を迎えることになってしまいましたね。首都圏では今週末から二度目の緊急事態宣言が施行されるそうです。
そんな時だからこそ、これまでと変わらぬひとときの憩いを最大限ご提供できるよう努めてまいります。今年もメロ夜をよろしくお願いします。
みなさんへのお年玉がわりとして、今回の徒然草はスペシャル拡大版でお届けします!

この年末年始も番組にたくさんのお便りが寄せられました。いつもありがとうございます。まずはその一部をご紹介させてください(以下、敬称略)

リクエスト:Your Turn / Ty Dolla $ign feat. Musiq Soulchild, Tish Hyman & 6LACK
松尾さんの1位はたぶんコレでしょう! 2020年もありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

(sacrifice fly・東京・46歳・男性)
さすが! 正解です!!

プロフェッションを通じて、多くのリスナーの心を支えている松尾さんのサービス精神を尊敬します。ウーマナイザーなイメージはぬぐえませんが。
(キーラ・東京・53歳)
なんとも手厳しいお便りですナ。ウーマナイザー。これってディスられてます? それとも喜べばいいのかな。いわゆるR&Bのイメージを私に重ねていらっしゃるだけのような気もしますが。とりあえずは、ご愛聴ありがとうございます、と笑顔で言っておきましょう。

今年は新型コロナウイルスのことやBLM、アメリカ大統領選挙など、感情の上下が激しくなるような一年でしたね。その中で安定してメロ夜を放送して頂いて、本当にありがとうございました。松尾さんもご自宅のスタジオからの収録など、大変な状況でのお仕事などもあったと思いますが、お身体壊さずお元気でいてくれたのが何よりだと思います。メロ夜の安定感に、どんなに気持ちが救われた事か。改めて感謝感謝です。個人的には某夜間授業、や、某民放音楽番組、情報番組での元気そうなお姿を見ることができて、そちらでも楽しませてもらいました。
(奈良木薫・東京・42歳・女性)
ご温情に感謝。昨年は音楽業界からの発信が停滞しがちで、私も歯痒い気持ちになることが多かったです。これまでご依頼を受けてもあまり積極的ではなかったテレビ出演を、自分の中で少しハードルを下げたのも、そういった状況あってのこと。楽しんでいただけたのであれば嬉しいかぎり!

年末も年末、今紅白を観ながら書いております。もう2020年のどこを取り上げて振り返る迄もなく日本中が沢山の事がずっと動かされ続けた一年でしたね。それでも試行錯誤し音楽を届けてくださった松尾さんスタッフの皆さんにとても感謝しております。放送に加えて聴き逃し配信もあったお陰でマイペースにも音楽を楽しむ事が出来ました。ありがとうございました。これからも楽しみにしております!来年も宜しくお願い致します。
(青い羽・東京・39歳・女性)
らじる☆らじるの聴き逃しサービス開始は、メロ夜の楽しみ方を大きく変えたようです。とはいえradiko版ではまだ導入されていないせいか、このサービスをご存じない方も多い模様。周囲の方にも教えていただけたら幸いです。

この番組が始まった当初に一度メールを送った以来、ずいぶん久しぶりのメールを書いております。1月は祝50のメアリーさん企画があるということで、今年50となりました私も、あと22時間あまりで暮れ行く今年のうちに メッセージを送りたいと思い立ち、書いております。(略) 30歳くらいまでは神奈川県に住んでおりましたので、その当時、松尾さんがやってらしたラジオ番組にせっせとFAXなんかを送っておりましたが、あれから20年、いまやFAXなんて化石みたいになってきましたねえ。この20年の世の中の変わりようも激しいものがありますね。それにしても、人間の人生って短いんだなあと、50になって気づきました。生誕50年目はへんな年でした。コロナに始まり、地元では水害が発生し、なんかいろいろと考え方が一変された年になりました。来年はコロナが落ち着き、いつもの日常が戻ってくる年になれば よいなあと、心から願うばかりです。
(ヨーコ・熊本・50歳・女性)
久しぶりのメール、ありがとうございます。このところ熊本は天災に見舞われることが多いですから、きっといろんな思いもおありでしょうね。じつは昨年私は20数年ぶりに熊本市に足を運んだのですよ。熊本城にまだ生々しく残る2016年の震災の爪痕に一瞬言葉を失いました。でも直後には、そこから立ち上がるチカラも強く感じましたよ。ヨーコさん仰せの通り、人生は短いのかもしれません。でも、そこそこ長くもあるのが人生という気もするのです。だからこそ音楽のある生活を。お気に入りの音楽は、体感時間に好ましい変化を与えてくれますから。

今年最後の放送が終わって、なんか気の利いたご挨拶をお送りしたい、とあれこれ考えましたが、結論シンプルに (笑) この殺伐とした毎日に、潤いある時間を毎週届けて下さり、ありがとうございました。松尾さん、スタッフの皆さんが健康でいてくださったこと、本当に感謝です。また来年も、松尾さん何枚CD買わせんだよ。イイ曲ばっかり紹介しやがって。みたいなことをニヤニヤしながら言わせて下さい。
(こころ・東京・34歳・男性)
お人柄がしのばれるメッセージ。年を重ねるごとに「潤い」の効用を思い知りますねえ。

年末に一段と寒さが凍みる夕暮れに、一息つきながら一年を振り返っています。年始からメロ夜を拝聴することが週始めの習慣となり、充実した音楽生活を送ることができました。R&Bに関しては数年に一度どっぷりとハマる周期と収集癖が訪れるのですが、この番組のお陰でより濃厚な一年となりました。松尾さん、ありがとうございます。さてそんな一年でしたが、振り返ってみれば新譜の購入はほぼ皆無。90~2000年代のR&Bが中心で、結果として90年代R&Bガールグループ、LSG個人の歯抜けになっているタイトルの収集が要でした。毎週自宅に送られてくるCD達と僕に冷ややかな視線を送る妻。もう30年来の光景ですので、彼女も諦めムードですが、開封し始聴の喜びはいつ迄経っても変わりません(照)。
(FUN×4・岐阜・54歳・男性)
ご結婚、早かったんですねえ……というのが最初に抱いた感想。生意気にも申し上げるならば、たとえ冷ややかであっても視線が注がれていることに大きな愛の存在を感じますよ(毎週とは結構なペースかと私でさえ思いますから!)。お連れ合いに恵まれて本当にお幸せですね。

松尾さん・メロ夜スタッフのみなさん 新年明けましておめでとうございます。(略) 音楽界にとっても、アーティストおよび関係者に置かれましては、昨年は本当に難儀な年でした。そんな中で「配信LIVE」といったキー・ワードがSNS上で何度も話題に上ったのも、昨年の音楽界の特徴でした。LIVEは本来「生」で体験するのが一番ですが、見方を変えれば、時間・立地・経済・子育て・病気等々の側面から、これまで会場に足を運ぶことが困難であった音楽愛好者層の獲得に繋がったことは、大きな転機へと成り得たのではと思っています。(略)年明けて寒さもひとしお。ご自愛くださいませ。
(Mellows・茨城・57歳・男性)
分析的な視点でのユニークな見解を送ってくださるMellowsさん。いつもありがとうございます。昨年は私もこれまでライブに足を運んだことのないアーティストの生演奏を、ネットを通じていくつか初体験しました。チカラに変えることのできる逆境もあるんですね。

松尾さん今日はお誕生日当日の放送になりますね!Happy Birthday!!! 同じ時代に生まれた端くれとして、松尾さんの更なるご活躍とご健康をお祈りいたします。素敵なお誕生日をお過ごし下さい。
(敦子・東京・53歳・女性)
ありがとうございます。同い年に生まれたのも何かのご縁。これからもよろしくお付き合いください。

さて、今夜は新春恒例のプライベートな年間チャート「メロウ・オブ・2020〜松尾潔が選ぶ2020年メロウTOP20」をお届けしました。
以下、番組でご紹介した20曲をあらためて記します。カッコ内はメロ夜でのオンエア日です。

#01, Your Turn / Ty Dolla $ign feat. Musiq Soulchild, Tish Hyman & 6LACK (12/7)
#02, Summer 2020 / Jhene Aiko (8/17)
#03, Freezing / Bren Joy (7/27)
#04, Come Thru / Summer Walker & Usher (3/2)
#05, Come Over / VanJess (11/30)
#06, Do It / Chloe x Halle (7/6)
#07, Reckless / Avery Wilson (12/14)
#08, Butterflies Pt. 2 / Queen Naija (5/18)
#09, Only Fan. / Kiana Lede & Jacquees (11/23)
#10, U 2 Luv / Ne-Yo & Jeremih (6/15)

#11, Anything For You (The Duet) / Ledisi & PJ Morton (9/7)
#12, Stay Mad / IV Jay (7/20)
#13, All Of My Love / Charlie Wilson feat. Smokey Robinson (11/16)
#14, Go Crazy / Chris Brown & Young Thug (12/21)
#15, Back Home / Trey Songz feat. Summer Walker (5/18)
#16, Yummy (Summer Walker Remix) / Justin Bieber feat. Summer Walker (2/24)
#17, I Just Wanna Live / Keedron Bryant (7/13)
#18, Like I Want You / GIVEON (12/14)
#19, Come Back To Me / Teyana Taylor feat. Junie & Rick Ross (7/6)
#20, Til I Found You / Jam And Lewis × Sounds Of Blackness feat. Ann Nesby, Big Jim Wright & Lauren Evans(2/3)

昨年はコロナ禍に起因する番組構成の変更が多々あり、例年に比べて新曲をオンエアする機会はずいぶん減りました。そもそもリリースされた新曲の数も少なかったですしね。
それでもいざ選出作業を始めてみれば、トップ20に至るひとつ前のあら搾り段階で、じつに48曲も残っていました。
参考のために書き添えておくと、前回はこの段階での数は61曲だったんです。音楽業界が昨年置かれていた状況を考えれば、48曲はむしろ多い印象さえあります。逆境でこそ育まれてきたR&Bのたくましさが、端的に表れた数字ではないでしょうか。

次回は来週1月11日、その日50回目の誕生日を迎える現代最高のR&Bディーバをトリビュートする特別企画「祝50歳!メロウなメアリー・J・ブライジ」をお届けします。どうかお楽しみに。

以上、R&B IS NOT DEAD、松尾潔でした。

最後に、これまた恒例のおまけ「メロウ・オブ・2019」を。
今もあなたの鼓膜にこびりついているメロディーはありますか。

#01, Roll The Dice / Salaam Remi feat. Gallant 
#02, Girls Need Love (Remix) / Summer Walker & Drake 
#03, Love Theory / Kirk Franklin 
#04, Roll Some Mo / Lucky Daye 
#05, Away From You / Queen Naija 
#06, You’re The Reason Why / Aaron Taylor 
#07, I Want You Around / Snoh Aalegra 
#08, Honesty / Pink Sweat$  
#09, Goes Like That / Mario 
#10, Can’t Keep Runnin’ / Guordan Banks 

#11, My Last Chance (SalaAM ReMi Remix) / Marvin Gaye 
#12, What You Did / Mahalia feat. Ella Mai  
#13, Who’s / Jacquees 
#14, Sent From Heaven / Rahsaan Patterson
#15, 1 On 1 / Leven Kali
#16, Say So / PJ Morton feat. Jojo 
#17, Make It Better / Anderson .Paak feat. Smokey Robinson 
#18, BMO / Ari Lennox 
#19, Mixer / Amber Mark 
#20, Something To Talk About / JAMESDAVIS


第417回 2020年12月21日放送分

いつもご清聴ありがとうございます。
今週もレギュラー・プログラム「メロウな風まかせ」をお届けしました。

番組の中でお話ししたように、来週(12/28)はお休みなので、今回が2020年最後の放送となりました。
一年間のご愛聴に厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

さて、新作ホリデーソングを織り込みつつも普段通りのムードでお届けした今年最後のメロ夜、いかがでしたか。
“Same Space?”をご紹介したロンドン出身のティアナ・メイジャーナイン (Tiana Major9) は、アルバム『アット・シックシーズ・アンド・セヴンズ (At Sixes And Sevens)』もすばらしい内容でした。なにしろ声がいいですね。オススメです。
声といえば、今年いちばん耳に引っかかった歌声は、先週“Like I Want You”をオンエアしたギヴオン (GIVEON) でしょうか。同曲を収めたアルバム『テイク・タイム (TAKE TIME)』は、来春発表の第63回グラミー賞の最優秀R&Bアルバム部門に堂々ノミネートという快挙を果たしたこともお伝えしておきましょう。

以下、前回に続き、年始のスケジュールを記します。ご確認よろしくお願いします。

1月4日 新春恒例「メロウ・オブ・2020 〜松尾潔が選ぶ2020年メロウTOP20〜」
11日 特別企画「祝50歳!メロウなメアリー・J・ブライジ」
18日「メロウな落ち穂拾い(メロウな風まかせ番外編)」年内にオンエアできなかった2020年産の好曲をご紹介
25日 レギュラー・プログラム「メロウな風まかせ」

いろいろあった2020年ですが、メロウTOP20の選出作業を通して、今年もR&Bシーンは豊饒だったことを実感しています。
幸も不幸も糧にして成長する、R&Bのたくましさ!

以上、みなさまに素敵なクリスマスと良い年が訪れますように、松尾潔でした。


※過去3回分を掲載しています。
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