メロウな徒然草

第389回 2020年6月1日放送分

いつもご清聴ありがとうございます。

今日久しぶりにオフィスや学校に足を運んだという方も多いのではないでしょうか。いかがでしたか。
感じたのは、なつかしさ? 喜び? 生きがい(大げさかな)?
あるいは「疲労」かもしれません(でも心地よいものであればウェルカムですね)。 
少なくとも「ストレス」や「幻滅」でなかったことを祈っております。

今回の放送も自宅スタジオで収録しました。7週目。
先月7日に58歳で亡くなったアンドレ・ハレルの追悼特集でした。
ハレルはアップタウン・レコード創業者にして、老舗モータウン・レコードの三代目社長。音楽評論家ネルソン・ジョージによれば「ラップとR&Bの間に橋を架けた張本人」という位置づけです。ヒップホップ・ソウルのパイオニアであり、ニュー・ジャック・スウィングの帝王テディ・ライリーの最大の支援者でもありました。

60年代に黒人音楽の革命を成し遂げたモータウンが標榜したキャッチフレーズは、“The Sound of Young America”。黒人だけではなく白人の若者も取り込もうという目標(実現するまでは「野心」とされました)が感じられます。
アップタウンもまた、音楽だけではなくライフスタイルを提案した点が偉大でした。いまアメリカの音楽業界で「アーバン」と呼ばれるマーケットのイメージの大半は、アンドレ・ハレル(と当時彼の助手だったショーン・コムズ)が形成したといっても過言ではないでしょう。

何しろ、ドクター・ジキルを名乗っていたラッパー時代のハレルは、オーセンティックなR&Bシンガーよろしく、スタイリッシュなスーツに身をつつんでラップしていたのですよ。当時そんなラッパーは異色中の異色でした。
スターを生み出す側にまわって、かつての構図を反転させて成功したのが、ストリートイメージを大胆に取り入れて新しいR&Bの様式美を体現したメアリー・J. ブライジやジョデシィのデビューです。
……まあこういった事情を私が熱く語り出すといつまでも終わりませんから、話はこのへんにとどめておきますが、とにかくアンドレ・ハレルはR&B史の神々のひとりでしたね。逝去は早すぎました。残念で仕方がありません。安らかに眠ってほしいです。

さて、嬉しいことに増加傾向が止まらないリスナーメールから、1通だけ紹介させてください。
福岡県にお住まいの47歳の女性「アベノマスクまだ届かないよ」さん。PJモートンとジョジョのデュエット“Say So”にリクエストをくださいました。

いつも放送楽しみにしております。3月に久保田さんの番組でSay Soが流れ、それから毎日のように聞いてます。
最初はとてもメロウなメロディにぐっと来て酔いしれて聞いていたのですが、なかなかSay So言ってくれない人がいるので、そこも共感するようになりました( ̄ー ̄) 
自分でチョイスしてスマホなどでかけて聞くのではなく、ラジオからふいに好きな曲が流れてくるなんとも言えないあの高揚感が好きです。メロ夜でも松尾さんにかけてもらえるとうれしいです(^_^)


「ふいに好きな曲」というひと言に、ラジオの魅力は凝縮されている気がします。大きな励みになるお便り、ありがとうございます。
ところで「アベまだ」さんは、最近になってメロ夜を聴き始めたのでしょうか。
“Say So”は昨年3月に番組でご紹介して、今年のはじめに発表した「メロウ・オブ・2019〜松尾潔が選ぶ2019年メロウTOP20」でも年間16位に堂々ランクインしました。なかなかに滋味深い曲ですよね。久しぶりにオンエアしてみようかな。

以上、来週も大好評につき「屋根裏」で不意打ちを狙ってお届けしますよ、松尾潔でした。


第388回 2020年5月25日放送分

いつもご清聴ありがとうございます。

新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々、およびご家族、関係者のみなさまに、謹んでお悔やみ申し上げます。罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。
医療従事者の方々をはじめ、感染拡大防止にご尽力されているみなさまの疲れも、かなり蓄積しているはずです。どうかご自分も労わりながらお過ごしください。

今回も自宅スタジオ収録でお届けしました。6週目。
新コーナー「Songs in the Attic 〜屋根裏の名曲たち〜」は第4回目。そろそろ「新」がとれるころかもしれません。今週は80年代セルフコンテインド・グループ編をお届けしました。お楽しみいただけたでしょうか。
最近はこの形態も珍しくなってきましたが、作品はずっと残りますからね。

そう、作品は残るのです。
そして、発表から何年、何十年経とうと、個人でその作品と向かい合うときに生まれる関係は、常にオリジナルなんですよね。音楽にしても、絵画にしても、文学にしても。
作品はメディアにのったり複製が大量に流通したりすることで認知度を高めていくものですが、作品と鑑賞者との関係性はすべてが一点ものということです。
アートって、そういうところがすごく民主的。自由を感じます。だから私は好きなんですよ。

さて、リスナーの方から届いたメールをご紹介しましょう。
まずは神奈川県にお住まいの「メロンパンナ」さん。50歳の女性です。

松尾さん、スタッフの皆様、初めてお便りいたします。
いつも番組を楽しみにしておりましたが、ようやく「聴き逃しサービス」が適用されるとのこと、大変嬉しく思っております。ずっと待っておりました。これでいつでもこの番組を拝聴することができます。
さて、去る5月4日の放送で、8歳の「きゅうり」さんからのお便りが読まれました。8歳とはなんて早熟なのかしらと思ったのですが、思い返せばわたくしが洋楽を聞き始めたのもそのくらいの時でした。わたくしには少し年上の従姉がおり、当時、彼女がエアロスミス、KISS、Queenなどのロックに夢中で、家に遊びに行くたびにいろんなレコードを聴かせてくれました。
ある日、彼女がかけてくれたのが、「Daryl Hall & John Oates」の「Sara Smile」でした。曲が流れてきたとき、体に稲妻が走りました。音楽を聴いて、身震いがして、ガーン、ズドーンと来ることって本当にあるんですね。
歌えるようになりたくて、従姉にお願いして歌詞を教えてもらい、一生懸命覚えました。これが、わたくしの洋楽との出会い、原体験でした。
きゅうりさんと同じくらいの年齢だったと思います。きゅうりさんがお母様にお便りを代筆してもらいながら、好きな音楽を探している姿に心洗われる気持ちになり、ついお便りを書いてしまいました。たくさん素敵な音楽を聴いて成長してほしいなと思いました。
昨今の状況のため、松尾さん、スタッフご一同、気を使うことがたくさんあると思います。どうぞ皆様、くれぐれもお体を大切に守りながら、テクノロジーを駆使して番組を続けてくださいませ。


初めてのお便り、心から嬉しく思います。ありがとうございます。
私と年齢が近いせいか、あるいは感性に近いところがあるのか、読ませていただきながら膝を打つところ多々ありまして、全文掲載した次第。
メロンパンナさん、これからも末長くお付き合いください。

そして、もう1通。岐阜県の53歳の男性リスナー「堅田英一」さんから。

こんばんわ松尾さん。毎週楽しみに聴いています。コロナ禍で色々制限されているなかで、この番組が毎週の楽しみになっています。
さて「Songs in the Attic ~屋根裏の名曲たち~」なかなか良いですねぇ。ご紹介して頂いた曲にも様々な再発見があるので、改めて購入したり、持っているものでも暫く聴いていなかったものを聴きかえしたりと、R&Bの魅力にどっぷりとハマりっぱなしです。
(略)
まだまだ全国的には緊急事態宣言が解除されていませんので、松尾さんをはじめスタッフの皆さん、そしてこの番組のリスナーの皆さん、くれぐれもお体をご自愛下さい。


コロナ禍でもメロ夜を聴き続けてくださる方、あるいコロナ禍がこの番組と向き合うきっかけになった方、いろんなリスナーがいらっしゃるんだなあと痛感する今日このごろ。
50分という短い放送時間ではありますが、この番組がみなさんのひとときの憩いとなれば幸いです。

来週は、今月7日に58歳で亡くなったアップタウン・レコード創業者にして元モータウン・レコードCEO、アンドレ・ハレルの追悼特集をお届けします。
ガイ、ジョデシィ、メアリー・J・ブライジ、アル・B ・シュア!、ヘヴィ・D & ザ・ボーイズ、ソウル・フォー・リアルなどなど、ただいまノンストップミックスの鋭意選曲中です。

以上、R&Bファンにとってこの5月は失うものの大きさを痛感する日々ですね、松尾潔でした。


第387回 2020年5月18日放送分

いつもご清聴ありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々、およびご家族、関係者のみなさまに、謹んでお悔やみ申し上げます。罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。
また医療従事者の方々をはじめ、感染拡大防止にご尽力されているみなさまに深く感謝申し上げます。

今夜は39県で緊急事態宣言が解除されてから初めての放送でした。
みなさんはどんな週末、どんな月曜日をお過ごしになったのでしょうか。
ご存じのように、NHK放送センターのある東京(私が生活している場所でもあります)は、まだ宣言解除の対象外です。
今回も自宅スタジオ収録でお届けしました。そろそろ慣れてきたかな、の5回目。

さて、「らじる☆らじる」の聴き逃しサービスはもうお試しいただけましたか。
ご利用くださったリスナーのみなさんからご感想が続々と届いています。(以下、敬称略)

これで、夜、よく眠れそうです。これで、毎日メロ夜を再現できますね(笑)
(田舎に住んでおります・山形・38歳・女性)

5/4の放送聴きました。聴き逃しがスタートし、いつでも聴けるのでありがたいです。
(Soul Beavers・富山・56歳・男性)

週に1回なのが残念です。繰り返しきいてます。これからも素敵な音楽楽しみにしています。すごい番組に出会えて感謝。
(たま・石川・48歳・女性)

聴き逃し配信の開始、嬉しくて嬉しくて。今日は朝から、カークフランクリンのI smileを聴いて、口角も上がり、力が湧いてきてます。
(虹色はあと・沖縄・45歳・女性)

遅ればせながら、聴き逃しの配信、おめでとうございます!好きな時間に何回でも聴けますね。引きこもりシーズンには本当に嬉しい限りです。友達にも薦めておきます!
(青い羽・東京・38歳・女性)

聴き逃しサービスほんとうにありがとうございます(略)聴き逃しサービスのおかげで、何度も聴けるとその度に新しい気づきがあってそれを楽しみにしております。メロ夜を朝のウォーキングで聴くができるようになって、夜に合う曲たちのはずなのに、ゆるーく気分よーく歩けます。だからあたしには最近はメロ朝 笑。
(なべきち・山口・47歳・女性)

以上、喜びのお声の一部をご紹介しました。ありがとうございます。
そしてなんと、番組リスナー歴10年目にして初めてメールをくださった方もいます。
聴き逃しサービスの威力! らじる☆らじる、恐るべし!
静岡県にお住まいの「アーバンダディー T.Tデラックス」さん。46歳の男性です。

松尾さんスタッフの皆さん今晩は、初めてメール致します。
メロ夜2ndシーズンあたりから聞かせて頂いております。私は、基本サイレントリスナーですが、このメロ夜が聴き逃しサービス配信開始を知りまして、あまりに嬉しくてメールさせて頂きました。
物流系で夜長距離を走っています、タイミングが合わなかったりでリアルタイムで放送がきけなかったり走行中で電波が悪かったりで苦労していましたが、聞けなかった時でもこれからは聴き逃しサービスで聴けるのでとても嬉しいです。
先週の放送は、リアルタイムで聴いて、聴き逃しで3回も聞いてしまいました。私にとってこのメロ夜は、自身のCDライブラリーを増やす為の非常に良い参考とさせて頂いております。
どうぞこれからも松尾さんはじめスタッフの皆様お体ご自愛頂き末永く良い番組を私たちに提供してください。宜しくお願い致します。


巣ごもりの時間が増えてから、物流というシステムのありがたみを痛感している今日このごろ。
その従事者であるT.Tさんにここまで喜んでいただけることを、私も嬉しく思いますよ。
どうかお身体お大事に。

ところで、先週(5/11)の屋根裏でお届けしたFinis Hendersonについて、埼玉県にお住まいの59歳の男性リスナー「junkfunkjunk」さんから以下のご指摘を受けました。

いつも楽しく拝聴させていただいております。
先日のハワード・ジョンソンのSO FINEなど滅多に聴くことができない曲が流れて楽しかったです。雰囲気的にPASSAGEのPOWERが流れるかなーと期待しましたが ・・・・。
話は突然変わりまして・・ FINIS HENDERSONの発音は間違いです。「フィーニス」ではなくて「ファイナス」が正しいです。
どこかの動画投稿サイトで 【Finis henderson/National Anthem/Arsenio Hall Show】で検索してみてください。とめんどくさいことを言ってしまいましたが、いつも楽しく聞かせていただきましてありがとうございます。


早速検索したところ、アメリカを代表するTVタレントのジェイ・レノをはじめ、いろんな人たちが、「ファイナス」とはっきり言ってるではありませんか!
これには私もびっくり。30年以上も「フィニス」と呼び続けてきて、少し前に「フィーニス」と認識を改めたばかりでしたからね。そのいずれも間違っていたとは……。
たいへん失礼しました。そしてjunkfunkjunkさんには大感謝です。ありがとうございます。
そして、動画サイトで見つけた最近のファイナス(さっそく使いました)が、往時と変わらずイケメンだったこともご報告しておきましょう。シナトラからエミネムまで達者に物真似する器用な芸人ぶりでした。

来週も屋根裏からとっておきの名曲たちを選んでお届けします。80年代グループ編。

以上、ファイナスはアル・マッケイと従兄弟どうしだそうですよ、松尾潔でした。


※過去3回分を掲載しています。
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